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『ゴジラvsコング』感想(ネタバレ)…ゴジラとコングのBLです

ゴジラvsコング

ハリウッド版はもはやゴジラとコングのBLです…映画『ゴジラvsコング』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Godzilla vs. Kong
製作国:アメリカ(2021年)
日本公開日:2021年7月2日
監督:アダム・ウィンガード

ゴジラvsコング

ゴジラvsコング

『ゴジラvsコング』あらすじ

モンスターの戦いによって壊滅的な被害を受けた地球。人類が各地の再建を計る中、特務機関モナークは未知の土地で危険な任務に挑み、巨大怪獣の故郷の手がかりを掴もうとする。そんな中、ゴジラがフロリダにあるハイテク企業エイペックス社を襲撃して世界を再び危機へと陥れていく。人間と共存したかに見えたゴジラの怒りの原因は何なのか。ゴジラに対抗する存在として髑髏島にいるコングに注目が集まるが…。

『ゴジラvsコング』感想(ネタバレなし)

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日本に元気を与えるのは五輪ではなくゴジラです

7月は日本で特大イベントが盛大に開催されます。興奮と熱狂を巻き起こし、人々に元気と夢を届ける…そう、『ゴジラvsコング』の公開です! え、オリンピック…? それは去年終わったよね…(記憶改変)。

本来の公開日は2020年でしたが、コロナ禍で延期。2021年3月に世界的に公開されるにいたりました。日本を除いて…。

なぜ日本だけ仲間外れなのか。ファンにしてみれば熱線でも口から放ちたい気分ですが、そもそも世界の配給はワーナーですが、日本は東宝。完全に東宝のスケジュールで決まるので、まあ、そういうことです。しかし、その日本独自の公開日が仇になりました。当初は2021年5月14日に公開する予定でしたが、政府の無学な無策によりコロナ感染者が第4波としてこの時期に急増。あえなく日本はさらに延期に…。日本の怪獣の映画なのに…日本は怪獣以上に政府と戦わないといけなかったのか(それもそれでゴジラ映画っぽいけど)。

そんなこんなでやっとやっと7月2日に公開です。でも東京ではまたも感染者が増加に転じ始めたので、本当に合間をぬっての公開ですね。

ということで『ゴジラvsコング』。熱心なファンの人はもう説明不要なのでこんなサイト見ていないで何度でも劇場に足を運べばいいです。以下では作品の概要を初心者向けに簡単に解説。

まず本作はハリウッド版の「ゴジラ」シリーズの一作であり、具体的にはワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズが共同で手掛ける「モンスターバース」と呼ばれています。2014年に『GODZILLA ゴジラ』が公開され、2017年に『キングコング 髑髏島の巨神』、2019年に『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』と続き、今回で4作目。

そのタイトルどおり、ゴジラとキングコングが対決するわけですが、なぜこの2者なのか。ゴジラはもうわかるとして「キングコング」というのは1933年のアメリカの特撮映画『キング・コング』から始まる怪物であり、ゴジラ以上に古く歴史があるパイオニアです。ハリウッドではこれまで幾度となくリメイクもされてきました。

そのキングコングですが、1954年の『ゴジラ』とその続編の1955年の『ゴジラの逆襲』で怪獣映画の礎を築いた日本では1962年に「ゴジラ」シリーズの3作目として、このアメリカの元祖怪獣と言えるキングコングをゲストに加え、『キングコング対ゴジラ』として対決させちゃおうじゃないかというお祭り的作品が誕生しました。これは後の「ゴジラ」シリーズの方向性を決定づける一作となり、反核的社会派な要素を薄れさせてエンタメに徹し、大物怪獣とのバトルマッチで盛り上げるという路線が確立。

ただいかんせんキングコングはアメリカの版権なので日本では自由に扱えず、以降は『キングコングの逆襲』という単体作品は作られましたけど、ゴジラとの大々的な再戦は叶いませんでした。

その日本で起きた夢の対決から約60年、ついに今度はアメリカでゴジラとキングコングが激突するのが『ゴジラvsコング』なのです。どうですか、アツいでしょう!(オタクの早口な語り)

邦題が「ゴジラvsコング」と、平成ゴジラの「vsシリーズ」と同じにしているのがまたファン冥利に尽きますね!(オタクにしかわからないこだわり)

監督はハリウッド実写版『Death Note/デスノート』を手がけた“アダム・ウィンガード”。こっちも怪獣オタクっぷりは負けていません。

キャストは、前作から“ミリー・ボビー・ブラウン”が再登場するほか、 “アレクサンダー・スカルスガルド”、“レベッカ・ホール”、“ブライアン・タイリー・ヘンリー”、“エイザ・ゴンザレス”などが出演。日本人枠として“小栗旬”も出ています。

正真正銘、今回もお祭り映画ですので、怪獣と一緒に大暴れしましょう。

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『ゴジラvsコング』を観る前のQ&A

Q:『ゴジラvsコング』を観る前に前作は観たほうがいいですか?
A:『キングコング 髑髏島の巨神』と『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を鑑賞しておくとベストですが、いきなり本作から観てもそこまで問題はないです。

鑑賞前の おすすめ PiCKUP!

