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『ONE PIECE STAMPEDE(ワンピース スタンピード)』感想(ネタバレ)…初めてのワンピース

ONE PIECE STAMPEDE

初めてのワンピースでも!…アニメ『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:劇場版 ONE PIECE STAMPEDE
製作国:日本(2019年)
日本公開日:2019年8月9日
監督:大塚隆史

ONE PIECE STAMPEDE

ONE PIECE STAMPEDE

『ONE PIECE STAMPEDE』あらすじ

海賊のための祭典「海賊万博」に招待されたルフィたち麦わら一味。会場には世界中から海賊が群がり、万博の目玉である「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」で、お宝争奪戦が繰り広げられる。しかし、その盛り上がりの裏には、とてつもない巨大な企みが隠れていた。そして最強の敵、元ロジャー海賊団の男ダグラス・バレットが立ちはだかる。

『ONE PIECE STAMPEDE』感想(ネタバレなし)

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私も今から海賊になっていいですか…?

全世界累計発行部数、4億6000万部。それがどれほど凄いのかは漠然としすぎていてわかりづらいですが、日本で最も売れた漫画になっているという王者の貫禄は圧倒的です。なにせこのご時世です。そもそも本だって売れづらくなっている時代でしょうし、趣味の多様化で全員が同じ作品を親しむことも難しくなっています。それでもこの記録を出せるのは間違いなく凄さの証明でしょう。

もう日本人は全員読んでいて当たり前なのではないか。そう思うのも無理はありません。

…でも私は読んでいないのですが…。1部も貢献していない…。

もともと漫画にそこまで子どもの頃から夢中になっていなかった自分は漫画に手を伸ばす動機も薄く、このメガヒット漫画すらもスルーしていたのでした。

あ、何の漫画の話をしているか書いていなかった。“尾田栄一郎”による少年漫画作品にして「週刊少年ジャンプ」で連載中の「ONE PIECE(ワンピース)」のことです。

もちろんタイトルは耳にしています。でも積極的に知ろうとしていないので、ほぼほぼ何も知らない。一応、ワンピース未見の私が知っていた作品概要は以下の2つ。

  • 海賊の冒険漫画なんだよね。個性豊かな仲間がいっぱいいるらしいね。
  • ゴム? ゴムってよく聞くけどどういうこと?

この浅薄にもほどがある情報量ですから。漫画も一冊も一話も読んでいないし、テレビアニメ化されていますが、その作品も1分たりとも見ていない。

そして、そんな私が2019年のワンピースのテレビアニメの劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』を観てみました…というのが、今回の感想のお話。

『ONE PIECE STAMPEDE』はワンピースのテレビアニメの劇場版第14作(そんなにあったの!?)で、興行収入55億円を記録する大ヒット作になりました。前作『ONE PIECE FILM GOLD』の興収が51億円なので、さらに上回ってきています。映画でもその人気の衰えを一切感じさせません。

その歴史を積み上げて成り立つ映画にいきなりワンピース初心者の私が突撃するのです。

なので鋭い考察とか深い愛なんで全然ないですから、ファンの人はこの感想をこれ以上読み進めない方がいいかもしれないとだけは忠告しておきます。有意義な内容はたぶんないです。「今さら何言っているの?」という薄っぺらい内容しかないということは自信を持って保証できます(なんだその自信)。だって作品自体が初見です。どうしろっていうんですか。

でも案外と私みたいな人はいると思うのです。世間では有名だけど自分は触れてこなかったんだよなぁ…と内心では思っている人。今さら自分が触るのは畏れ多いんじゃないか、ファンの熱量に押されてしまうのではないか…という不安も抱えている人。

私は普段から映画好きを自称し、映画の感想を自己満足で書いて勝手に発信しているわけですし、なるべく多くの人に映画を見てもらいたいと考えています。当然、映画に親しんでいない初見の人にも。

だったら自分自身が親しんでいないコンテンツにも積極的に踏み込んでいかないと格好がつかないかなとも感じたり。今回の『ONE PIECE STAMPEDE』の感想もその一環です。

