何回でも言ってやるよ!…映画『レディ・オア・ノット2』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:アメリカ(2026年)
日本公開日:2026年8月14日
監督:マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット
ゴア描写
れでぃおあのっと2

『レディ・オア・ノット2』物語 簡単紹介
『レディ・オア・ノット2』感想(ネタバレなし)
悪魔に投資する奴は爆散しろ!
「トリリオネア(Trillionaire)」なる人がいるらしいのですけど、どういう意味の言葉だったかな…? カネの亡者とか、拝金主義って意味ですね。うん、そうです。
いつの時代もそんな奴らはろくでもない人間であり、強欲に溺れています。自分を成功者だと陶酔し、弱者を“努力の足りない”下等と見下し、我が物顔で権力を振るう。
映画はそんな存在と常に風刺してきており、最近も『億万長者の不都合な終末』など痛烈な作品が観られたりしましたが、今回紹介する映画もそこに加わる一作です。
それが本作『レディ・オア・ノット2』。
2019年に公開されたアメリカ映画『レディ・オア・ノット』の続編なのですが、2作目となる2026年の本作もジャンルはマンハントな殺戮スリラー。盛大に血しぶきが飛び散り、「fuck」の単語の数も大盤振る舞いです。
1作目は、結婚や家族に関する問題で心が荒れている人にぴったりな一作で、「もう結婚とか糞くらえだ!」という叫びが詰まっていましたが、今作もその延長上にありつつ、より大富豪への怒りに焦点があたります。
『レディ・オア・ノット2』を監督するのは前作から引き続き、“マット・ベティネッリ=オルピン”と“タイラー・ジレット”のコンビ。映画制作ユニット「レディオ・サイレンス」を結成している2人ですが、1作目の『レディ・オア・ノット』の成功でキャリアが加速し、以降は2022年の『スクリーム』と2023年の『スクリーム6』の監督に抜擢されるなどしていました。


2024年にはケレン味たっぷりの吸血鬼ガール映画『アビゲイル』を監督し、相変わらずのテンポのいい爽快感を届けてくれていました。
『レディ・オア・ノット2』に戻ってきたことで、“マット・ベティネッリ=オルピン”&“タイラー・ジレット”のオリジナル・フランチャイズが確立していくのかはわかりませんが、この監督コンビの持ち味はやはりこのシリーズが一番濃いのではないでしょうか。
主演は前作に引き続き、“サマラ・ウィーヴィング”です。罵倒系血みどろヒロインとしてやはりハマってます。もうこういう役が鉄板で、それ以外は考えられないくらいになってる…。
さらに今作ではその妹役として、『アントマン&ワスプ クアントマニア』といった大作も経験し、『ザ・スイッチ』や『アビゲイル』でホラーも慣れっこな“キャスリン・ニュートン”が起用されています。
実質的には姉妹映画であり、気持ちのいいシスターフッドが堪能できます。スプラッタではあるけど、楽しい姉妹映画を観たいならぜひ。
1作目は日本では劇場未公開だったので、日本国内の知名度が低めなのですが、今回の2作目は日本でも劇場公開されました。むしゃむしゃしているときにこそ、うってつけの映画です。
『レディ・オア・ノット2』を観る前のQ&A
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Q『レディ・オア・ノット2』を観る前に観たほうがいい作品は?
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A
前作である1作目の『レディ・オア・ノット』のラスト直後から物語が始まるので、鑑賞しておくことをオススメします。
鑑賞の案内チェック
| 基本 | 同意のない強制的なキスのシーンがあります。 |
| キッズ | 残酷な殺人の描写が多いです。 |
『レディ・オア・ノット2』感想/考察(ネタバレあり)
あらすじ(序盤)
爆発炎上する屋敷から血塗れのドレス姿でひとり呆然と現れたグレースはもうこんな経験は二度とクソッタレだと思いながら、気を失います。そのグレースは救急車に乗せられ、心肺蘇生されます。これまでのことが走馬灯のように蘇ります。生々しい最悪の記憶…。
ほんの少し前、凡人だったグレースはル・ドマス家という名家の御曹司のアレックスと結婚することになって、彼の家の屋敷で挙式を迎えていました。そして、その夜、正式な家族の一員になるための伝統の儀式としてゲームに参加することになりました。ところがそれはグレースを殺すためのもので、この家系のおぞましい実態を味わうことになったのです。
グレースは決死の反撃で生き延びました。でも身も心もボロボロです。
ふと目が覚めると、病室のベッドの上。手は手錠で縛られていました。目の前には刑事がいて、話を聞きたいようですが、話してわかってくれるような内容ではないことは明らかです。
そのとき、妹のフェイスがふらっとやってきます。姉妹ですが全然会っておらず、やや険悪な空気が流れます。2人きりになり、互いの近居を刺々しく話します。グレースはもう他人不信です。フェイスは「何が起こったのか話せば?」と言いますが、グレースは躊躇います。それでも涙目で自嘲気味にグレースはあの体験を告白します。
それを聞いてさすがのフェイスも唖然。刑務所に行くことにならなかっただけマシか…。
ところかわって、医療モニターに繋がれて世界の物騒なニュース映像を複数画面で眺めていたひとりの老人。そのダンフォース家の当主チェスターのもとに「ル・ドマス家の件」が伝えられます。そして子どもたちと各地の名家の者に連絡が回ります。
双子であるウルスラとタイタス・ダンフォース、ワン・チェン・シン、ヴィラージ・ラジャン、イグナシオ・エル・カイド、そしてビル・ウィルキンソン…。
悪魔ル・ベイルと契約を結んだ6つの名門一族、今は5つになってしまいましたが、その名家は評議会(カウンシル)を築いており、独自の殺戮ゲームをするのが習わしでした。
ウルスラとタイタスは、今のトップにいる老父チェスターを、本人の依頼でまくらで窒息させて殺害し、全家を巻き込んだゲームの開催の始まりを覚悟します。
そんなことも知らず、グレースが病院の廊下をフェイスと刑事と歩いていると、いきなりナイフが飛んできて刑事の首に刺さって刑事は息絶えます。
襲ってきたのはビル・ウィルキンソン。グレースには知らない相手です。「ミス・ル・ドマス」と呼んでくるので、どう考えてもあの家系と関わりのある人物だと推察できます。
まさかまだ惨劇は終わっていないというのか…。

