お楽しみに!…「Apple TV」ドラマシリーズ『窓際のスパイ』(シーズン5)の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:アメリカ(2025年)
シーズン5:2025年に Apple TV で配信
監督:ジェームズ・ホーズ
恋愛描写
まどぎわのすぱい

『窓際のスパイ』(シーズン5)物語 簡単紹介
『窓際のスパイ』(シーズン5)感想(ネタバレなし)
けだるいスパイたちはまだまだ頑張る
受賞歴のある著名なイギリスの犯罪小説家“ミック・ヘロン”の人気作『Slough House』シリーズの実写ドラマ化が「Apple TV」で2022年から始まり、2025年にシーズン5を迎えました。折り返しなのか、それともまだまだ続くのか…。
それが本作『窓際のスパイ』。原題は「Slow Horses」。
この記事ではシーズン5以降の感想を書いていきたいと思います。
それにしても実写ドラマは好調で、もともと各シーズンが全6話でコンパクトだったこともであり、「Apple TV」で最も勢いよくシーズンが続いている作品になりました。
見やすさも特徴的ですね。人はわりと死ぬし、凄惨な事件も起きるのですけど、よくあるスパイ・スリラーと比べると、肩の力を抜いて楽しめます。
イギリスの国内治安維持を担当する情報機関「保安局(MI5)」に所属する職員の中でも、不祥事を起こしりと何かと問題視された者だけが送り込まれる架空の最下層の部署「スラウ・ハウス(Slough House)」を舞台にしているだけあって、癖のあるキャラクターたちも観ていて飽きません。
ジェームズ・ボンドにもトム・クルーズにもなれない奴らの、彼らなりの頑張りは応援したくなります(まあ、全然応援したくもならない奴もいるけど)。
“ミック・ヘロン”の原作自体が、作品ごとに、明るかったり、シリアスだったり、アクション味が強かったり、毛色が違っていて、そのバラエティーの豊かさもこの実写ドラマに反映されています。なのでどのシーズンが好きか、人によって好みが分かれやすいでしょう。
シーズン5は“ミック・ヘロン”の『London Rules』(2018年)を原作としており、シーズン1に原点回帰したようなノリですが、事件規模はイギリス全土を震撼させるものになっています。
もちろん“ゲイリー・オールドマン”の演技がみれるのは今やこのドラマ『窓際のスパイ』だけ。本作が終了したら俳優業を引退すると言っていますが、もっと続けばいいんです…。
『窓際のスパイ』(シーズン5)を観る前のQ&A
鑑賞の案内チェック
| 基本 | — |
| キッズ | 殺人の描写があります。 |
『窓際のスパイ』(シーズン5)感想/考察(ネタバレあり)
あらすじ(序盤)
街の一角でロンドン市長選で再選を目指すザファル・ジャフリーの投票を呼びかけるキャンペーンが行われていました。そうは言っても、小さな机を置いてチラシを配る程度です。人は全く集まりません。
しかし、ちょうど目の前のベンチにひとりの男が座っており、選挙運動員は話しかけてみます。ところがその男はおもむろに自身の隣のバックからアサルトライフルを取り出し、発砲。周囲にいた一般人を手当たりしだいに殺していきます。
そして、その銃乱射男すらも何者かに射殺されてしまいます。後に残るのは死体だけ…。白いバンが立ち去っていきます。
ところかわって、ロンドン。MI5の外れ者が異動させられる部署「スラウハウス」所属のロディ・ホーはヘッドホンで音楽を聴きながらノリノリで街中を歩いていました。しかし、車に轢かれそうになり、タイミングよく同僚のシャーリー・ダンダーが押し倒して助けてくれます。でも相変わらずロディは口汚く、女性差別的な罵詈雑言を連発し、礼もなく、壊れたヘッドホンの代わりのものを購入するために職場のパソコンに食らいつきます。
スラウハウスのボスであるジャクソン・ラムはいつものようにのんびり街角で朝食をとっていました。テレビでは11人が死亡したアボッツフィールドの銃乱射事件で話題騒然です。そこへキャサリン・スタンディッシュに連れられてシャーリーがやってきて、あの銃乱射事件を調査する気満々であることを示しますが、ジャクソンは興味なさげ。冷たく追い返してしまいます。
その頃、MI5の保安部長エマ・フライトが銃乱射事件の現場に到着。犯人と思われる男のアパートの部屋も調べます。現場の近くにあり、市長選に出馬しているデニス・ギンボールの本がありました。極右ポピュリズムの政治姿勢で知られている有名人です。政治的な動機の可能性も視野に捜査することになります。そして銃乱射犯は自ら頭を撃ったわけではないと気づき、狙撃犯の存在を把握します。
一方、スラウハウスに戻ったリヴァー・カートライトは、同僚のルイーザ・ガイに現在の家族の状況を愚痴っていました。認知症の祖父デヴィッドの症状は悪化するばかりです。ルイーザは休暇に入ってそのままもうこの仕事を辞めるつもりだと打ち明けてきます。スラウハウスでは他に比較的新顔の無口なフードのJK・コーが所属しています。
MI5の本部では、ダイアナ・タヴァナーはクロード・ウィーラン長官から丸投げされ、例の銃乱射事件の解決を一任されます。クロードはデニスと気が合うようで、討論会前にはLGBTQを嘲笑する発言で互いに笑い合っていました。
そして意外なところで次の事件が起きます…。

ここから『窓際のスパイ』(シーズン5)のネタバレありの感想本文です。
シーズン5:男ならデカい剣だ!