↑『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』…前作。ゴジラとラドンとモスラとキングギドラとその他が参戦してお祭り状態。

オススメ度のチェック

ひとり4.0:ストレス発散にも
友人4.0:怪獣映画ファン同士で
恋人3.5:趣味が合うなら
キッズ4.5:親子で盛り上がろう
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『ゴジラvsコング』予告動画

7/2(金)公開!映画『ゴジラvsコング』予告編
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ゴジラvsコング』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):チャンピオンは誰だ?

利己的なテロリズム集団によって世界中に太古から存在する巨大怪獣(タイタン)が次々と目覚め、モンスター・ゼロと呼ばれるキングギドラのもとに集い、それを怪獣の王であるゴジラが圧倒した事件から5年後。秘密機関「モナーク」は復帰したマーク・ラッセル博士のもとで怪獣の管理と研究に変わらず向き合っていた。しかし、怪獣と人類は共存できるというヴィジョンは脆くも崩れ去ることになる。

ゴジラが突如としてフロリダに出現。ハイテク企業「エイペックス社(Apex)」の建物を破壊し尽くす。エイペックスはバイオテクノロジーや人間の精神、ロボット工学を専門とする最先端企業であり、なぜ人間と一定の共存関係にあったはずのゴジラが襲い出したのかはわからなかった。エイペックスのCEOのウォルター・シモンズはゴジラへの早急な対処を訴えた。

対応に困ったモナークは髑髏島の生態系の頂点に君臨する超大型類人猿「コング」に目を付ける。今は髑髏島は人工物で覆われ、コングが外に出ないように厳重に管理されていた。モナークの地質学者であるネイサン・リンドは髑髏島を訪れ、人類言語学者でコングとのコミュニケーション研究をしているアイリーン・アンドリューズのもとを訪れる。アイリーンは髑髏島にいた先住民の生き残りであるジアという子を養子にしており、その子は手話でコングと対話することができた。

ネイサンは怪獣のルーツと言える巨大なエネルギーが観測された場所、地球の地下深くの空間へコングを連れていくという壮大な計画を持ちかける。そこには桁違いの生態系が広がっていると予想されていた。アイリーンは渋々承諾し、コングを船で輸送することにする。その輸送計画にはエイペックスからマイア・シモンズという重役も参加していた。コングは不満そうだったが、ジアのなだめもあって従っていた。

一方、モナークのマーク・ラッセル博士の娘であるマディソンがゴジラが人を襲うのはおかしいと疑念を感じ、エイペックスに裏があるのではと推測する。そこでエイペックスの秘密を暴こうとしていたポッドキャスト配信者で陰謀論者であるバーニー・ヘイズのもとへ、友人のジョシュと共に向かう。エイペックスの極秘の地下エリアに潜入した3人はそこで謎の機械を目撃する。それはゴジラの姿を模した巨大な「メカゴジラ」で、キングギドラの頭部を遠隔接続することで稼働。モナークの主要メンバーだった芹沢猪四郎博士の息子である芹沢蓮が技術者としてこのメカゴジラの操作役で神経を接続していた。

コングが軍隊の護衛をともなって船で輸送される道中、予期していた最悪の事態が起こる。闘争心に燃えるゴジラが出現したのだった。2体の怪獣。それは因縁の相手であり、激突すれば何が起こるかわからない…。

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BLとしての解釈

『ゴジラvsコング』、私の感想を誤解を恐れずにハッキリ言うならば、濃厚なBLだった…。

まず今作のゴジラは今までのキャラクター性はどうしちゃったの?というくらい、聞き分けのない凶暴な存在になっています。もう反抗期でキレやすくなった10代みたい…。もちろんこの理由は人間がメカゴジラなんてものを開発してしまったせいなのですが、とにかく今回のゴジラは人間側からは一切コミュニケーション不能な暴れん坊です。

対するコングは以前どおり人間とコミュニケーション可能な存在であり、これまで以上に感情的になっています。ジアとの関係性でみるとちょっとした「頼れるお兄ちゃん」感ですね。

その2体が初遭遇する海での大乱闘。なんてこの空母は丈夫なんだと思うぐらいの強引なバトルフィールドですが、ここでの2体の激突模様は会話にするときっとこんな感じ。

「お前、まだ“人間”のことが好きなのかよ!」「いいだろ、孤独だった俺には“人間”しかいなかったんだよ!」(←このセリフは作中にないですよ)

