ほら、これが「スター・ウォーズ」だよ…映画『スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:アメリカ(2026年)
日本公開日:2026年5月22日
監督:ジョン・ファヴロー
まんだろりあんあんどぐろーぐー

『マンダロリアン・アンド・グローグー』物語 簡単紹介
『マンダロリアン・アンド・グローグー』感想(ネタバレなし)
7年ぶりの劇場体験
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。
銀河を一時支配していたディズニー帝国は崩壊しかけたかにみえたが、多くの労働者をリストラすることで、上層の権力者はしぶとく生き永らえていた。
金銭欲にかられたその首脳陣は再び外縁部から中枢に至るまでのシアター星系を手中におさめようと、賞金稼ぎを送り込む。
次なる戦いはまたも分断を生み出してしまうのか…。
劇場に帰ってきました…『スター・ウォーズ』が!
2019年の『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』以降、映画館から消えた『スター・ウォーズ』。別に謹慎処分を受けていたわけではなく、ドラマシリーズに舞台を移し、相変わらず量産はされていました。
実写ドラマとして、『マンダロリアン』(2019年~)、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021年)、『オビ=ワン・ケノービ』(2022年)、『キャシアン・アンドー』(2022年~2025年)、『アソーカ』(2023年~)、『アコライト』(2024年)、『スケルトン・クルー』(2024年)…。
合間にはアニメシリーズの新作もあって、『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』(2021年~2024年)、『スター・ウォーズ – モール/シャドウ・ロード』(2026年)…。
私は…全部…観ましたよ…。観てしまいましたよ…。なんだかんだで好きなんだなぁ…。
そして2026年。ドラマシリーズとして先陣で新たな開拓をしたドラマ『マンダロリアン』が、今度は映画として舞台を移しました。里帰りというか、逆進出という感じかな。
それが本作『スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー』。
監督・製作は“ジョン・ファヴロー”(ジョン・ファブロー)、脚本・製作は“デイヴ・フィローニ”と、もはやおなじみとなったコンビ。ちなみに“ジョン・ファヴロー”監督作の映画も2019年の『ライオン・キング』以来、久々なんですよね。
私もこの7年間で成熟しました。ええ…。今の私が、映画館に戻ってきた『スター・ウォーズ』を前に思うのは、ひとりでも新規ファンが増えるならそれでいい…の心境です。マニアックなオタクは…ほらね…まあ…今は置いておこう…。
ということで『マンダロリアン・アンド・グローグー』をどうぞ。
我らの道(This is the way)…!
『マンダロリアン・アンド・グローグー』を観る前のQ&A
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Q『マンダロリアン・アンド・グローグー』を観る前に観たほうがいい作品は?
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A
ドラマ『マンダロリアン』を一切観たことがなくても、この映画から観てもだいたいはついていけます。ただし、よりキャラクターの背景を知るなら、『マンダロリアン』のシーズン1とシーズン2、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』、『マンダロリアン』のシーズン3の順で観るのがオススメです。
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Q「マンダロリアン」とは?
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A
ひとつの種族を指すものではなく、ある信条・文化を共有するコミュニティのことで、長い歴史があり、「マンダロア」という故郷がありましたが、戦争のせいでみんな離散してしまいました。本作の時点では、故郷を取り戻し、コミュニティを再興させつつあります。
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Q「ディン・ジャリン」とはどんなキャラクター?
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A
マンダロリアンの元戦士で、現在は賞金稼ぎをしています。常にアーマー・ヘルメットを被り、「他者に素顔を見せてはいけない」という教義を守る信仰深さがあります。「マンドー」と呼ばれることも。
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Q「グローグー」とはどんなキャラクター?
