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『ソーラー・オポジット』感想(ネタバレ)…地球は大嫌いだ!人間はアホだ!

ソーラー・オポジット

地球は大嫌いだ!人間はアホだ!…「Disney+」アニメシリーズ『ソーラー・オポジット』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Solar Opposites
製作国:アメリカ(2020年~)
シーズン1:2021年にDisney+で配信(日本)
シーズン2:2021年にDisney+で配信(日本)
原案:ジャスティン・ロイランド、マイク・マクマハン
性描写 恋愛描写

ソーラー・オポジット

そーらーおぽじっと
ソーラー・オポジット

『ソーラー・オポジット』あらすじ

故郷の星が壊滅してしまったので避難してきたエイリアン。しかし、そのエイリアンたちが不時着してしまったのは地球だった。この地球をなぜか支配することに成功していた人間という生き物はあまりにも退屈でバカだった。その愚かさに呆れつつも、エイリアンたちはこの地球の街でしばし暮らすことに決める。全ては宇宙船が直るまでの一時しのぎ。やれやれ、人間たちのアホな文化や行動に付き合うのも大変だ…。

『ソーラー・オポジット』感想(ネタバレなし)

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こんなエイリアン、観たことない?

宇宙人(宇宙生命体)が地球にやってきて住み着くという内容の作品はもう腐るほど見てきましたけど、それでも毎回新しい作品が生まれ続けるので私は見飽きません。たぶんこのジャンルは実際に私たち地球人が宇宙人とファーストコンタクトでもしない限り、ずっと続くだろうな…。

地球にやってきた宇宙人が何をしてくるかはそれぞれ違います。侵略か、調査か、虐殺か、資源採取か、迷子か、はたまた友好か…。

しかし、どうでしょうか、呑気に名作からB級作まで映画を観漁っている宇宙人は今まであんまり見たことないんじゃないでしょうか。

そんな異色の宇宙人が出てくるアメリカのカートゥーン・シットコムのアニメシリーズ、それが本作『ソーラー・オポジット』です。

本作は日本ではそんなに知名度はないかもしれませんが、メインのクリエイターたちは今のカートゥーン界隈では最も勢いのある存在です。『ソーラー・オポジット』の原案は“ジャスティン・ロイランド”“マイク・マクマハン”の2人。このクリエイターを一躍有名にさせたのがアニメ『リック・アンド・モーティ』です。おじいちゃん科学者「リック」とその孫である「モーティ」がいろいろな発明品を手に奇想天外な大冒険を繰り広げるというSFアドベンチャーですが、ゆるい絵とは裏腹に外道、卑劣、残虐、非常識、倫理観ゼロ…何でもありのカオスが展開。土台は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディですけど、もはやあらゆる作品をパロディしまくっていて整理しきれません。

そんなクセが暴走しすぎている『リック・アンド・モーティ』はマニアの間で話題沸騰となりカルト的大人気に。そしてこのアニメのクリエイターも注目のマトとなり、『スター・トレック:ローワー・デッキ』からMCUドラマ『ロキ』まで、キャリアが有名作へと拡大しました。

その“ジャスティン・ロイランド”と“マイク・マクマハン”が2020年から「20th Television(20世紀テレビジョン)」と共同で制作したのがこの『ソーラー・オポジット』です。

観たらすぐにわかるのですが、絵柄といい、キャラクターの基本配置といい、『リック・アンド・モーティ』に限りなく似ている、というか一緒です。違うのは主人公はエイリアンだという、それくらい。

『ソーラー・オポジット』のエイリアンたちは故郷の星が壊滅してしまったので退避。そして地球に不時着してきた…という設定。スーパーマンやバルタン星人と同じです。でも『ソーラー・オポジット』のエイリアンたちはハチャメチャだった…。地球を侵略するでも人間と交友関係を結ぶでもなく、自由奔放に散らかしていくだけで…。下品な『エターナルズ』みたいなものですよ(この説明でいいのか)。

また、『ソーラー・オポジット』のエイリアン疑似家族(文字どおり家族のふりをしている)を構成する大人2人は明らかに男性同士のカップルに見え、要するにゲイを描いていることになっています(たぶんこのエイリアンには同性愛か異性愛かを意識する概念はないのだけど)。このあたりも注目です。

『ソーラー・オポジット』はアメリカ本国では「Hulu」で配信されています。なので作中でも「Huluに課金しているのか、この金持ち野郎!」とか、やたらHuluをディスったり持ち上げたりしてくるのですが、日本ではHuluは経営母体が違うので『ソーラー・オポジット』は配信されていません。

日本で観れない…と落ち込んでいたら、「Disney+」であっさり独占配信されました。結果、Disney+で視聴しているのにHuluへの言及がいっぱいあるというヘンテコな光景になりましたが、まあ、気にしないで。