ここから『レディ・オア・ノット2』のネタバレありの感想本文です。
姉妹で罵声をぶちかます
完全に1作目のラストの直後から続くタイプの続編であり、恐怖がほぼ切れ目なくノンストップで開幕します。“サマラ・ウィーヴィング”演じる主人公のグレースがとにかく可哀想ですが、でもこのグレースはそんなひ弱な女の子ではなく、いざとなれば覚悟を決めて「殺める側」に立つ肝っ玉の持ち主。それは前作ですでに証明済みです。
“サマラ・ウィーヴィング”は同じ2026年だと主演作『オーバー・ユア・デッド・ボディ』でもそうでしたが、ただやられるだけではない、悪戦苦闘しながらサバイバルしていく役が似合いますよね。
今回の『レディ・オア・ノット2』でも複数の名家が参加した大型ゲームに拡大したにせよ、やっていることは前と同様で、「殺されるか、全員倒すか」のデスゲームなので(もはやかくれんぼではない)、あの実力をみせたグレースなら突破できそうな気が最初からしてしまいます。
しかし、2作目では妹のフェイスも参加します(完全に巻き添えだけど)。このフェイスもそんなか弱い存在ではないのですけども、「危機の中で姉妹の絆を取り戻す」ことが主軸になってくるので、能力とかはぶっちゃけどうでもいいのです。
姉妹ムービーとしては大変楽しいエンターテインメントだったから私はじゅうぶん満足。
やっぱり疎遠だろうと姉妹だからなのか、フェイスもきっちり「fuck」を連発しまくる癖があり、罵声が気持ちいいです。このシリーズ、罵声の心地よさを味わう作品ですよ。あのどうしようもない敵たちは罵声を浴びせるためだけに存在している奴らです。
姉妹ともお互いにろくな人生ではないかもしれないけど、見栄を張るのではなく、少なくともこの姉妹だけは信頼し合って生きていこうというラスト。「I love you」で終わる姉妹愛が悪いものなわけないじゃないですか。共に血しぶきを浴びた姉妹は強いのでした。
結婚すれば苦しまなくて済むよ?
『レディ・オア・ノット2』の敵勢力は、悪魔が背後にいるとは言え、やはり今回も凡人の集まりです。大富豪なので他人を見下すのが初期設定ではありますが、特段の才能は持ち合わせていません。
今作では国際色豊かになっていますが、あまりそのあたりは活かされないのはもったいないところではありました。けれどもどうせ死ぬだけなのでね…。
最初に盛大に死ぬヴィラージが業務用大型洗濯機で殺されるシーンは、「え? こんな殺しかた、エグくない? いいの? いいんだ…」みたいな姉妹の空気感も面白く、このシリーズらしい不謹慎さがありました。
ああ、その前にビル・ウィルキンソンが盛大に爆発四散していたか…。この悪魔ル・ベイル、ルールには厳密なので、こんなアホな奴ら、すぐにルール違反で爆死してそうなのですけど、今までどうやって一族が滅ぼずに済んだのだろうか…。
「“殺す側”は他の一族の参加者を殺してはいけない」というルールが毎度破られそうになっていくギャグも、このシリーズの「殺しがヘタクソなマンハント・スリラー」の欠かせない調味料です。
ちなみにウルスラ・ダンフォースを演じたのは“サラ・ミシェル・ゲラー”ということ、ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』のネタが随所にありましたね。
あと、今回のゲームの監督者であるアイツを“イライジャ・ウッド”が演じているのも、完全に指輪絡みの某作品へのおふざけネタだろうし…。
“デヴィッド・クローネンバーグ”のあの扱いかたは、贅沢と言えばそうだけど…“デヴィッド・クローネンバーグ”的にはあれでいいのか…? いいんだろうな…。
一方で、案の定、グレースはサバイバルの中で強くなっていくタイプなので、ショットガンを手に入れたら躊躇いなくフランチェスカも撃つし、結婚したふりで糞男のタイタンにも一矢報いるし、やるときはやってくれます。「結婚すれば苦しまなくて済むよ?」なんて誘い、ほんと、糞以外の何ものでもないですから。女の幸せはやっぱり結婚じゃない、金持ち家族に嫁ぐことではない、少なくとも私には。今作もこれを繰り返しますが大事なこと。
全体的には1作目と展開は変わりませんで、新鮮な驚きは薄いのですけども、上流階級の人間の幼稚さを眺め、「こんな奴らの仲間にはなりたくないな」と思えればそれで上出来。
この現代、私たちに必要なのはあの穴に飛び込んでしまわないようにすることだけです。
そしてヤギを大切にしましょう。
シネマンドレイクの個人的評価
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)
以上、『レディ・オア・ノット2』の感想でした。
作品ポスター・画像 (C)2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved. レディオアノット2
Ready or Not 2: Here I Come (2026) [Japanese Review] 『レディ・オア・ノット2』考察・評価レビュー
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