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アニメ『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』感想(ネタバレ)…目覚めた食品たち

ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア

賞味期限はありません…アニメシリーズ『ソーセージ・パーティー 〜理想郷 フードトピア〜』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Sausage Party: Foodtopia
製作国:アメリカ(2024年~)
シーズン1:2024年にAmazonで配信
シーズン2:2025年にAmazonで配信
原案:セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ ほか
性描写 恋愛描写
ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア

そーせーじぱーてぃー りそうきょうふーどとぴあ
『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』のポスター

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』物語 簡単紹介

スーパーマーケット「ショップウェルズ」の食品たちは自分たちが人間に食べられるために存在していることを知り、ついに真実に目覚めた。そして支配側にいる人間に反逆することに決め、みんなで一致団結して行動にでた。そして形勢は逆転。食品たちは自分たちの理想郷を手に入れたと大喜びする。しかし、その平和は一瞬にして崩れ去る。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』の感想です。

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』感想(ネタバレなし)

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ハッピーセットの人権を問えるのはこの世界観だけ!

ポケモンカードの転売目的で購入されて、食べられずに捨てられるハッピーセットに心痛めて怒りの声をあげる人間たちよ…。

転売する輩の浅ましい儲け主義の倫理観はさておくとして、もしかしたらハッピーセットのハンバーガーやフライドポテトたちは食べられないで助かったと思っているかもしれない…。いや、食材たちは調理されるという残虐な行為に絶望しているかもしれない…

何を言っているんだ、こいつは…と呆れないでください…。このアニメの世界観に合わせて話してるんです…。

それが本作『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』

本作は2016年に公開されたアメリカのCGアニメーション映画『ソーセージ・パーティー』続編となるアニメシリーズであり、「Amazonプライムビデオ」で2024年から独占配信となりました。

どういう世界観かと言うと、スーパーマーケットに陳列される食品たちが主人公で、擬人化されて「喋って動く」デザインで描かれています。そんな彼らが「自分たちは人間に食べられるためだけに存在している」と自覚してしまい、パニックになりながら、その運命に抗うという、メタなブラックコメディです。

これだけでもじゅうぶんに個性的なのですが、何を思ったのか、製作陣はここにさらに別要素をプラスしました。

それは超がつくほどに露骨に下品で卑猥な世界観にしたということ。

具体的にどう下品で卑猥なのかは詳細に書くとアレなので書きませんが、低年齢の子どもには見せられません。「食べ物がキャラになってる~」と『アンパンマン』みたいな感覚でうっかり見せないように、大人は気を付けないといけません。

そのアニメーション映画史上でもトップクラスに猥褻な一作となった映画『ソーセージ・パーティー』の続編が作られると聞いて「え?」となった観賞済みの人たちも多いはずです。

観た人はわかりますが、映画のオチがぶっ飛んでいましたので…。「これの続きって作れるの?」と普通に疑問が口からでてきます。

大丈夫です。安心してください。あの映画のオチは無かったことになっています。はい、それで解決です。ええ、OKなんです。

無かったことになっているのはあのオチだけであり、それ以外は、食品たちが織りなすメタなギャグ満載のノンストップ・コメディは変わらず。もちろん下品さも一切手を緩めていません。むしろ映画よりも悪化、あ、違った、パワーアップしています。

製作陣は毎度おなじみ“セス・ローゲン”“エヴァン・ゴールドバーグ”。監督も“コンラッド・ヴァーノン”が続投しています。

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』はシーズン1・シーズン2ともに全8話です。

観ていてお腹はあまり空かない食べ物作品をどうぞ召し上がれ。

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『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』を観る前のQ&A

Q:『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』を観る前に観たほうがいい作品は?
A:映画『ソーセージ・パーティー』を観ておくことをオススメします。耐性があるかというチェックの意味でも…。
✔『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』の見どころ
★収拾つかずに広がっていく世界観。
★一応は政治社会を風刺してみせようという意気込みは感じる。
✔『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』の欠点
☆言うまでもなく極端に下品で卑猥なので…。

鑑賞の案内チェック

基本 食事しながらの鑑賞は自己責任でお願いします。
キッズ 1.0
露骨な性描写があります。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

世界の真実を知ってしまった食品たちは人間に逆襲しました。その戦いはスーパーマーケット「ショップウェルズ」から始まりました。

目覚めのきっかけとなったソーセージのフランクとホットドッグパンのブレンダは壮絶な戦いの中で愛を誓い合い、戦士を鼓舞。食べ物たちは二本足で歩きまわって食品たちを残酷に食らいつくす人間たちに武器を向けます。

しかし、犠牲者もでます。愛するラヴァッシュのカリームを失ったベーグルのサミーは小さいソーセージのバリーと協力し、大喰らいの強敵を倒してみせます。怒りが支配者を圧倒しました。食品たちはついに勝ったのです。初めての勝利です。

こうして食品の理想郷「フードトピア」がここに誕生しました。みんなで大喜びし、犠牲者に黙祷。頭脳明晰なガムはこれからの時代は食品が支配者になると分析。それに誰も異論はありません。

人間の歯を掲げ、みんなにそれを配り、抵抗の余韻を味わいます。そして、みんなで自由に好きなことをします。バリーだけは目的を見失い、ボーっと隅で佇んでいました。

ところが各自の欲望を解放していたそのとき、土砂降りの雨が降ってきます。それは店内暮らしの食品にはあまりに未知の脅威でした。濡れてしまえば、身体を保てない…。パニックになって逃げ惑うも、鉄砲水が地面を覆いつくし、次々と水流に飲まれていきます。

