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映画『裸の銃を持つ男』感想(ネタバレ)…2025年の男はスカートを履いていても強い

裸の銃を持つ男

何も履いていないのはさすがに…映画『裸の銃を持つ男』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:The Naked Gun
製作国:アメリカ(2025年)
日本では劇場未公開:2025年に配信スルー
監督:アキヴァ・シェイファー
性描写 恋愛描写
裸の銃を持つ男

はだかのじゅうをもつおとこ
『裸の銃を持つ男』のポスター

『裸の銃を持つ男』物語 簡単紹介

ロサンゼルス市警特捜隊に所属するフランク・ドレビン・ジュニアは、今なお語り継がれる父譲りの型破りなスタイルで、今日もひとりで大胆不敵に大活躍していた。その技は誰にもマネできない。次に待ち受けるのは、巨大テック企業が暗躍している陰謀渦巻く事件。そしてやはりお構いなしに自己流で突き進む。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『裸の銃を持つ男』の感想です。

『裸の銃を持つ男』感想(ネタバレなし)

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2025年に帰ってきたあの男(でも息子)

2025年もいろいろなハリウッドの旧作がリメイク・リブート・続編というかたちでスクリーンに帰ってきたのですが、たまに「ええ!? なんでお前が!?」という作品も混じっていたりします。

今回紹介する映画もその意外な顔のひとつでした。

それが本作『裸の銃を持つ男』

本作は、あの1980年代から1990年代の知る人ぞ知る伝説のコメディ映画シリーズ『裸の銃を持つ男』の久々の新作です。

始まりは映画ではなくドラマシリーズでした。1982年に「ABC」で『フライング・コップ 知能指数0分署』(Police Squad!)というドラマが放映されたのですが、これは“レスリー・ニールセン”演じるフランク・ドレビンという警部補を主人公にしています。この作品はとにかく既存の流行の刑事ドラマを徹頭徹尾パロディしまくっており、脈絡もないくだらないギャグが連発し続ける…本当にそれだけに振り切っていました。

このドラマを生み出したのが、“デヴィッド・ザッカー”“ジェリー・ザッカー”の兄弟。このコンビは1977年に『ケンタッキー・フライド・ムービー』というパロディ映画で注目を集め、1980年に乗り物パニックを盛大にパロディにした『フライングハイ』でも成功をおさめました。これらの作品もスケット・コメディを特徴にしています。

満を持して送り出した『フライング・コップ 知能指数0分署』ですが、6話で打ちきりになるという、これ自体も渾身のギャグなのかという顛末になってしまう事態に。

しかし、大逆転が起きます。1988年にあのドラマの主人公フランク・ドレビンを再び引っ張って今度は映画として『裸の銃を持つ男』を制作。これが大ヒットをぶちかまし、『裸の銃を持つ男 PART2 1/2』(1991年)、『裸の銃を持つ男 PART33 1/3 最後の侮辱』(1994年)と、あれよあれよという間に続編が作られました。

その新作となる映画4作目が2025年に現れたわけですが、今回はオリジナルの主人公の息子がメインキャラクターとなっています。

なんでもかなり前から4作目の企画はあったそうですが、難航し続け、そうこうしているうちに主演の“レスリー・ニールセン”も2010年に亡くなってしまい、原案の“デヴィッド・ザッカー”と“ジェリー・ザッカー”も離れていきました。ちなみに、ここ最近の“デヴィッド・ザッカー”は共和党の宣伝映像みたいなのを作っていたり、すっかり政治色がついています。

結局、『テッド』でおなじみの“セス・マクファーレン”が製作の指揮をとり、『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』“アキヴァ・シェイファー”が監督を手がけることに。

2025年の4作目『裸の銃を持つ男』(副題、つけてほしかったな…)、製作陣も何もかも変わってしまいましたが、ノリは全く変わってません。相変わらずバカです。下品です。他は期待しないでください。

今回、新主人公を演じるのは“リーアム・ニーソン”。なんでも“リーアム・ニーソン”は”レスリー・ニールセン”とよく名前を間違えられるらしく、このキャスティング自体がジョークなんでしょう。

共演は、『The Last Showgirl』“パメラ・アンダーソン”『The Luckiest Man in America』“ポール・ウォルター・ハウザー”『探偵マーロウ』“ダニー・ヒューストン”『ラスティン: ワシントンの「あの日」を作った男』“CCH・パウンダー”など。

