13人以上の雑多な同窓会…「Disney+」ドラマシリーズ『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:アメリカ(2026年)
シーズン13:2026年にDisney+で配信(日本)
ショーランナー:ライアン・マーフィー
交通事故描写(飛行機) 性描写 恋愛描写
あめりかんほらーすとーりー

『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)物語 簡単紹介
『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)感想(ネタバレなし)
シーズン13は暗黒同窓会
今や大忙しのクリエイターである“ライアン・マーフィー”と“ブラッド・ファルチャック”が2011年からケーブルネットワーク「FX」で世に送り出したホラーシリーズ…それが『アメリカン・ホラー・ストーリー』。略称は「AHS」。
その人気は絶好調で、すっかり「FX」で最も視聴されているシリーズのひとつとなりました。シーズンも重ねながら、『アメリカン・ホラー・ストーリーズ』といったスピンオフも制作され、さらに同様の構成の『アメリカン・クライム・ストーリー』といった姉妹作も多数生み出されました。もう「“なんちゃら”ストーリー」を量産しすぎてわけわからん状態ではありますが…。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』はアンソロジーであり、毎シーズンごとに一定のテーマ性で恐怖を描くのが恒例。どのシーズンでも基本的には、わざとらしく悪趣味で、大仰で、陳腐…キャンプでキンクなスタイルで攻めているのも特徴です。
各シーズンにサブタイトルがあって、シーズン1では「Murder House」、シーズン2では「Asylum」、シーズン3では「Coven」、シーズン4では「Freak Show」、シーズン5では「Hotel」、シーズン6では「Roanoke」、シーズン7では「Cult」、シーズン8では「Apocalypse」、シーズン9では「1984」、シーズン10では「Double Feature」、シーズン11では「NYC」、シーズン12では「Delicate」…。
そして2026年、『アメリカン・ホラー・ストーリー』のシーズン13、そのサブタイトルはずばり「13」…が配信となりました。今回はこちらのシーズン13の感想です。
普段の『アメリカン・ホラー・ストーリー』はアンソロジーなので「どのシーズンから観てもいいですよ」と言えるのですけど、この今回のシーズン13に限っては、シリーズを一切観たことがない人がいきなりシーズン13から観るのはオススメしません。
なぜなら今作シーズン13はこれまでの『アメリカン・ホラー・ストーリー』に登場したキャラクターが多数総出演する…お祭り的な内容になっているからです。同窓会ですね。
なので『アメリカン・ホラー・ストーリー』完全初見の人はシーズン13以外をまず観ましょう。とは言え、全部の以前のシーズンを観ないとダメということもなく、とりあえずシーズン1・シーズン2・シーズン3、あとシーズン8を視聴して好きだったら、シーズン13も楽しいんじゃないでしょうか。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』のシーズン13は全13話。1話あたり約30分と短めです。日本では「Disney+(ディズニープラス)」で独占配信されています。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)を観る前のQ&A
鑑賞の案内チェック
| 基本 | 飛行機事故のシーンが描かれます。 |
| キッズ | 殺人や性的な話題の描写があります。 |
『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)感想/考察(ネタバレあり)
あらすじ(序盤)
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13…」
ベンという男が恋人のキラの隣で一緒に待合室のソファに座っています。カップルセラピーのために訪れたのでした。しかし、ベンは落ち着かず、周囲にあるいろいろなものの数を数えてキョロキョロしています。とくに「13」という数字が気になるのでした。ベンは「13」という数字に異様に不安と恐怖を感じるのです。
セラピストの前でキラは今年の誕生日である13日は金曜日で最高のタイミングなのに、ベンがキャンセルつもりだと知って憤慨したと感情を吐露。キラは「13」という数字がむしろ大好きで、旅行先のグレナディーン諸島も13の島があり、13人の友達の行く気満々。ベンは黙って聞いていますが、キラは別れる覚悟もあるようです。ベンは渋々自分が「13」の数字が苦手だと白状します。
結局、ベンは苦しみ抜いた末、愛のために最終的には勇気を振り絞って飛行機に乗り込み、キラを驚かせます。こうしてみんなを乗せて飛行機は離陸しましたが、異常に激しい乱気流が上空で機体を襲い、爆発が起きてしまい…。
ところかわって、オフィーリアはマディソン・モンゴメリーやコーデリア・グッドら「ミス・ロビショーズ・アカデミー」の魔女たちに見守られ、能力を磨いていました。そのとき、卓越した魔女であるコーディリアは不吉な気配を感じ取ります。
一方、謎めいた生気のない老人の傍にいるコンスタンス・ラングドンでしたが、その老人は車椅子からゆっくり立ち上がり、奇妙な黒い液体を口から盛大に吐き出します。
ベンは…生きていました。乗っていた飛行機は空中でバラバラになり、大勢の乗客が死亡しましたが、ベンは無傷で生存できたのです。
そんな壮絶な臨死体験から1ヶ月後、ベンはニューヨーク・シティのとあるビルで顧客にホスピスケアを提供する仕事に就いたので、その建物に足を踏み入れました。行き先は13階。豪華な部屋には13だらけ。
現れたコンスタンスは飛行機事故の生存者であるベンを認知していました。ベンは飛行機の13F席で生き残り、13B席に座っていた別の乗客も無事で、生存者の乗客はその2人のみ。
