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ドラマ『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』感想(ネタバレ)…レベル1から

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ

始まる俺の一発逆転な騎士人生…ドラマシリーズ『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:A Knight of the Seven Kingdoms
製作国:アメリカ(2026年)
シーズン1:U-NEXTで配信(日本)
製作総指揮:ジョージ・R・R・マーティン、アイラ・パーカー
ゴア描写 性描写
ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ

ないとおぶざせぶんきんぐだむず
『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』のポスター

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』物語 簡単紹介

王位継承争いなんてものとはまるで無縁の生活をしていた平民のダンクは、師のサー・アーランが亡くなったことで、ついに身寄りもなく放浪することになってしまう。騎士として生計を立てるため、馬上槍試合への出場を思いつきで目指すが、計画はない。その道中、ダンクは坊主頭のまだ幼い子どもであるエッグと出会うが、その子はダンクの従士になることを志願し…。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の感想です。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』感想(ネタバレなし)

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2026年に加わった七王国の騎士

またあの世界観が映像作で拡張しました。原作のメインのシリーズは完結する気配が全くないのに…!

“ジョージ・R・R・マーティン”のハイファンタジー小説『氷と炎の歌』がドラマ化されたのは、もう15年以上前の2011年。その壮大なドラマである『ゲーム・オブ・スローンズ』は業界の歴史に名を刻む伝説となりました。

そして『ゲーム・オブ・スローンズ』の完結した2019年から3年後の2022年、今度はその200年前を舞台にした『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』という新ドラマが幕開けとなり、進行中です。

この2作だけでも大ボリュームなのですが、また新しいドラマが2026年に加わりました。

それが本作『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』

「ええ…私はどのドラマも観たことないのに、これ以上増えたらますます手にとりづらいよ…」と思ったあなたも大丈夫。本作『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』はこれまでのドラマを未見の人でも安心です

『ゲーム・オブ・スローンズ』から約100年前の出来事から始まるのですが、始まりはとてもミニマム。人間関係もそこまで込み入っていませんし、おなじみの政治的リアリズムから少し離れた出発点となっています。物語量もシーズン1は全6話で、1話あたり約30~40分。あら、お手軽!

そのうえ、今作はコメディの味が濃く、気楽に観やすいです。もちろん定番の野蛮で壮絶なシーンもあるのですが、全体としてはコミカルな舌触りになっています。タイトルはカッコよさそうな雰囲気なのに…。

でも物語が進んでいくとちゃんとこのシリーズの歴史を感じさせてくれるのでそこも不安は要りません。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』のショーランナーは、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でも共同製作総指揮に参加していた“アイラ・パーカー”

主演は、ドラマ『WRECK/レック』“ピーター・クラフィ”。最高の代表作を獲得しました。元プロラグビー選手らしく、その高身長を活かした役どころで、ぴったりすぎます。

その“ピーター・クラフィ”と並ぶことになる、子役の“デクスター・ソル・アンセル”はもっと幸運な大抜擢ですけどね。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』は本国では「HBO」ということで、日本では「U-NEXT」で独占配信されています。

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『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』を観る前のQ&A

Q:『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』を観る前に観たほうがいい作品は?
A:とくにありません。

登場キャラクターの整理

  • ダンク(Dunk)
    …騎士として名を残そうとする男。
  • エッグ(Egg)
    …ダンクの従士になりたいと寄ってくる子ども。
  • ベイラー・ターガリエン(Baelor Targaryen)
    …ターガリエン家の王位継承者。
  • メイカー・ターガリエン(Maekar Targaryen)
    …ベイラーの弟。
  • エリオン・ターガリエン(Aerion Targaryen)
    …メイカーの次男。兄はデイロン。
  • ライオネル・バラシオン(Lyonel Baratheon)
    …バラシオン家の騎士。
  • レイマン・フォソウェイ(Raymun Fossoway)
    …フォソウェイ家の従士。騎士サー・ステッフォンに従事。
  • タンセル(Tanselle)
    …人形劇団に所属する女。
✔『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の見どころ
★シリーズらしさそのままにコミカルな人間模様と深い絆。
✔『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の欠点
☆—