で、結論を先に書いてしまいますけど、ワンピース素人の私でも『ONE PIECE STAMPEDE』は普通に楽しめる作品でした。だから以前の私みたいな作品未見状態の人でも何も気にすることなく鑑賞すればよいのです。デメリットなんてありません。

映画の感想では初心者の意見はあまり取り上げられにくいです。やはりアツい想いを持った人の方が世間を動かしますし、良くも悪くも目立ってくるもの。でも初心者も大事だよね…ということを、この感想の中であらためて思いだし、初心に帰ったつもりになりました。こういう気持ちは定期的に思い出していきたいものです。

誰だって最初は初心者。初めて大海原に漕ぎ出す瞬間は緊張するけど、その先にはワクワクする冒険やお宝、なにより仲間たちが待っているのですから。

オススメ度のチェック

ひとり◯(初心者でも楽しみやすい)
友人◯(完全未見者を誘うも良し)
恋人◯(完全未見者を誘うも良し)
キッズ◎(言うまでもなし)
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『ONE PIECE STAMPEDE』予告動画

劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』予告
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ONE PIECE STAMPEDE』感想(ネタバレあり)

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あつまれ、かいぞくのしま

誰しもが畏怖する海賊王「ゴールド・ロジャー」が「この世の全てをそこに置いてきた」と言い放ち、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」という重大な“何か”を遺してこの世を去って以降、世界は大海賊時代に突入。幾多の海賊達が己の欲望や夢をぶら下げて覇権を賭けてひたすらに各地の海で争いを繰り広げていました。

その無数の海賊のひとりである「麦わらの一味」と称される海賊たちは今日も船を走らせています。船長のモンキー・D・ルフィを筆頭に、ロロノア・ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、トニートニー・チョッパー、ニコ・ロビン、フランキー、ブルック…少数ながら個性豊かな面々は元気。

盛り上がるルフィたちが今、目指しているのは、例の海賊王ゴールド・ロジャーにまつわるお宝さがしのイベントを開催しているという島。それは海賊の海賊による海賊のための世界一の祭り、「海賊万博」。主催者であるブエナ・フェスタは黒い噂が絶えないらしいですが、ルフィは「絶対に楽しいに決まっているじゃないか」と全く気にもしていません。

ルフィたちの乗る海賊船サウザンドサニー号が到着。すでに島は大熱狂。海賊万博の司会者にして「仕切り屋」ことドナルド・モデラートと、スペシャルゲストの歌姫アンはテンション高く実況中。あのロジャーはこの島を発見し、宝を隠したらしく、どういうものかはわかりませんが、事実だとすれば無視できません。

多くの海賊船が集合する中、いよいよメインイベントが開始。すると渦潮が発生し、天空へ登る巨大な海流となったかと思ったら、大量のシャボンとともに上空の巨大なシャボンの中に島が出現。まず目指すべきはあそこのようです。

海賊たちは我先にと前進。キッド海賊団、ドレイク海賊団、ボニー海賊団、破戒僧海賊団…強豪がわんさか突き進む中、ルフィたちのサウザンドサニー号はフライングモデル(コウテイペンギン仕様)に変形し、軽々と空を飛びます。

しかし、ここで思わぬ珍客が。ルフィたちの船にボロボロに傷ついたトラファルガー・ローが現れ、「この島から離れろ。ここは戦場になる」という意味深な言葉を口にします。それでもルフィには逃げるという選択肢はありません。二手に分かれることにし、ルフィ、ナミ、ウソップ、ゾロ、フランキーはこのまま島に進み、残りのメンバーとローは独自に島の裏に潜入することに。

上空の島には古びた船と財宝がわかりやすく存在し、小さな古い宝箱に目を付けたルフィたちは一直線。もちろん他の海賊たちも黙って見ているわけもなく、乱戦で奪い合いになり、大技もトリッキーな技もどんどん決まり、白熱していきます。