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A
ヨーダと同じ謎の種族のフォース使い。以前はジェダイの保護下にあったようですが、現在はディン・ジャリンと出会い、運命を共にしたことで養子となりました。ジェダイではなくマンダロリアンに属する道を選び、今は「ディン・グローグー」の名が与えられています。
鑑賞の案内チェック
| 基本 | — |
| キッズ | 子どもでも観れます。 |
『マンダロリアン・アンド・グローグー』感想/考察(ネタバレあり)
あらすじ(序盤)
賞金稼ぎのディン・ジャリンとグローグーは、新共和国のために帝国の残党をまとめる大物を捕らえる仕事を請け負っていました。
今回も大物を捕まえるべく、山脈にある敵の隠れ家に攻め込み、大乱戦を繰り広げました。しかし、捕獲対象の大物は宇宙船で逃げそうになったため、やむなく撃墜。
新共和国のパイロットのゼブの操縦する船が迎えに来て、ひとまず新共和国の基地に帰ることにします。
新共和国の基地では指揮官のウォードがディン・ジャリンとグローグーの帰りを待っていましたが、ターゲットを殺してしまったので、ややおご機嫌斜め。本当は帝国残党勢力に関する情報を聞き出したかったのです。
そして、休む暇もなく次のターゲットの捕獲任務を与えます。その相手とは「コイン」と呼ばれる存在で、素性は不明。犯罪王ジャバ・ザ・ハットの後継者であるハットの双子がそのコインの情報を教えてくれるそうです。ただし、ジャバの息子で後継者のロッタが外縁部の惑星シャカリで監禁されているので、そのロッタを助け出してくることが条件とのこと。
ハットと言えば、今もナル・ハッタを根城に犯罪の裏社会では恐れられる存在です。できれば関わりたくないディン・ジャリンでしたが、他に仕事もないのでとりあえず向かってみることにします。
前払いとして以前愛用していた船と同じ「レイザー・クレスト」を貰い、まだ未熟なグローグーと一緒に出発。その先に罠が待ち構えているとも知らずに…。

ここから『マンダロリアン・アンド・グローグー』のネタバレありの感想本文です。
この沼、深いぞ…
長年『スター・ウォーズ』に関わり続け、“ジョージ・ルーカス”の無茶ぶり(「アナキンのパダワンを考えて」とか)に応えて頑張ってきた“デイヴ・フィローニ”。その最大の得意技は、膨大な世界観を把握したうえで細やかな再構築と拡大をし、キャラクターを掘り広げていくことだと私は思っています。ドラマ『マンダロリアン』は“デイヴ・フィローニ”がアニメシリーズでやってみせたことを実写でも実行できると証明した作品でした。
そして、今回の『マンダロリアン・アンド・グローグー』は、ドラマ『マンダロリアン』で確立した正攻法をそのまま映画に適応しており、“デイヴ・フィローニ”にしてみれば初の本格的な映画ながら、難なくこなしてみせています。“ジョン・ファヴロー”というベテランも揃えば、それはもう盤石です。
作中で起きていることは、戦闘、戦闘、また戦闘と、戦ってばっかりで、合間に「グローグーが可愛い」という癒しを挟み込む構成。しかし、どのシーンでも『スター・ウォーズ』の世界観に細かい部分まで正確に掴んでおり、そのうえ既存のキャラクターをもっと深めてくれています。
ディン・ジャリンとグローグーという自他共に認める「親子」が今回はその中心にいるので、私なんかは『スター・ウォーズ』のアトラクションに乗ってみた親子のようだなと思いながら観ていましたよ。
「お父さん、あのデカいのは何?」「あれかい、あれはAT-ATって言うんだよ」…みたいなね…(ついでに倒しかたも教える)。
今作のもうひとりの主人公と言っていい「ロッタ・ザ・ハット」は、アニメ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』の頃から登場している、“デイヴ・フィローニ”にしてみれば、自分の我が子みたいなキャラクターでしょう。相当にマニアックなキャラクター・チョイスではあるけど…。
今回はそのロッタがムキムキになっただけでなく、有害な親や裏社会の呪縛から解き放たれ、自分の道を見つけるまでの物語です。ここまで頼もしい成長を遂げるとは、アニメの頃から追っている身としては、思いもしませんでしたよ。すごく良い奴だった…。イケメンっていうのはアイツのことだ…(太っているキャラをギャグ抜きでカッコよく描く表象としても良かったです)。どうしよう…グローグーもロッタに触発されてマッチョになったら…。
それにしても実写でたっぷり描かれるハッチたちのコミュニティ…。視覚的なインパクトがあったな…(ハット同士だとあんなふうに戦うのか…)。