鑑賞の案内チェック

基本
キッズ 1.0
残酷な暴力やヌードの描写があります。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

ウェスタロスという大陸。鉄の玉座をめぐる権力争いとは全くの無縁な平民の男がひとりいました。

その背の高い男は、とある丘の上、曇り空の下、降りしきる雨の中、馬を待たせてスコップで不器用に地面を掘っています。彼の名前はダンク。こうしている理由は、従士として仕えた老齢のサー・アーランの遺体を埋葬するためです。彼の亡骸を横たえ、ずぶ濡れのままぎこちなく言葉を残し、追悼。師には乱暴な扱いもされました。それでも自分の人生の全てでもありました。

これからは己で生き方を見つけなくてはいけません。でも自分には当てもなく、放浪するしかできません。

七王国の王都(キングズ・ランディング)の守人(シティウォッチ)になるのもいいです。しかし、アーランの剣と盾を手に入れた今、騎士としてもっと大きな偉業を成したいと考えていました。

とりあえずアシュフォードに向かうことにし、道中で民宿に寄っていきます。そこでエッグという子どもが勝手に馬に乗って騎士ごっこをしているのを目撃。自分もろくに騎士の経験はないですが、一丁前なふりをして叱りつけます。どうやらこの子は騎士になりたいらしく、従者にしてほしいと図々しくお願いをしてきます。ダンクは拒絶し、わずかな施しをかっこつけて残しながら去っていきます。

リーチの地方のアッシュフォードに到着。賑わっていました。さっそく馬上槍試合への参加を登録しに行きます。危険なのはわかっていますが、ここで雄姿をみせつけることができれば、最高の騎士の開幕です。

ところが保証人がいないと参加は無理だと言われてしまいます。騎士だといくら口で言おうとも意味ないようです。負けたときの支払いも何も考えていませんでした。他の参加者は特訓に余念がないようですが、自分はほっつき歩くしかないです。

しょうがないので少し離れた森で野営 頼れる者はおらず、夜に人形劇団を眺めます。そこでタンセルという女性に目を奪われます。

その後、たまたま出会ったこちらも新米感のあるレイマン・フォソウェイに宴会に誘われます。そこで鹿の角を頭につけてひときわ目立つライオネル・バラシオンが目に入ります。美味しそうなものを口に頬張ってボサっと歩いていると、ライオネルに目をつけられ、言われるがままに共に踊って、流れのままに少し親しくなります。しかし、勝てそうにないと一蹴されるだけでもありました。

ダンクがキャンプに戻ると、禿げ頭のあのエッグという子が待っていました。ついてきてしまったようで、ダンクは咄嗟にサー・ダンカン・ザ・トールと名乗り、エッグを従者として迎えることに同意してしまい…。

この『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2026/02/25に更新されています。

ここから『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』のネタバレありの感想本文です。

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シーズン1:優しさだけでは…

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』は第1話の冒頭からいろいろな意味で衝撃的で、別に驚くべき事実が発覚するとか、大事件が起こるとか、そういう意味じゃなく、「え? こういうトーンでやってくの?」という困惑があるからで…。

まさか排便であのおなじみのテーマ曲をキャンセルしてくるとは…。他作品がやったらかなり失礼なパロディですけど、こっちは自虐。自分でやるなら、まあ、いいか…。

とにかく本作は最初はしょうもない下品さで攻めてきます。というか、それ以外に取り柄がないような奴らばかりです(いや、下品さは取り柄ではないけど)。

主人公であるダンクは、絵に描いたような「根は優しいが、鈍臭い大柄の男」です。図体はデカいですが、運動能力や体術に長けるわけでもない。見た目はそれなりに引き締まっていても朴念仁で、対人関係は得意ではありません。馬には慈しみを持って接することができるあたりで、かろうじて彼の素質がみえます。