その後、コングは地下空洞世界で自分の故郷を知り、斧もゲット。この斧がゴジラの背びれで作られたものであり、言ってしまえばコングとゴジラを繋ぐ共通のキーアイテムと化すわけです。脳内では人間のことしか考えていなかったコングですが、ここでゴジラという存在が気にかかるように。

「あいつ、俺のことを昔から知っていたのかよ…(思い出の回想風)」(←このセリフも作中にないですよ。私の気持ち悪い妄想です)

そして穴を突き抜けての香港での天地ひっくり返りそうな大バトル。勝敗はゴジラがコングを押し倒して決着。ここで少し長めに見つめ合って咆哮し合う2体。この瞬間、互いの健闘を認め合い、繋がりができたわけです。ゴジラもこの場面でそれまでの暴力さがわずかに薄れますからね。ロマンチックなシーンみたいに。あのままキスしてもおかしくなかった…たぶん訓練されたBLファンは一気に同人妄想が膨れ上がったに違いない…。

最期はメカゴジラに苦戦するゴジラを救うべく、復活したコングの大暴れ。好きなっちゃった相手を守るときのパワーは凄い。

こうして地上にはゴジラ、地下にはコング、互いに遠距離恋愛ながらも怪獣としての繋がりで結ばれたカップルができあがったのでした。めでたし、めでたし…。

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怪獣だったら何でも許される論法

まあ、私のBL妄想はさておき、『ゴジラvsコング』は2体の怪獣を戦わせるためだけに半ば無理やりにタイトルマッチをセッティングして開催しているので、強引も強引、ツッコミどころはいっぱいです。

何よりもモナークは無能すぎるでしょう。完全にコロナ禍以上の甚大な死者を出しているし、間違いなくこの世界観における最大の悪役ですよ。怪獣を管理できた試しがないのに、地下空洞探検に予算を突っ込んでいる場合なのか…。なんかもう収拾つかなくなってきた…。

一方で今作で登場したエイペックスという企業はこれはこれでかなりの唐突すぎる存在感。せめてモナークが思想の違いで組織分裂して誕生したとか、そういう設定じゃダメだったのか。“小栗旬”演じる芹沢蓮も父の芹沢猪四郎が天国で泣いているんじゃないかと思うくらい、たいして意味のないやられ役でしたし…。

でも日本映画『キングコング対ゴジラ』でも企業の横暴が元凶になっていたのでオリジナル準拠ではあるのですけどね。

メカゴジラも「え?それで能力低下するの?」っていうズボラな構造でした。『レディ・プレイヤー1』に続いての悪玉なメカゴジラでしたが、善玉も見てみたいな…。

科学的な構築もほぼ瓦解しており、地下空洞設定は完全にファンタジーの領域なので、あそこで地質学者とか登場させても違和感が増すだけな気がします。あのゴジラの熱線で地下直結の穴が貫通したとき、学者として「そんなわけあるかい!」と思わなかったのだろうか…。

前作に続いての登場であるマディソンもあまり重要性はなく、相変わらずの怪獣オタクを通り越したヤバイ奴になっており、今回は陰謀論者にも共感しているせいでヤバさがパワーアップしているのでは…。大丈夫かな、このまま成長すると将来絶対に悪役だよ…。

全体的にキャラクターもとにかく薄味で、いる意味はあるのかと思う箇所はいくらでもありました。マイア・シモンズとか、雑だったなぁ…。いっそのこと怪獣だけでいいので、人間側の主役は別に要らないのでは…。

そんな中でおそらく一番貢献をしていたのはジアです。演じたのは今作が長編映画デビューの“ケイリー・ホトル”。あの子は本編ではずっと手話をしていましたが、“ケイリー・ホトル”本人もデフ(ろう者)の家族の生まれだそうで、当事者キャスティング。今後これを足掛かりに活躍していってほしいですね。

『ゴジラvsコング』は全体を見渡すとすっごくホモ・ソーシャルな展開です。パワーで圧倒すれば勝ち!という世界ですから。これを人間でやったらちょっと批判されそうな…。でも「怪獣にしてしまえばOKだろう」というノリで許されているとも言える。完全なるVFXありきの映像ドラックです。この勢いが通用するのは怪獣映画くらいですし、それもいつまで持つやら…。

コロナ禍のブーストもあって前作の失速を吹き飛ばすように『ゴジラvsコング』は世界的に大ヒット。これはこれで個人的にも嬉しいですけど、「モンスターバース」シリーズは続くのか。でもこれ以上のネームバリューのあるタイトルマッチはもうないですよね。どうするんだろう…。

敗者にして舎弟であるラドンが新しい生きがいに目覚める物語とか、どうですか…。

『ゴジラvsコング』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 75% Audience 91%
IMDb
6.4 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
6.0

作品ポスター・画像 (C)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC. ゴジラvsキングコング

以上、『ゴジラvsコング』の感想でした。

Godzilla vs. Kong (2021) [Japanese Review]