また、今回は映画予算のなせる豪華さなのか、モンスターもよりどりみどり。ジャヌ卿が仕組んだコロシアムのシーンは、コアなファンなら気づいたでしょう…あそこでディン・ジェリンとロッタが囲まれるモンスターたちは、『スター・ウォーズ』でおなじみの『エピソード4/新たなる希望』で初登場したチェスのようなホログラフィック・ボードゲーム「デジャリック」に姿をみせていた奴らです。つまり、デジャリックでは小さなホログラムだったあいつらを実写で本当に戦わせました!…という大盤振る舞い。
ナル・ハッタのハット・クランの宮殿の地下では、もはや“デイヴ・フィローニ”毎度恒例となっている怪獣枠の巨大生物が登場。さすがに賞金稼ぎのエンボもあの巨大蛇を前にそそくさと逃げていたのはなんかシュール…。
まだまだ『スター・ウォーズ』ファンなら細部をいくらでも語りたいでしょうが、そんなこんなで今回の『マンダロリアン・アンド・グローグー』はまごうことなきファン・ムービーであり、初心者でも入れるように作られた「沼」でしたね…。
寄り道ムービーよりも…
もちろんこの『マンダロリアン・アンド・グローグー』のメインは、タイトルのとおり、ディン・ジャリンとグローグー。グローグーを甲斐甲斐しく育児する(だいぶ甘やかす)ディン・ジャリンと、お父さんの前では良いとこを見せたい気持ちが強くなったグローグー。2人とも可愛く、そして可愛い、さらに可愛い。もう愛おしさで溢れています。
後半のグローグー視点のパートは、かつてヨーダがルーク・スカイウォーカーを世話したシーンの「子どもバージョン」みたいなものです。
寿命の問題で、いつか絶対に離ればなれになることは確定しているこの2人の、でも今だけはこのかけがえのない時間を大切にしようという気持ち。おい、この2人の幸せの空間を最優先で守ってやれよ、新共和国は…。
そういう意味では多幸感のある映画だった『マンダロリアン・アンド・グローグー』。
ただ、フランチャイズとしては、まあ、ドラマシリーズのスペシャルな劇場版って感じです。完全に脇道に逸れたサイド・ストーリーなので、あってもなくてもどうとでもなる。ドラマシリーズにあった着実に新しい世界が開拓されていくワクワクはありません。
でもこれは企画時点でしょうがないことではあります。本来はシーズン4を予定していたのに、上層部から「映画を作れ」と言われ、急遽、映画用のシナリオをゼロから考えないといけなくなったと“ジョン・ファヴロー”も言っていましたが、なのでドラマシリーズの積み重ねを映画に採用できません。初見でも理解できるような内容にしないといけないからです。
しかし、それはそれでドラマシリーズはなんだったんだということになります。あんなにマンダロリアンの復興を丁寧に描いていたのにそれには触れず、再び出現したスローン大提督にも触れず(スローンは『アソーカ』のシーズン2で触れるのでしょうけど)…。
やっぱり単にファンを満足させるだけでなく、新しいことに挑戦しないと、ずっとIPをしゃぶり続けることになります。
“デイヴ・フィローニ”はそのへんは重々承知で、ドラマシリーズやアニメシリーズの発展の中で、新しい展開の伏線を張っているのですが、上層部はそこを何も理解せず、「映画を作れ」などと振り回すだけ。
正直、『エピソード7~9』の3部作の失敗の反省を全くできていないのは上層部ですよ。帝国残党じゃなくてこの上層部を狩ったほうがいい…。エンボ、次はこいつを仕留められる? 報酬は北海道の美味しいチーズ製品とかにするよ?
来年の2027年も『Star Wars: Starfighter』という映画が出番待ちしていますが、上層部のお偉いさんは、クリエイターの邪魔するのはホントにやめてくださいね。どうせ興収に関係なくディズニー自体はいくらでも儲かってるのですから。
私は『マンダロリアン』のシーズン4を待っていますし、“デイヴ・フィローニ”のキャラクターたちの大団円をいつか観れることを期待しています。
シネマンドレイクの個人的評価
–(未評価)
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)
関連作品紹介
以上、『マンダロリアン・アンド・グローグー』の感想でした。
作品ポスター・画像 (C)2026 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved. マンダロリアンアンドグローグー マンダロリアン&グローグー
Star Wars: The Mandalorian and Grogu (2026) [Japanese Review] 『マンダロリアン・アンド・グローグー』考察・評価レビュー
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