『ソーラー・オポジット』はシーズン1とシーズン2が2022年2月時点で配信中。それぞれ全8話。さらにホリデースペシャル版も1話だけ配信されています。

なんかもう世の中どうでもいいなというムシャクシャした気持ちになったときに鑑賞するのがオススメです。

オススメ度のチェック

ひとり4.0:ストレス解消に
友人4.0:気楽に眺められる
恋人3.5:ロマンスもあるけど
キッズ2.0:下品な内容が多いです
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『ソーラー・オポジット』予告動画

↓ここからネタバレが含まれます↓

『ソーラー・オポジット』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤):こんな茶番は終わらせてやる

この宇宙のどこかにあるシュロープ星は楽園でしたが、小惑星の衝突によって一瞬で壊滅。その故郷の星が粉々になる前に脱出できたのは、大人100人とレプリカント、そしてピューパだけ。

そのうちのコルボ(コルヴォ)テリーという大人のシュロープ人と、人造生命体であるレプリカントのジェシーヤミュラック、そして小さなピューパ1体…この5人が乗る宇宙船は地球という辺鄙な惑星に不時着してしまいます。

宇宙船は人間というこの星を支配する生き物が暮らす住宅地に不時着し、人間の家の屋根に引っかかります。しょうがないのでこの5人のシュロープ星からの避難者はこの地球で一時的に過ごすことにします。人間は「家族」という最小コミュニティを形成するらしいので、その家族というかたちで…。

発明に秀でるコルボは地球が嫌いです。人間もアホだと思っています。早く宇宙船を直してさっさと立ち去りたいと考えており、文句ばっかりです。

「家族が好きとか言ってるくせになぜ家族を巨大化しない? なんでこんなに言語があるんだ。年寄りを大切にしようとか言っておきながらなんで年寄りとヤらないんだ。恐竜はどこにいったんだ、人間は何をしやがった? 喉が渇いているなら小便を飲めばいいのに。動物を食いたいのかペットにしたいのかどっちなんだ。日光浴をしても肌が焦げているだけだぞ。ブレンダン・フレイザーは干されたのか、いいやつだからチャンスをやれ!」

一方のテリーはこの地球生活にすっかりまんざらでもなく馴染んできており、ここに居ついてもいいかなとも考え始めていました。人間の文化にもハマっており、ご近所付き合いも忘れません。

レプリカントたちは子どもの見た目なので、人間の子どもは学校に行くそうなので、学校に通っています。でもエイリアンの風貌ゆえにイジメられがち。

レプリカントのヤミュラックは人間不信で陰気なので、気に入らない人間を片っ端から特殊なメカで小さいサイズに変えてしまい、自室の壁の裏に隠している巨大なテラリウムに保存して飼っています。そのテラリウムではわけもわからず小さくされた人間たちが独自のコミュニティを形成し、弱肉強食の過酷な生存を強いられる中、社会を維持したり、抵抗したりと、奮闘していました。

別のレプリカントのジェシーは女の子らしく振舞おうと健気。人間にも優しくしようとしますが、学校では人間の女子グループに嘲笑われ、ヤミュラックの物騒な発明のせいで校則違反になってしまったり、全然上手くいきません。

そのコルボたちと一緒にいるのがピューパという小さな生き物。成長すると最終形態になったらテラフォームでこの星を食いつくす…らしいのですが、コルボやテリーはよく詳細を知りません。とりあえず放置しながらピューパの成長を見守っていますが、実はピューパはかなり勝手に行動していて…。

コルボたちがこの地球に来てから早1年。一体いつまでこの惑星にいるのでしょうか…。

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シーズン1:テレビは嘘だ!

『ソーラー・オポジット』のエイリアンたちは地球で自由気ままです。ファンバケットというテレビのキャラクターに夢中になったり、ナノボットを使って近隣住民である人間の素性を把握して好かれようとしたり、『グランド・イリュージョン』と『プレステージ』を参照にマジシャンになってみたり、『グリーンルーム』みたいなネオナチの巣窟に迷い込んでしまったり、大学に行ったり、夏休みを知らずに学校に登校し続けたり、財布探しのためにタイムトラベルしたり…。

いずれにせよ面白いのはこのコルボたちエイリアンは、人間社会の規範というものを全く理解していないということ。

例えば、コルボとテリーは人間感覚的には男性に見えるし、結果的にゲイカップルに思えるのですが、当人たちは性別を意識することはあまりないらしく、ゲイなんて自覚はないです。クィア以前にエイリアンですからね。ただ、わりと地球のゲイ・カルチャーは気に入っているみたいなのがシュールなのですが…(ゲイ文化は全宇宙の普遍なのか…)。穴は無いって言ってたけど、それっぽい行為はしているし、もう意味不明だよ…。