フランクとブレンダとバリーはプラスチックのケースで浮かんでいましたが、バリーは飛び出して率先して食品たちを救助。ガムの体を張った覚悟のおかげで、フランクとブレンダは助かるも、ガムは力尽きてしまいます。

一命をとりとめた食品たちもいましたが、大切な人の亡骸の前で嘆き悲しむしかできません。バリーだけは生き生きとしており、窮地にこそ存在意義を見いだせるようです。

統率を失った食品たちは店に戻ろうと慌てて走り出します。フードトピアなど幻想にすぎなかった…。

しかし、店内もぐちゃぐちゃで、天井は落ちかけています。持ちこたえれるとは思えません。

フランクとブレンダはこれからどうするべきか話し合いますが、知識もない今、答えはどこに…。かつての支配者である人間がいればこの世界の生存の知恵を教えてもらえたかもしれない…。

夜、血気盛んなバリーは負傷者をひたすら助けていましたが、人間がまだ生き残っていることをその目で目撃し…。

この『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2025/09/13に更新されています。
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シーズン1:この食品は選挙戦に中立ではありません

ここから『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』のネタバレありの感想本文です。

映画のオチは無かったことにしても、破廉恥パーティーは繰り返される『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』のシーズン1。今回はソーセージと人間男性の濃密な絡みがみれますので、ここまでくるとほぼ比喩でも何でもありません。

それはさておくにしても(当人が幸せならそれでいいじゃないですか)、このシーズン1ではフードトピアをその名に恥じない理想郷とするべく「誰がリーダーにふさわしいか?」を決める議論が勃発し、どう考えてもアメリカの大統領選挙戦を風刺しています。

社会構築に失敗し、階級格差が悪化する中、オレンジのジュリアス(真の黒幕は尻穴から操っていた米粒のジェリ・ライス)は歯を独占し、富への誘惑で大衆の支持を得ます。

対するフランクはセックス・スキャンダルの不祥事で失態をかまし、ブレンダの足を引っ張ることに…。女性の活躍を大いに無自覚で邪魔する男…“セス・ローゲン”はこう言うのを描くのが好きですね…。実際の政治の現場でもよく見られる景色だし…。

しかも、ブレンダは今回で水死してしまいます。まあ、野ざらしのパン食品としてはかなりもったほうだと思う…。私はずっと「カビが生え始める」とか、そういう新たな災害が勃発するのかとひやひやしながら観てましたよ。

今回の政治風刺は表面上は勢いはありましたけども、終盤はなし崩しになった感じで、そこまで上手く刺さってはいなかったかなとは思いました。そもそもが食べ物を人権意識で尊重しているのか、その皮を被って粗末に扱って楽しんでいるだけなのか、そのテキトーさを楽しむ作品なので、政治風刺もテキトーなノリに片付いてしまう印象は拭えません。

冒頭で一瞬で描かれて終わった「食品vs人類」の全面戦争をもっと見たかったところですけど、今回は人間のジャックを混ぜ合わせたユーモアで新鮮さをだしたかったのかな。ジャックの人食シーンがベスト名場面かもしれない…。

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シーズン2:この食品は反ジェノサイドです

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』のシーズン2は、前回でフランクがジャックの力で強引にリーダーに君臨するも、結局はノープランで上手くいかず、あげくにフードトピアからバリーとサミーもろとも追い出される出だしで開幕です。

そして一見すると食品たちは喧嘩もせず自然災害からも身を守れて平和に統治されているニュー・フードランドに辿り着くのですが…。ナッツのトリッシュら議会制で民主的に管理されているこのコミュニティにも秘密が…。

理想郷だと思っていたら理想郷じゃなかった…という映画の展開を新たな舞台でアレンジする…このシリーズの原点に戻ってきた感じでした。

しかも、今回は、要するに「政治的に正当化されたジェノサイド」に反対するというサブテーマですからね。あれですよ、『キャシアン・アンドー』と同じ政治的題材ですよ(比較するのもバカらしいほどに絵面に差がありますが…)。

それにしても、映画からあったあの『レミーのおいしいレストラン』のあまりにも下品なパロディである「尻穴から対象を操れる」という要素が、このシーズン2にきて本格的なロボットものに昇華していくとは予想できなかった…。

使役する人間軍団のために他地域食品(燃料)を食べさせるべく軍事侵攻を決行するニュー・フードランドと、フードトピアとの戦いが始まりますが、下ネタの振り切り方が限界突破していて今回は楽しめました。

『トップガン マーヴェリック』を打ち倒し、衣揚げ料理拷問に耐え抜き、見事に汚物まみれでも勝ってみせたフードトピア陣営。もうお前ら、冷蔵庫なしでもじゅうぶんだよ…。

最期まで差別発言はやめないメロン・ギブソンは死に、ジュリアスも吸われて絶命し、だいぶ犠牲者がでましたが、先輩パイロットだったマスタードのディジョンなど、たぶんニュー・フードランドの食品たちも仲間になるのでしょう。

しかし、いよいよ私が観たかった「食品vs人類」の全面戦争が目撃できそうな予感。今度は米軍を風刺するのか…何をしてきても驚かないようにしなければ…。

『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』
シネマンドレイクの個人的評価
5.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
△(平凡)

作品ポスター・画像 (C)Amazon MGM Studios ソーセージパーティー2フードピア

以上、『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』の感想でした。

Sausage Party: Foodtopia (2024) [Japanese Review] 『ソーセージ・パーティー 理想郷 フードトピア』考察・評価レビュー
#アダルトアニメ #セスローゲン #エヴァンゴールドバーグ #食品 #カニバリズム #ゲイ同性愛