『窓際のスパイ』のシーズン5は、最終回みたいな空気だったシーズン4からガラっと変わり、また地に足の着いた地味なスパイ活動から始まります。
そして、第1話は極右ポピュリズム絡みから開幕するので、シーズン1を彷彿とさせます。しかし、今回の敵は非常に賢いというのが大違いです。
最初は典型的なマノスフィアの男がそそのかされて排外主義を動機に銃乱射事件を起こしたように匂わせ、次にこれ見よがしにアラビア語を喋る男たちの暗躍を描き、「イスラム国(ISIL / ISIS)」の関与かと視聴者に勘繰らせます。しかし、そこからなぜか気候変動活動家のサボタージュに繋がり、動物園での爆発事件でのペンギンの犠牲が起きたり、全く背景が読めない出来事が連発。
結局のところ、これらは社会的不安定化で世間を翻弄するための仕掛けにすぎませんでした。今の世の中は何かセンセーショナルな事件が起きればすぐに「裏には○○か?」と深読みしようとします。それをまんまと利用するかたちです。
そんな中、前回でマーカスの死に直面してその犠牲を引きずっているスラウハウスは、チームの中で最もお騒がせなロディの失態で、あの一連の事件の渦中に飛び込んでしまいます。
というか、前々からそうだったけど、今回のロディは…なるべく配慮した言いかたをしても…「アホ」そのものだったな…。デカい(しかもライトアップする)剣が家にあり、ハニートラップに引っかかったことを頑なに認めず、自分が一番知的だと思い込んでいる。正直、仮にロディが殺されても、誰も悲しまないんじゃないかと思うぐらいに、このロディは嫌われ役を全部引き受けていましたよ。
一方で、MI5の本部もトップであるクロードがしっかりタラに一杯食わされます。どこの組織でもいつもダメ男がそこにいる…。今回でクロードは例の音声データを掴まされたのでスラウハウスに逆らえなくなったのかな。
それにしても今回の敵であるタラ、滅茶苦茶カッコよかったですね。シーズン5において映像化で一番見ごたえが増したキャラクターなんじゃないでしょうか(最も正統派のスパイっぽい)。ただのハニートラップを仕掛ける女だと思いきや、犯行グループを指揮する知略家ですから(そんな彼女も犯行グループ内の男たちの独断行動に最後は振りまわされるのですが)。
そして忘れてはいけません。私たちの愛するドジっ子属性ナンバーワンであるリヴァーくん。今回もやらかしちゃいます。目の前でデニス・ギンボールがペンキ缶直撃で死ぬという…。前回のシーズンは主人公全開だったのに、またいつものリヴァーに戻りました。一応、最後でクロードを守ることで見せ場は作ったけど、汚名返上になったのかな…。あらためて思うけど、リヴァーはクビにならない職場があるだけありがたいと思うしかないよ…。
JK・コーはリヴァーと組ませると面白いということもよくわかりました。
シーズン5はこれまでのシーズンの中でも最も乱高下の激しい落ち着かないストーリーでしたが、これもスラウハウスならでは。
ジャクソン・ラムの臭い靴下の内に隠れる足の傷跡も明らかになり、最後に過去もチラ見えしましたが、それは知らなくてもいい昔の話。スラウハウスの現役世代はまだまだこき使われそうです。
シネマンドレイクの個人的評価
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)
以上、『窓際のスパイ』(シーズン5)の感想でした。
作品ポスター・画像 (C)Apple スロー・ホースズ スローホース
Slow Horses (2025) [Japanese Review] 『窓際のスパイ』考察・評価レビュー
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