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実写ドラマ『カウボーイビバップ』感想(ネタバレ)…ジョン・チョーと犬を鑑賞する

カウボーイビバップ

ジョン・チョーと犬と他いろいろを鑑賞する…ドラマシリーズ『カウボーイビバップ』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Cowboy Bebop
製作国:アメリカ(2021年)
シーズン1:2021年にNetflixで配信
原案:アンドレ・ネメック

カウボーイビバップ

カウボーイビバップ

『カウボーイビバップ』あらすじ

仕事とあれば、危険を承知で太陽系を駆けめぐる賞金稼ぎのスパイクとジェットのコンビ。2人はたまには喧嘩しつつ、愚痴も言いつつ、今日も楽しみながらヤることをやる。ときにはフェイも乱入してきて事態はいつも大混乱。思いどおりにはいかない。しかし、ある賞金首を狙っていたとき、スパイクは組織に狙われることになってしまう。その理由は己の過去。この危機でもスパイクたちは自分の流儀を崩さずに切り抜けられるのか…。

『カウボーイビバップ』感想(ネタバレなし)

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「カウボーイビバップ」実写化

2021年11月9日と10日、「Netflix Festival Japan 2021」というイベントが開催されました。早い話がNetflixの今後の配信予定の作品発表会なのですが、今や動画配信サービスの競争は熾烈を極めており、各社ともにユーザーを逃すまいと必死です。おカネがあり余っている人は別にして、たいていの人は動画配信サービスに使える予算は限られます。いくらお得とは言え、複数のサービスを同時契約していればそれなりの出費です。なので、ユーザーには「この動画配信サービスは今後も使っていきたいな!」と思わせないといけません。

そこでNetflixが最近になって実行し始めた戦略が、人気フランチャイズの新作を打ち出す作戦。Netflixと言えば昔はオリジナルの新規作品をコツコツ作っているイメージでしたが、今はそんなことでは競争に勝てない。ということですでに人気のあるブランドの強い作品に手を出し、カネにものを言わせて新作を生み出して話題をかっさらうことにしたようです。

とくに「Netflix Festival Japan 2021」でも目立ったのが、日本の漫画やアニメを実写映像化するという企画。あの大人気漫画から、話題のアニメまで、続々と実写映画や実写ドラマ化を発表し、いよいよなりふり構ってない感じが露骨になってきました。

まあ、ユーザーとしては面白ければそれでいいというのが基本なのですけど、日本の漫画やアニメは実写化がとても難しい作品が多いのは日本人ならよく痛感していることでもあり…。いくら日本よりも資金が豊富とは言え、大丈夫なのか?という不安はありますよね。

そんなあれこれな想いも抱きつつ、さっそく“日本の漫画やアニメを実写映像化するぞ”企画の目玉のひとつが配信開始となりました。それが本作『カウボーイビバップ』です。

本作は知らない人のために説明をすると、1998年から放送された日本のテレビアニメ『カウボーイビバップ』を実写ドラマシリーズ化したものです。そもそも『カウボーイビバップ』とはどんな作品なのかと言うと、宇宙規模のハードボイルド作品というか…でも『ルパン三世』的なジャンルミックスな雰囲気があり、ことさら『カウボーイビバップ』は宇宙モノなのでSFが下敷きにされていて…。ともあれオリジナルなクセがしっかりある作品でした。今で言えば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』も『カウボーイビバップ』の影響を感じさせますよね。

このアニメの方は日本でも多数のファンを獲得する人気っぷりでしたが、アメリカでも人気があったんですね。アメリカでは2001年からカートゥーンネットワークのアダルトスイム枠で放送されていたそうです。

それで以前から実写化の話が海外からあがってはいたのですが、ついに2021年に実現。

企画したのは映画『ミュータント・タートルズ』などを手がけた“アンドレ・ネメック”です。

で、やっぱり気になるのは俳優だと思うのですが、この実写ドラマシリーズ『カウボーイビバップ』にて栄えある主人公スパイクを熱演するのは、『スター・トレック BEYOND』『コロンバス』『search/サーチ』など多彩な映画で活躍するアジア系アメリカ人の“ジョン・チョー”

そして、その相棒で巨漢のスパイクを演じるのは、ドラマ『ルーク・ケイジ』の“ムスタファ・シャキール”。イカサマ師で賞金首だけど成り行きでスパイクたちと仲間になるフェイを演じるのは、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の“ダニエラ・ピネダ”。さらにスパイクと対立する因縁の相手であるビシャスを演じるのは、『紅海リゾート 奇跡の救出計画』の“アレックス・ハッセル”。スパイクの過去を知る美女を熱演するのは、ドラマ『ギフテッド 新世代X-MEN誕生』の“エレナ・サチン”。他にもおなじみのキャラクターはいっぱいです。