ベンはペントハウスを案内され、ベッドに寝かされたミスター・ナスと対面。彼は87歳で(あと13年生きれば100歳!)、反応がほぼないナスの傍らには同じく奇妙なドクター・フィブスがいます。彼の医療バッグには、生きたヘビが入っているのが見え、明らかに現代医療ではない古風な治療法を用いています。
夜中、ベンはある現象を垣間見ることに…。

ここから『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)のネタバレありの感想本文です。
同窓会の主役は魔女たち
繰り返しになってしまいますが、基本的に『アメリカン・ホラー・ストーリー』はアンソロジーであり、各シーズンは古典的とも言えるジャンルらしいテーマを踏襲し、本作らしく染め上げるというアプローチで、ある程度の一貫性がありました。少なくともひとつのシーズン内の連続性は担保されていました。
しかし、今回のシーズン13は同窓会です。これまでの過去シーズンのキャラクターたちがさすがに全部とはいきませんが、それでも数十人は総出演しており、さながら『アベンジャーズ ドゥームズデイ』状態。
問題は、この『アメリカン・ホラー・ストーリー』は別にクロスオーバーを前提に考案されているわけでも、土台となる原作があるわけでもないということ。そのため、シリーズを横断して邂逅することになる各キャラクターたちはそもそも関連性は薄く、元も子もないことを言えば、製作陣が今回のために後付けして巡り合わせています。
なので「同窓会と聞いて集まったけど…誰? あんた? え…私と縁があったの?」みたいな、顔見知りではないのに強引に接点を提示されるというシチュエーションが連発しまくります。
結果、支離滅裂でまとまりのないクロスオーバーになっている感じは正直否めないのがこのシーズン13ではあると思います。
もちろんシリーズファンはたっぷりノスタルジーに浸れるので、それだけでじゅうぶんという人は楽しいはず。
とくに魔女たちの再集結は豪勢です。“サラ・ポールソン”演じるコーデリア、“エマ・ロバーツ”演じるマディソン、“ガボレイ・シディベ”演じるクイニー、“アンジェラバセット”演じるマリー・ラヴォー、“フランセス・コンロイ”演じるマートル・スノー、“ジェシカ・ラング”演じるフィオナ…。
各シーズンのキャラクターが結集してしまったがゆえに、一部の俳優はひとり何役も演じているため、「同じ顔がいっぱいいる!」という近年稀にみる顔認証も無意味なカオスな状態になってましたけど…。
逆に魔女勢以外の参加者はわりと同窓会の席でも片隅に追いやられていましたね…。これも同窓会あるあるか…。華やかな成功者に注目が集まり、居心地悪くそれを見ているしかない者もいる…。
私としては殺人鬼勢が案外とまとまりなく散っていったのは残念ではありました。まあ、アイツら、そもそもが協調性も組織力もないから、根本的に無理な話だったかもしれないけども…。
見飽きれば13に恐怖もしなくなる
『アメリカン・ホラー・ストーリー』のシーズン13でとくにもったいないのは、新規キャラクターの盛り上げが全然できずに終わったことです。
過去の大物キャラが総出演しながら、最終的に新しいキャラクターに活躍の場を持たせ、次世代へバトンタッチする…というのがオーソドックスなシリーズの発展のさせかただと思うのですが、今回は渋滞する過去キャラの登場でいっぱいいっぱいになっていましたね。
まず一応は主人公のはずだったベンですが、彼の抱える「13恐怖症(triskaidekaphobia)」を前半ではくどいくらいにこすり続け(怖がらせたいのか笑わせたいのかわからない序盤の恐怖演出)、それはナス(サタン)を100年間生き永らえさせて地上を支配するための布石となる「13の生贄」の儀式へと繋がります(多くの女性が生贄になっているけど、まあ、半数近くが“サラ・ポールソン”だった気もする…)。
さらにベンは悪魔の血筋であることが判明し、ここから「出自に限らず、善人でいられるだろうか」というサブテーマが顔を覗かせる…と思うじゃないですか。ところが本作はあまりそこに葛藤させず、相変わらずの大雑把なテンポで押し切ってしまいます。いつの間にやらマディソンと付き合って子作りするし、普通に自由を謳歌しているじゃないか…。
フィオナも「コンスタンスが一卵性双生児の姉妹で、父は悪魔だった!」という衝撃の事実が舞い込み、もう出自云々にじっくり悩んでいるどころではなかったかもしれませんが…。あの調子だと、みんな悪魔の子なんじゃないか…。だったら、いいか…(考えるのはよそう)。
“アヴァンティカ・バンダナプ”や“アレックス・コンサーニ”といった若い魔女たちの出番も、すっかりベテランの影に隠れてしまったのも残念。
それにコンスタンスはいいとして、“ジェイミー・ブルーワー”演じるアデレードとか、わざわざ蘇った意味もそれほどないのもどうかと思うし…。
後半は魔女と悪魔の陣営でのダーク・ファンタジー・バトルと化していきますが、各キャラクターのドラマ不足を引きずった流れで、展開上、仕方なく戦闘に突入するだけなので、どうしてもご都合的なところが目立ちました。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』はすでにシーズン14も決定しており、おそらくまだまだ継続するでしょう。今後は(もう見飽きるくらいにやりましたから)クロスオーバーは控えめにして、各シーズンの作り込みに重点をおいてほしいところです。
シネマンドレイクの個人的評価
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)
関連作品紹介
ライアン・マーフィー製作のシリーズの感想記事です。
・『モンスター リジー・ボーデンの物語』
・『9-1-1 LA救命最前線』(シーズン9)
・『ザ・ビューティー 美の代償』
以上、『アメリカン・ホラー・ストーリー』(シーズン13)の感想でした。
作品ポスター・画像 (C)FX アメリカンホラーストーリー
American Horror Story: 13 (2026) [Japanese Review] 『アメリカン・ホラー・ストーリー』考察・評価レビュー
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