せいぜい厩の管理人とかになるのが適正な気もする男です。そんなダンクが偉大な騎士になりたいというのは…どう考えても夢のまた夢に思える…。

しかも、この世界はあの生き馬の目を抜く残忍で弱肉強食なウェスタロスですよ。優しさなんて生存に有利になりません。

ちょっと場違いすぎるので異世界転生してきたラノベの主人公みたいです。なんのスキルもないこの男がここから騎士として人生を一発逆転できるのか…。はたまた、RPGにおけるレベル1からスタートする主人公のような…。ろくに装備もない中での旅の始まりですから。

そのダンクの従士者になるという選択をとるエッグ。その正体は、ターガリエン家の四男であるエイゴン・ターガリエンでした。

エッグは幼くとも王位継承権のある最上級の階級にいるわけで、平民のダンクとは身分も住む世界も違いすぎます。それでもこのエッグもまた、ダングと同じような「優しさだけ」を有する人間としてどこか孤独に佇んでいる存在です。もはやドラゴン無き家において、あとは何を誇ればいいのか…その空虚さの象徴でもあります。

この2人が揃うと「優しさ×優しさ」ですっかりホッコリしてくるのですが(何気ない会話だけでもすでに笑える)、そう呑気なことも言ってられません。余計に弱くなったようなもので、この世界ならいつでも死んでしまうぞという危うさを滲ませることになります。

このペアの存在感が何よりも目が離せず面白いですね。『ゲーム・オブ・スローンズ』にもこういう優しいキャラクターというのは登場していましたけど、ここまで「だ、大丈夫?」という危うさも付随するバランスは初めてで…

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シーズン1:嘲笑されても善良であれ

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の中心をなすダンク&エッグは、その優しさというのは言い換えれば「善良であろう」とする気持ちです。

本作はこの「狂った世界で善良であり続けることは、どれほど難しく、それでも大切なのか」というテーマが主軸に据えられ、ある種の最も純真な政治リアリズムが楽しめます。政治の世界で「善良さ」というのは一番に軽視されるのは、私たちも現実の政治を眺めていてよく噛みしめていると思います。

馬上槍試合にでるというのは、一見すれば「男らしさで挽回する」というありきたりなセオリーをなぞっているだけのように思えます。確かに最初はそういう魂胆はあったでしょう。

でも最終的にエリオンの粗暴さに反発したせいでやらねばならなくなった馬上槍試合で、明らかに形勢的にも世間的にも不利なダンクについてくれた面々。利益も男らしさもかなぐり捨てて味方してくれたあの男たち。その心にあったのは間違いなく善良さでした。

このベイラー・ターガリエンまで味方してくれる第4話のラストは、あのテーマ曲も汚物まみれから帰ってきて、最初からは想像できないほどに非常にエモーショナル。従来の『ゲーム・オブ・スローンズ』的でありながら、ここまで素直に善良さに感動させてくれる展開はなかったです。第5話の戦闘演出も見事でした。

結果、師のサー・アーランに続き、ベイラーまで失い、善良さというものの犠牲の大きさを思い知り、憔悴のダンク。でも嘲笑されても善良さを貫いた…それだけも大きな意義がありました。それは視聴者もその目に焼き付けました。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』は、『スター・ウォーズ』でいうところの『マンダロリアン』のように、巨大な世界観の中であえてミニマムな人間模様と己の在り方を問う物語によって、ごちゃごちゃしたフランチャイズで散らかりかけていたところを、あらためてそのシリーズの忘れてはいけないテーマの核心を再確認させてくれる…とても大事な役割を果たせたのではないでしょうか。

この『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』で新たに心を掴まれてファンになる人もいるでしょう。シリーズの展開が楽しみですね。

『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』
シネマンドレイクの個人的評価
8.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)

以上、『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』の感想でした。

作品ポスター・画像 (C)Home Box Office ナイトオブザセブンキングダムズ

A Knight of the Seven Kingdoms (2026) [Japanese Review] 『ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ』考察・評価レビュー
#ジョージRRマーティン #ピータークラフィ #ハイファンタジー