もちろん犬のアインも可愛さ全開で登場します。

なお、日本語の吹き替えは基本的にアニメの声優陣が続投して担当しているので、わりとあのまんまの空気感になっています。

当然、オリジナルのアニメとこの実写ドラマシリーズ版は完全一致していませんし、ファンにしてみれば「ここが違う」「あれも違う」といろいろ指摘できるところもいくらでもあるのですが、そこはむしろどう実写化するのかという思考錯誤を鑑みながら眺めるくらいでちょうどいいのではないでしょうか。本作の製作陣も「これは二次創作」って言ってるくらいですからね。

それでも音楽を“菅野よう子”に担当させたり、おなじみのオープニングクレジットを挿入したり、髄所にリスペクトしまくるぞという気合いを感じる一作になっています。

実写ドラマシリーズ『カウボーイビバップ』のシーズン1は全10話(1話あたり約40~60分)。シーズン1では物語上は完結していないのであしからず。

日本語吹き替え あり
山寺宏一(スパイク)/ 林原めぐみ(フェイ)/ 楠大典(ジェット)/ 若本規夫(ビシャス)/ 高島雅羅(ジュリア)/ 西凜太朗(アシモフ)/ 日野由利加(カテリーナ)/ 一城みゆ希(アナ)/ 堀内賢雄(グレン)/ 緑川光(リン)/ 朴璐美(シン)/ 園崎未恵(メル) ほか
参照:本編クレジット

オススメ度のチェック

ひとり3.5:気になる人はぜひ
友人3.5:ファン同士で語り合う
恋人3.5:エンタメで気楽に
キッズ3.0:ヌード描写ややあり
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『カウボーイビバップ』予告動画

『カウボーイビバップ』予告編 – Netflix
↓ここからネタバレが含まれます↓

『カウボーイビバップ』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤):ただの賞金稼ぎ

カジノを乗っ取って意気揚々のギャングたち。そこへエレベーターが降りてきます。降りてきたのはヘッドホンをつけた男。荒らされたカジノに動揺することもなく「賭けに来たんだけど」とキザに呟くと、瞬く間に制圧。大男も天井から降りてきて、「なにやってんだ、スパイク、合図を待てと言っただろ」と怒鳴りながら、スパイクと呼ばれたキザな男に加勢します。

敵の強力武器のせいで壁に穴が貫通。このカジノは宇宙空間にある巨大な施設でした。室内は大混乱。大男のジェットが押した遮蔽スイッチでなんとか静かに。こうしてギャングのリーダーであるタナカだけを回収。茫然とする遅れてやってきた客にこう言い放ちます。「ただの賞金稼ぎさ」

スパイク・スピーゲルとジェット・ブラックは賞金稼ぎとしてコンビを組んで3年。宇宙を移動するのに欠かせないビバップ号はガタがきていますが、もはや我が家のようなもの。

エウロパに到着し、さっそく捕獲した賞金首を交換。しかし、賞金は思ったほどではありませんでした。宇宙カジノの修理代で消えたのです。ジェットの刑事時代の同僚であるチャルマーズから賞金首のネタを仕入れ、今度はそっちに狙いをつけようとします。

なんでもアシモフという男がレッド・アイを強奪したとか。ティフアナで目撃されており、その場所を嫌がるスパイクでした、ジェットの説得でなんとか向かうことに。

現地で聞き込み。するとアシモフと一緒だった妊婦のカテリーナを発見。スパイクがかっこつけたセリフを言っていると紫髪女が背後から銃を突きつけてきます。その女の名前はフェイ・ヴァレンタイン。ちょっと因縁がある面倒な女です。トイレに閉じ込めたフェイをジェットに紹介し、エリス・モンゴメリの娘があのアシモフの女だと判明。

今度こそとアシモフたちを追い詰めますが、宇宙を暗躍するマフィア組織が乱入してきて、銃撃戦になります。フェイも乱入し、なんとか事態を打開。一方で、アシモフとフェイは宇宙船で飛び立ってしまい、スパイクが追うものの、太陽系刑事警察機構(ISSP)に包囲されて観念したカテリーナは命を絶ちました。

一方、組織からの報告を受けたのは組織で力を増すビシャス。スパイクの顔を見た組織のメンバーにとってそれは信じられない姿でした。なぜならそれはかつて組織に所属していたフィアレスという名の男と同じだから。死んだはずの男の存在。ビシャスは「首をとってこい」と命令します。

