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『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』感想(ネタバレ)…中国の猫は2作目でも愛くるしい

羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来

続編も困った可愛さです…映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:罗小黑战记2(The Legend of Hei II)
製作国:中国(2025年)
日本公開日:2025年11月7日
監督:木頭(MTJJ)
羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来

ろしゃおへいせんき2 ぼくらがのぞむみらい
『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』のポスター

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』物語 簡単紹介

妖精が存在し、人間の格好をして社会に溶け込んでいる者もいる世界。師匠であるムゲンに鍛えられている猫の妖精のシャオヘイは、幼い風貌のままでも順調に成長していた。ある時、妖精にとって大切な会館のひとつが襲撃される事件が発生。それは長きにわたって保たれていた妖精の平和を脅かす新たな危機の可能性もあり、総力をあげて犯人の正体を探ることになる。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の感想です。

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』感想(ネタバレなし)

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パンダがいなくても…

2025年から日中関係はかつてないほど冷え込み始めて急落していますが、こういうとき、真っ先に政治の犠牲になるのは「文化」です。

映画業界にも大きな影響がでないといいのですけど、すでに影響が確認できる事案もあり、2026年はさらにそうも言ってられなくなってくる予感…。

とりあえずこの中国のアニメーション映画は無事に日本で劇場公開されて良かったです。

それが本作『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』

本作は、もともとWebアニメシリーズとして2011年から始まり、劇場版となる映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』が2019年に公開され、中国では人気に火がつき、熱気あるファンダムを育んでいるシリーズ。その続編映画となる2作目です。

伝統的な中国の精霊(妖精)たちが現代の人間社会に溶け込んでいる世界観を想像力豊かに描いており、異なる者同士の共存という壮大なテーマもありつつ、敷居の低い親しみやすい作品でもあります。

魅力的なキャラクター、ずっと眺めていたい世界観の空気、質の高いアニメーション…どれもクオリティが素晴らしく、コアなアニメのファンから小さい子どもまで、幅広く需要に応えてくれるのも嬉しい作品です。

2作目の『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』は、その1作目で確立した世界観とキャラクターたちを順当に深めて拡大しながら、たっぷりと堪能させてくれます。「これが観たかったんです」と期待をオール満点で満たしてくれるでしょう。

今回は前作と比べると少し暗いトーンにもなったりしますが、基本は変わりません。もちろん主人公のシャオヘイ(小黒)は相変わらず可愛いです。これに尽きるかもしれません。

日本でも、1作目の映画が極めて限定的に最初に公開された2019年9月から、口コミで熱狂が拡大し、一気に知る人ぞ知るタイトルになった感じでしたが、翌年にはしっかり配給もついて、もはや中国アニメでは最上級の好待遇ですね

2作目の『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』では、「アニプレックス」配給で、字幕・吹替同時展開し、グッズもたくさん用意されており、至れり尽くせり。

『ナタ 魔童の大暴れ』といい、ここ最近は日本でも中国産のオリジナル・アニメが続々と存在感を発揮しており、市場が面白いことになってきました。だからこそ、政治家の変な見栄っ張りのせいで台無しにしてほしくないんですけどね…。

パンダが日本からいなくなって寂しい? シャオヘイがいるじゃないか。じゅうぶんすぎるくらいに可愛さでは負けていませんよ(私は実物のパンダよりシャオヘイのほうが全然好きなんだけどな)。

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『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』を観る前のQ&A

Q:『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』を観る前に観たほうがいい作品は?
A:1作目の『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』を観ておくと、世界観が理解しやすくなります。なお、アニメシリーズは物語と直結はしないので、必ず観ないと話についていけなくなることはありません。
✔『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の見どころ
★質の高いアニメーションと魅力的なキャラクター&世界観。
✔『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の欠点
☆—

鑑賞の案内チェック

基本
キッズ 4.0
戦闘シーンはあるも、流血などの描写はありません。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

銃器で武装した兵隊が統率をとりながら草原を散開し、気配を消しつつ、ゆっくりとある場所に接近していました。その先は森に囲まれた寺であり、ここは妖精たちの重要な拠点です。静寂な空気は大音響とともに一変。