ともかくそんなコルボとテリーがロマンチックなBLの雰囲気を醸し出すことは基本はないのですが、男らしさというものがなかなかに良いらしいと人間男性から聞きかじり、自分たちで「オトコノヘヤ」を作って試してみるもさっぱり実感として理解できないくだりとか、このへんのエピソードも私は好き。

一方でレプリカントのジェシーとヤミュラックはおそらく生物学的性別の概念がないのでしょう(作られた存在なので)。けれども本人がこうありたいという性別は存在していて、まるで性自認としてのジェンダーを意識しているようで、このあたりもユニークです。

ジェシーなんてかなり女の子への憧れが強く、見た目もあえてステレオタイプな女の子っぽい格好をするも、授業の課題で家父長制を壊そうと張り切るものの周りの男子はなぜかフェミニストばかりで、思うように女性差別の現場に遭遇できないという、ジェンダー・ギャグの回も面白かったですね。

ヤミュラックが一番エイリアンっぽいというか、マッドサイエンティスト的な行為に手を染めているのかな。

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シーズン2:アニメは嘘だ!

『ソーラー・オポジット』のシーズン2も相変わらずのグダグダで地球に暮らしています。シーズン2の第1話でいきなり宇宙船が修復完了し、いざ飛び立とうとするもやっぱり破損して飛行できず。いつものシットコムの始まりです。

シーズン2では、地球に自分たち以外のシュロープ星のエイリアンがいたことが発覚。彼らはわりと人間に怯えて隠れながら暮らしているのですが(これが普通では?)、ここでコルボたちは富裕層という存在を知り、故郷の星では自分たちはそんな階級社会の上すらも知らない立場だったと自覚。とりあえずこの富裕層のアホを騙してさよならします。

それ以外のエピソードもバカしかしていません。巨根エネルギーに押しつぶされるヤミュラック、セックスワーカーで稼ぐことになるテリー、ディナーパーティー禁止法案に張り切るコルボ、案の定の女の子らしさへの欲求が空回りして理想は実現しないジェシー。

シュロープ星のエイリアンはパニックで感情が不安定になると体からグーブラーというちっさい謎の生き物がぴょこぴょこでてくるのですが、シーズン1で登場したレッドグーブラーが今回のシーズン2ではまさかの人間女性と婚約直前に。しかし、コルボはこのレッドグーブラーとバチェラーパーティで肉体関係に。これはなんだ…なんて言うんだ、不倫? いや自分の肉体構成物との性関係だから違うのか…まあ、よくわからないのですけど、教訓は学べた!(ん?)

それにしてもこの世界ではミシェル・オバマが大統領なんだなぁ…(ドナルド・トランプは意地でもださないぞという最近のカートゥーンの姿勢は素晴らしいけど)。

そして本作のシリアス枠である、ヤミュラックの狂気の知的探求と嗜虐趣味が生み出したテラリウムの中で生きる人間たちのストーリー・パートはかなりサスペンスフルに。欲に溺れてウォールの支配者となったティムと、そのティムに裏切られたシェリー。オポッサムから逃げ、出産を経験し、再びあのウォールへと舞い戻ったシェリーは『BONES』の脚本家のハンクと合流。もうこの話は壮大過ぎてピューパと一緒に眺めているだけしか私にはできない…。

そう、そのピューパもパシフィックブルー色に最終話で変身しましたけど、今シーズンでわかったのはコルボたちが一時的に木の形態に成長するということだけで、ピューパについては皆目意味不明のままです。

あと、「ホリデースペシャル回なんてやらないぞ」と豪語してましたが、サクっと始まったクリスマス回。なんとレディプレイヤー1装置で『ジングル・オール・ザ・ウェイ』の世界の中へ。4人ともアーノルド・シュワルツェネッガーになるもんだから、すっごくゲイでポリアモリーな家庭にしか見えなくなっている…。ピューパはちょっとだけバイセクシュアルの子を探して幸せに貢献し、めでたしめでたし。

『ソーラー・オポジット』のこの何の意義も価値もないけど表現の自由の真骨頂が見れる雰囲気、私は大好きですよ。

『ソーラー・オポジット』
ROTTEN TOMATOES
S1:Tomatometer 92% Audience 80%
S2:Tomatometer 100% Audience 94%
IMDb
8.0 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
8.0

作品ポスター・画像 (C)Disney Platform Distribution ソーラーオポジット

以上、『ソーラー・オポジット』の感想でした。

Solar Opposites (2020) [Japanese Review] 『ソーラー・オポジット』考察・評価レビュー