2025年に『裸の銃を持つ男』の新作を眺めていると、「一体今はいつの時代なんだ」という気分にもなりますが、どんな時代にも不変なものはあるということをたまには思い出すのもいいかもしれません。

残念ながら日本では劇場未公開で、配信スルーですが…。

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『裸の銃を持つ男』を観る前のQ&A

✔『裸の銃を持つ男』の見どころ
★時代が変わっても不変のユーモア。
✔『裸の銃を持つ男』の欠点
☆下ネタ多めのギャグのノリは合う合わないはある。

鑑賞の案内チェック

基本
キッズ 2.0
露骨に性的な下ネタの描写があります。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『裸の銃を持つ男』感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

とある大きな銀行で強盗が発生。犯行グループは武装しており、発砲と脅迫で大混乱を巻き起こしながら、金品を巻き上げていきます。従業員も利用者も怯えるしかできません。

そんな中、ひとりの男が貸金庫の堂々と立ち入り、そこからあるデバイスを淡々と盗み出します。手のひらほどのそれには「P.L.O.T. DEVICE」と書かれています。明らかにこの男の目的は、周りの強盗とは違いました。まるで銀行強盗自体が陽動のようです。

その内部の事情もわからず、銀行の建物の外ではSWATが包囲し、いつでも対応できるように身構えています。一触即発です。

そこへひとりの制服姿の女子がスキップしながら周りを気にせずに銀行の入り口から普通に中へ。さすがに銃を構える強盗もその小柄な女子を前に困惑します。なぜこの子は状況を理解していないのか。

ところがその女子は変装を解き、大人の男の顔が現れます。そして強盗たちの銃を手でくしゃくしゃにしたり、口で食べながら、たったひとりでどんどんと撃退。強盗たちは歯が立ちません。

彼の名前はフランク・ドレビン・ジュニア。ロサンゼルス市警の特捜隊所属の警部補です。

見事に事件を解決してみせましたが、独断が多すぎるので上司はそれを問題視。放置もできず、異動させられることになってしまいます。亡き父フランク・ドレビン・シニアは尊敬されている人物ですが、それでもかばいきれません。同僚のエドと思い出に耽りつつ、くよくよしてもしょうがないです。

フランクは上司の命令も無視して、エドと2人で次の事件の現場へ。崖から落ちたのか派手にひっくり返って大破した車両。自殺とみられていましたが、怪しげなマッチを発見します。被害者はソフトウェア・エンジニアのサイモン・ダヴェンポート。エデンテック社というテクノロジー企業と関連があり、CEOのリチャード・ケインによって急成長しているところです。

署に戻ると、サイモンの妹で推理小説家のベスが訪れていました。彼女は自殺ではないと考えているようです。フランクは座って穏やかに話をするも、決定的な証拠に欠けるので、これ以上話しても意味はありません。

そこでフランクはエデンテック社のイベントに顔を出し、リチャード・ケインと対面する大胆な出たとこ勝負の策に出ますが…。

この『裸の銃を持つ男』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2025/12/01に更新されています。

ここから『裸の銃を持つ男』のネタバレありの感想本文です。

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怒らせるとシュールな一撃がとぶ

2025年になっても不変のユーモアをみせてくれる新生『裸の銃を持つ男』。というか、それ以上の中身はありません。ツッコミは不在なので、観客任せです。この感想も自然とツッコミになっていくのも無理ない…。

冒頭、いきなり「お前にしかできない」という登場でお披露目となるフランク・ドレビン・ジュニア。ただの女装ではなく、骨格からして変貌しているシェイプシフターなのですが、彼の場合はこれもOK。今回のリアリティ・ラインはこの程度です!と、シリーズをよく知らない人にもこの一発でわかりやすく教えてくれます。

ふざけまくりですが、ちゃんとトランスフォビアにならないニュアンスにしていますし、そもそも主演が北アイルランド出身の“リーアム・ニーソン”だし、男性スカートのキルトっぽく見えなくもない…。まあ、子どものスカートを着用しているせいで、ミニスカすぎますが…。

それにしても“リーアム・ニーソン”を起用したのは大正解でしたね。

もちろんオリジナルの“レスリー・ニールセン”の魅力は唯一無二。そもそもオリジナル当時のコンセプトは、流行っていたシリアスなクライム・ドラマをパロディにするというものであって、今まで真面目な演技をみせていた俳優にあえてふざけまくりのギャグをさせることに面白さがありました。