突然の銃撃と爆撃で次々とやられていきます。固有の能力で各自応戦しますが、多勢に無勢です。ある者は狙撃され、ある者は縛り上げられ、妖精側の陣営は不利に陥ります。

この場所を仕切る師・ダーソン(大松)だけが圧倒的な能力で、敵を制圧していき、「誰に送り込まれた?」と敵のひとりに問います。そのとき、この敵襲の中にいるある人物を目にし、驚き、気が付けば倒されていました。

ところかわって子猫の妖精であるシャオヘイ(小黒)は人里離れたのどかな家でムゲン(無限)と訓練に励む日々を過ごしていました。上手くいくこともあれば上手くいかないこともある。師匠のムゲンの厳しい指導のもと、一歩一歩成長します。人間の言葉も話せるようになりました。

妖精であることは人には知られないようにしつつ、市街地に顔を出すこともあります。幸いなことに平穏です。2年前は大事件に巻き込まれましたが、それ以降はとくに騒動はありません。

ある日、シャオヘイはムゲンに連れられ、妖精たちの会議に参加します。ムゲンは「妖精館」(ギルド)に所属しているのです。秘密の手段でそこに辿り着くと、大勢の様々な妖精たちで賑わっていました。こんなにもたくさんの妖精がみられることはなかなかないので、シャオヘイは新鮮でワクワクします。

そこでシャオヘイの目の前に現れたのは、同じくムゲンを師とする姉弟子であるルーイエ(鹿野)でした。彼女は口数は少ないですが、ムゲンに忠実なのは態度でわかります。

さっそく師の立場にある者たちが集って会議が始まります。長老のユーディリンヤオのほかに、チーネンシームーズナタなどの面々が揃っています。

議題は流石会館の襲撃事件です。ダーソンという凄腕の実力者までやられてしまった以上、これは看過できない一大事。敵の正体は不明ですが、相当な手練れなのはわかります。

現時点の情報をかき集めると、その襲撃者のリーダーは、ムゲンの可能性が浮上し、もともと人間であるムゲンは立場が悪くなります。とくにチーネンは敵対的です。

そこでムゲンは互角級の能力者であるナタと行動することになり、しばらく監視されます。

その間、他の面々は犯人の手がかりを探すことになります。シャオヘイはまだ慣れないルーイエと行動することになりますが…。

この『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2026/01/16に更新されています。

ここから『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』のネタバレありの感想本文です。

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可愛い組み合わせの増量

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』は、前作と変わらない最大の魅力を全開に解き放っています。それはシャオヘイ(小黒)の可愛さです。

今回は前作から2年の歳月が経過しているようですが、たぶん妖精は年齢による外見変化がないのか、シャオヘイの見た目はほぼ変わっていません。ムゲン(中国語の読みかたでは「ウーシェン」)も400歳以上の年齢であの容姿なので、妖精的な力を有すれば老化はないのかもしれませんが、普通に老人の見た目のキャラもいるので、そのへんの設定はよくわかりませんけど…。

とにかくシャオヘイはあのまんまです。

猫を飼ったことがある人ならわかると思いますが、猫における子猫体型の時期はほんのわずかで生まれて数か月もすれば大人の体型になります。子猫でいることがいかに貴重かということです。

本作は実質的に子猫を永久に愛でるという夢を叶えてくれます。なんて幸せなことなのか…。妄想が実現します。

今作のシャオヘイも小動物的な愛くるしさを序盤から思う存分に発揮し、ただそこで歩いていたり、ぴょんぴょんしているだけで、癒しの空間を作ってくれます

ちゃんと振る舞いとしては成長しているのも垣間見えて、そこもほっこりしますが、やっぱりどう振る舞おうと可愛いのでね…。そこまで幼児ではなく、コミュニケーションも感情表現も一人前にできるようになっているので、今作のシャオヘイは可愛さのバリエーションがむしろ増えた気がします。

そこにムゲンも並ぶと可愛さ倍増で、ムゲンのクールなキャラクター性とシャオヘイの小動物っぽさが組み合わさると最強なんですね。序盤の2人の生活模様のシーン集だけでも「これを2時間観せてくれるだけでもいい!」という気持ちになります。