一方の隠れ家に潜入するサンジたちのチームはこの島にバスターコールを誘発するという話を聞き、海軍による無差別攻撃が計画されていることに震撼。

さらに突如島が崩壊、大爆発を起こします。落下したウソップが偶然で宝箱を手に入れ、その中をあけると言葉を失うほどにショックを受けますが、その背後に…。

一瞬の事態でよく事情がわからない海賊たち。そこに立っていたのは謎の大男。ルフィ走りませんが、彼を知る者には戦慄が走ります。この男こそロジャー海賊団の元クルー、ダグラス・バレットだからです。しかも、島の周辺の海にはいつのまにか海軍の大艦隊が接近。黄猿や藤虎といった海軍の最強人員が投入されています。

それをモニタールームで眺めるブエナ・フェスタは「ステージは作ったぜ」と不敵に笑います。

バレットは恐ろしいほどに強く、海賊たち各自最大級の大技が連続で決まっていくもまるで効いておらず、「強さこそが全てだ」と有言実行で圧倒。

そして宝箱の中にはワンピースが入っていると衝撃の一言を言い放ち、本気の姿を見せることに…。

え、ルフィの物語はここで終わるのか? 完結しちゃうのか? そんなわけは当然ないのです。

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原作者はキャラキャラの実を食べている

『ONE PIECE STAMPEDE』をいきなり鑑賞して初心者の私でもすぐにわかったのは「ワンピース」という作品世界の面白さの最大の理由。それはおそらくきっと原作者“尾田栄一郎”が創造する個性豊かなキャラクターたちなのだろうな、と。

漫画は(とくに少年漫画は)キャラクターの魅力が一番の肝なのは言うまでもないのでしょうけど、この「ワンピース」はキャラがとにかく濃いです。濃いといっても、なんというか、一定の理解のステップを必要とする難解さは一切なく、むしろ超シンプルなままに個性を確固たるものとして発揮しているというか…。本当に子どもでもわかる、簡単に飲み込めてしまうキャッチーなキャラクター性というのが最大の武器になっています。

それもあって200名以上(!)のキャラクターが登場しているらしい『ONE PIECE STAMPEDE』を私が観ても、どれがどれのキャラだっけ?と混乱することがなく、一発で覚えられます。まあ、毎度毎度登場ごとに自分もしくは他者がキャラ名に触れてくれるという親切設計にもなっているおかげでもあるのですが。でもやはり極端すぎるほどのシルエット造形や性格で脳内に刻みこんでくるのはさすがのもので…。本作オリジナルキャラクターであるバレットやブエナ・フェスタなどの面々も既存キャラに負けず劣らずの存在感ですからね。

もちろん私は作品自体初見なので理解できない用語やキャラ背景はいっぱいあるんですよ。作中で登場した「王家七武海」とか「革命軍」とか、正直全くもってさっぱりです。キャラとキャラとの因縁とか、そういうものも全然伝わる暇もありません。

でも、わんこそばのように、有名な諸々の海賊たちドーン!海軍ドーン!王家七武海ドーン!革命軍ドン!あんなキャラまでドーン!と連続パンチを撃ち込まれていても、あまり混乱はなく気楽にモグモグできてしまうのがこの『ONE PIECE STAMPEDE』。タイトルどおり「stampede(殺到する)」ことになるわけですが、ここまで初心者を排外しないのは、そもそもの作品の徹底した敷居の低さあってこそなのではないかな。

『ONE PIECE STAMPEDE』は『アベンジャーズ エンドゲーム』なんかと類似した立ち位置を持つキャラ大集合で強敵を倒せ!系の集大成作ですけど、『ONE PIECE STAMPEDE』の方がはるかにキャラが多いのに初心者に優しいのは凄いことです。

そのぶん犠牲になっているものはあると思います。キャラの行動が異様に単調になりやすいとか、誇張的なデザインばかりが押し出され過ぎるとか…。でも作り手はそういうのをマイナス要因としてすらも考えておらず、振り切って創作に臨んでいる感じで、そこがまたいいんですね。

原作者“尾田栄一郎”はキャラクターを無限大にクリエイトできる「キャラキャラの実」の能力者か何かなのでしょうか…。

これだけのキャラクター創造力はもう才能以外の何ものでもないし、これさえあればエンドレスに作品世界を拡張し続けることができるだろうなぁ。『ONE PIECE STAMPEDE』も「これをやったら次は何するの?」というくらいの豪勢な総出演なのでしょうけど、このクリエイターの手にかかれば次もいくらでも作れるのでしょう。

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とにかく強さと仲間がいれば良し!