しかし、もう30年も経過して、分業は消え去り、たいていの俳優はコメディもやってくれるような多芸の時代になり、そのコンセプトは新規性を失ったと思います。

そんな中、“リーアム・ニーソン”は名前が似ているという特有のパーソナリティ以外にも、やはり堅めのアクション俳優としてのイメージがなおも健在で、そんな人がこんなことをしてくれる…その姿で大サービスになります。

最近も『プロフェッショナル』『アイス・ロード:リベンジ』「怒らせると手痛い一撃が飛んでくる男」を熱演していましたし、今作『裸の銃を持つ男』では「怒らせると手痛い一撃が飛んでくる男」は同じでも、その一撃が明らかにシュールという変化球で攻めてます。

むしろアクション以外だと『ジョニー・イングリッシュ』シリーズと被るところもなくはないから、個性をだすのが今の時代は難しいかもしれないですけどね。車の暴走はシリーズの定番とは言え、自動運転車両のシーンはあまり個性は無かったし…(でもフロントガラスのネタは個人的には好き)。

ただ、『裸の銃を持つ男』は対象年齢が低いことはなく、しっかり性的なネタもやります。しかし、露骨に性的というよりは、幼稚な性的さ(=下品)で突っ走るのが特徴。

今作では完全にセックス・シンボルとしてのためだけに起用されたことは疑いようがない“パメラ・アンダーソン”…でも「脱ぎはしない」というこの外しギャグ。その代わり挿入されるのは、まず犬も交えてのアレと勘違いさせる影ギャグ

なお、この動物を取り扱うシーンについて、「American Humane」の作品個別ページでは、ちゃんと「動物を傷つけたり、ストレスを与えずに撮影をしていました」と報告がなされていますが、全く性的な内容に言及せずに解説していてこれすらも面白い…。

続いてのなぜか悪魔的儀式で命が宿った雪だるまとの3P(雪合戦ではない)。ここが意味不明さではピークだった…。

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パロディはそこまで攻めていない

そんな2025年の『裸の銃を持つ男』、少し物足りないなと思うのは、製作費規模は決して多いほうではないので、スケールはそれほどデカくはないのはわかるのですが、パロディの攻め具合はわりと大人しい部類だったな、と

例えば、部屋ごとセットで相手を騙す(今作では3弾オチ)『ミッション:インポッシブル』パロディとか、多勢に無勢でも銃でスマートに撃退する(今作ではなぜか弾倉を飛ばす)『ジョン・ウィック』パロディとか、このあたりはじゅうぶん想定内。『ミッション:インポッシブル』については配給が同じ「パラマウント」なのでやりやすかったでしょう。

こうやって振り返ると、もう今はパロディにするような刑事ドラマってないんだな(今はアクション系のエンタメ作ばかり)と少し寂しい気持ちにもなりましたが…。問題はこの手のエンタメ映画ってもうパロディされまくりなんですよね。二番煎じになるから扱いが大変ですよ。

逆に「そんなことまでパロディにするのか!」という驚きの演出は全然なかったかな…。なんかこう微妙に安全路線をとっている感じはありましたよね。

あと、オリジナルのゲストの豪華さと比べると今作は控えめでした。終盤のゲスト出演の大部分は総合格闘技絡みでしたし、私は総合格闘技のレスラーにそんな興味がないというのもあるけど…(“デイヴ・バウティスタ”はわかる程度の私だから…)。

エンドクレジット後の最後のサプライズは“アル・ヤンコビック”で、これはこれでシリーズのファンにも嬉しいプレゼントではありましたが…。

ということで2025年に再始動した『裸の銃を持つ男』。たまに観る娯楽映画としてはちょうどいい塩梅でした。でも連発して続編は作ってほしくはないかなという感じではあります。やっぱりこういうのは多くても10年に1回くらいの頻度だから楽しいものです。

次やるんだったら息子から孫にもう移り変わっててもいいくらいですよ。

『裸の銃を持つ男』
シネマンドレイクの個人的評価
6.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)

以上、『裸の銃を持つ男』の感想でした。

作品ポスター・画像 (C)Paramount Pictures. All Rights Reserved. 裸の銃を持つ男4 ネイキッド・ガン

The Naked Gun (2025) [Japanese Review] 『裸の銃を持つ男』考察・評価レビュー
#アメリカ映画2025年 #続編 #アキヴァシェイファー #リーアムニーソン #パメラアンダーソン #ポールウォルターハウザー #ダニーヒューストン #警察 #パロディ