今回はそんなシャオヘイとムゲンが離されてしまい、これはもう「シャオヘイ×ムゲン」を永遠に眺めたかったファンからすれば、非難轟々の展開なのですが、でも大丈夫。それぞれにまたちょうどいい代わりのパートナーが用意されている安心設計でした。

シャオヘイは同じくクール・キャラな姉弟子ルーイエと行動をともにします。これは1作目のなぞりでありつつ、関係性の微かな違いを観客に楽しませてくれます。なんだかんだでルーイエも、「いっぱい食べるきみが好き」状態でもぐもぐなシェオヘイを眺めて癒されているに違いないでしょうし…。

そのシャオヘイも、ルーイエ相手でも無邪気さは変わらず、むしろムゲンが傍にいないことで少しハメも外せるといういたずらっ子さが滲み出る瞬間もあっていいですね。偽ムゲンのボコボコ戦闘はその可愛さの極みです。

一方のムゲンは前回でも片鱗をみせていたナタと本格的に組む(というか一緒にゲームをしているだけな)のですが、この2人の謎の「通じ合っている」感じも良いもので…。ナタはあの表に出てこない感じでいいんだと実感。たまに出てきて、ムゲンをいじってくれるだけで、役割を果たしている…。それにしてもビデオゲームがない時代は何をしていたんだ…ナタ…。

このシリーズはこれら可愛さでのんびりしつつ、メリハリのあるアクションのカッコよさを満喫し、ストレスなく適度にスッキリできるところが醍醐味だと思っていますが、今回の『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』もそれに関しては100点満点中120点の完璧さでした。

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共存のテーマをどう受け止めるか

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の物語上のテーマは前作と変わらず…いわゆるテーマがひっくり返るような世界観の反転もなければ、立ち位置がまるで変わってくる劇的な展開もありません。

確かに起きていることは大戦争一歩手前な感じではあるのですが、異なる者同士の共存というテーマは揺るぎません。

今回は妖精側の内部の政治的力学も浮き彫りになったりして、シリアス度は部分的に上がっていますが、そこまでの深い追及はしていませんでした。

とくに今作でテーマを担うのは、ルーイエです。おそらくルーイエ(100歳近いらしい)が人間との間のトラウマを抱えることになった親しい人を全て亡くした戦火というのは、時代的に考えると日中戦争(もしくはその前期の戦乱)だと思うのですけども、過去の歴史の痛みを噛みしめながらも、次の時代に進む姿というのは、今の中国の人たちの姿と重なります。

飛行機ダイナミック不時着も、ルーイエなりの「人間との共存」の今のかたちなのかな。その先人を目にしつつ、シャオヘイはどんな共存を紡ぐのかってことですかね。

ただ、別にこの映画の評価を下げるものではないのですが、こういうファンタジーのレンズをとおして戦争や差別を表現する物語的手法というのは、諸手を挙げて受け入れるのにはやや警戒すべきところはあるとは、私はどの作品でも常に思っていることでもあって…。

なぜならそのナラティブなのどごしの良さは、ときに事実の複雑さを単純化しすぎることもありますし『ズートピア』などもそうです)、さらには政治的な目くらましにも使われたりもするからです。

このシリーズは今作でもその方向性がより強調されたと思いますが、「自然との調和を両立した持続的発展」というのを推しだしています。これは現在の中国が国策として進めていることと大まかに同じです。今の中国は(多少の矛盾はあれど)再生可能自然エネルギー推進大国であり、自然保全の先進国になっているほどですから。

それ自体は何も悪いことではないです。でもその一見すると誰も否定しない“良きこと”の裏でいろいろと“良くないこと”をするのが政治権力の常套手段なのでね…。

そんな中国の方針を体現するかのような妖精館が、今作ではあろうことかアメリカ傭兵の支援を受けた勢力に攻められ、それを国内のさまざまな者たちが結集して撃退するというのは、見ようによっては超大国的なナショナリズムそのものです。

その点では『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』は『ナタ 魔童の大暴れ』と比べると保守的な部分が目立つ感じもあるプロットだなとは思いました。

『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』
シネマンドレイクの個人的評価
7.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)

以上、『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』の感想でした。

作品ポスター・画像 (C)Beijing HMCH Anime Co.,Ltd ロシャオヘイセンキ2

The Legend of Hei II (2025) [Japanese Review] 『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』考察・評価レビュー
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