過去の決着はまだ終わっていない…。

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シーズン1:賑やかなキャラクターたち

『カウボーイビバップ』はどちらかというとハリウッドで実写化しやすいタイプの作品ではないかとは前から思っていました。というのも多様な人種が登場する世界観を土台にしているからです。

SFの中には完全にゼロから独自の世界観のものもありますが、『カウボーイビバップ』はそうではなく、地球があって、人種があって、その文化も受け継がれていて…とちゃんと私たちの現実と地続きの世界観になっています。

もし日本で実写化されていたら、どのキャラクターもみんな日本人(アジア系)になってしまったでしょうし、そうなると世界観の根底にあるはずのリアリティは無くなってしまいます。

なので今作の実写ドラマシリーズ『カウボーイビバップ』は世界観そのものは「カウボーイビバップっぽさ」をかなり忠実に再現できていました。そこに世界があるというデティールも細かく作ってありましたし。

一方でキャラクターとしては原作アニメにあったハードボイルド感はかなり薄まり、親しみやすさを増したアレンジになっていたかなと思います(もしかしたらアメリカ放送版のアニメはキャラクターの性格も少し変えられていたのかな)。

スパイク・スピーゲルは“ジョン・チョー”が結構頑張りながらなりきっているのですが、“ジョン・チョー”が演じていることもあって「根は良い人だろうな」という安心感が滲み出てしまっているというか。

ジェット・ブラックにいたってはすっかり娘思いのお父さんという存在になっており、よくありがちな正義感ゆえに警察にはいられなかったけど正しさはなおも持っている男という感じに。

私が案外といいなと思ったのは、フェイ・ヴァレンタインで、原作アニメだと狡賢い美女という雰囲気だったのですが、今作ではかなりユーモアセンスがあって愛嬌がアップしています。原作の雰囲気の方が良かったという人もいると思いますが、たぶんこれは20年くらいで女性の表象のバリエーションが増した結果なのかなと。昔は策士的な女性のイメージはどうしてもワンパターンだったのですが、今の時代は本当にいろいろ描けるようになっていますし、こういう策士なフェイも今ならでは。作中では、整備士の女性メルとちゃっかり寝たり、なんだかんだで美味しいところは持っていっているし。

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シーズン1:あの3人の関係を描くのは…

逆に今作の実写ドラマシリーズ『カウボーイビバップ』で個人的に不満があるとすれば、全体のストーリー配分。序盤の第1話がキャラクターお披露目会になるのはわかる。中盤でギャグっぽい回が挟まれるのもわかる。でも9話・10話で極端にシリアスに振り切れすぎではないか、と。ここだけ一気にハードボイルド感を思い出したかのように発揮し始めるのですけど…。

ただ、スパイク・ビシャス・ジュリアの3者の関係性を描くのは難しいのだろうなとは思います。とくにジュリアです。ジュリアのキャラクターは言ってしまえばものすごくステレオタイプに容易に偏ってしまう存在でもあり、扱いひとつで印象も変わります。典型的なファムファタールなのかと思いきや、今作ではかなり自律的な行動をとるまでにいたり、謎は謎のままですが、アグレッシブに見えるように。

結局はスパイク・ビシャス・ジュリアの3者の関係性をどう転がしていくかは、次のシーズンに持ち越しでした。本音としてはもう少し序盤からこの実写ドラマシリーズでは新しいことをしますよという布石を丁寧にばらまいていってほしかったけども。

あと、全体的にキャラクターの年齢が上がっているせいもあって、物語のトーンも味わいは変わっているように思えるし、愛憎の部分を増量させたのは良いアレンジだったのかは私にもこの時点では何とも言えない…。

そしてもうひとり実写化が難しいであろうキャラクター、エドワード・ウォン・ハウ・ペペル・チブルスキー4世は最後にチラっと登場しましたね。これこそジェンダー的にどう描くのかも含めて、いろいろな懸念事項も多いのですが、本当にどうするのか…。

アインだけは文句なしで良かったです。ウェルシュ・コーギー・ペンブロークという犬種の可愛さが全て詰まっていたと言っても過言ではない。いいですよね、こういうアクションの多い作品に全然アクションできないであろう犬が混じっているの。現場では2匹の犬で撮影していたようですが、ずいぶん可愛がられたようです。そりゃあ、癒しになるのも当然ですね。

まだ映像化は続くのかはわかりませんが、『カウボーイビバップ』の実写の挑戦はきっと今後の別の実写化企画にも少なからず影響を与えるのではないかなと思います。

『カウボーイビバップ』
ROTTEN TOMATOES
S1: Tomatometer 50% Audience 54%
IMDb
6.6 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
6.0
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・『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』

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作品ポスター・画像 (C)Netflix カウボーイ・ビバップ

以上、『カウボーイビバップ』の感想でした。