『ONE PIECE STAMPEDE』の映像面に関しては元がバトル漫画なので、ほぼほぼ戦闘シーンで何も考えずに観られるエンターテインメントとしての安定感があります。

まあ、個人的には戦闘の有利不利の基準は全然理解できなかったのですけどね。この世界には「悪魔の実」という食べると特殊能力が手に入るアイテムがあって、ルフィの場合は「体がゴムになっている」(でもあれはゴムというレベルの話なのか?)のですが、それは結構わかりやすい。ただ、悪魔の実の能力者でもない人も強い奴がいるし、そこに加えて「覇気」というよくわからない要素がプラスアルファされて、何がどうして強いのか何が何やら…。

もちろんわかります。このへんはこの手のバトル漫画特有のインフレ現象なのでしょうし、この「ワンピース」の世界観における勝ち負けの基準は「ボコって屈服させれば勝ち」なので細かいことはツッコむのもナンセンスなのだと思って早々に考えないことにしましたが(そういう意味ではバレットもルフィも仲間意識の有無を除けば、強さ至上主義は同じなんですね)。

でも本作最大の敵にしておそらく最強クラスの存在(ということに設定上はなっている)バレットも序盤の強さは完全無敵だったのに、巨大化してから妙に魅力が減ったように私は感じなくもない…。「ガシャガシャの実」というわりにはあまりガシャガシャとメカニックに稼働してギミックを見せてくれなかったのは私としては不満要素。漫画なら巨大なボディがコマいっぱいに登場するだけで凄い迫力なんですよ。でも映像作品だと下手すると巨大化はつまらなくなることは多々あって、映像の見せ方に気を付けないといけないのですが、そこらへんの演出テクニックが不足しているのかな…。

『ONE PIECE STAMPEDE』はあくまで漫画的演出を映像でそのまま描き移していることが多いのは、ファンにしてみればそれで大満足かもしれないですが、せっかくの映像作だし、もったいないかなと。

ラストのアンによる「ビジョビジョの実」の能力のひと仕掛けは、私は最初は何のことやらポカンでしたけど、後で調べたらあそこは本作随一のファン感涙ポイントだった…。これがやりたいがためにこの能力を登場させたとしか思えない。それにしても「ガシャガシャの実」よりも「ビジョビジョの実」の方が潜在的な有効性が高いんじゃないか…。でもこうやってあの能力をこう使えば…とか妄想しちゃうのも完全に作り手の術中にハマっているよね…。

あと作中でのウソップの活躍展開は、おそらくファンの中では「ウソップ=弱いキャラ」という図式が定着しているので違和感がないのでしょうけど、私から見るとウソップも全然強いキャラに見えるので(というかこの世界における“弱い”ってなんだ…)、あそこだけやたらと強弱を誇張しすぎるご都合さを感じる面もありました。本音を言えば、あのルフィとウソップのシーンはエモーショナルなデコレーションはしていますけど、本作が抱えるトキシック・マスキュリニティがチラ見えしているなと思ったり…

とまあ、こんな感じであれこれと思うくらいに私も「ワンピース」の世界を初陣ですが満喫してしまいました。よし、これで少しは知ったかぶりで話題についていってやろう…。あ、いや、ダメだ、もっと他の作品も見てから…。誰か映画鑑賞に有用な悪魔の実を持っている方はいらっしゃいませんか…。

『ONE PIECE STAMPEDE』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 93% Audience 99%
IMDb
7.7 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
星 5/10 ★★★★★

作品ポスター・画像 (C)尾田栄一郎/2019「ワンピース」製作委員会

以上、『ONE PIECE STAMPEDE』の感想でした。