青春終了まであと1日!…映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:アメリカ(2019年)
日本公開日:2020年8月21日
監督:オリヴィア・ワイルド
性描写 恋愛描写
ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー
ぶっくすまーと そつぎょうぜんやのぱーてぃーでびゅー
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』あらすじ
高校卒業を目前にしたエイミーとモリーは成績優秀な優等生であることを誇りに思っていたが、遊んでばかりいたはずの同級生も良い進路を歩むことを知り、急に焦りだす。勉強のために犠牲にしてきた時間を一気に取り戻すべく、あとほんのわずかしかない高校の青春を謳歌しようと、卒業パーティへ繰り出すことを決意する2人だったが、行く先々でトラブルが続出してしまい…。
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』感想(ネタバレなし)
青春映画は女子旋風が吹き荒れている
「リア充」というスラングはいまだに使われているようですが(若い人は使っていないかもだけど)、私はもともとこの言葉自体があまり好きではないです。他人を勝手に「あいつは充実している」とジャッジするのは失礼だと思うので…。
ただ、このような言葉が流行る背景には、それだけ人間は自分や他者の人生の“充実さ”を気にしているという本音が見え隠れしており、良くも悪くも人間臭いです。その充実しているとされる人間に憧れるか、それともその人たちを冷笑するのか、それは人それぞれですけど、どっちにせよ意識してしまっているんですよね。つまり、人は“充実さ”を本能的に追い求めており、結局はどうしたら充実なのかは個人個人の独自の答えを見つけないといけません。実は壮大な人生の目的そのものを表す言葉なのかもしれない…。
そんなリア充を追い求める映画ジャンルと言えば「青春映画」が定番です。古今東西いろいろな青春映画がひしめき合っており、何かしらひとつくらいは自分にピッタリな作品を見つけられる…のかなと思います。いや、それでもまだ自分にジャストフィットする映画に出会えていないよ!という人もいるかもですけど。
ここ最近の傾向としては女性を主役にした青春映画が増え始めています。以前は青春映画も男性主体であることが多く、とくに下ネタありな青春映画は男の“お家芸”と化していました。いや、全く存在しないわけではなく、『初体験/リッジモント・ハイ』(1982年)とかあるんですけどね。でも「女性主体なんて売れないよ」と冷たい言葉を製作会社に浴びせられたクリエイターも普通にいたとか。
しかし、今は違います。そんな頭の固い時代価値観は使用済みタンポンと一緒に捨てました。
現在は、遅れてやってきた女子青春映画の花盛り。『スウィート17モンスター』(2016年)、『レディ・バード』(2017年)、『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(2018年)、『好きだった君へのラブレター』(2018年)、『Work It 輝けわたし!』(2020年)などなどこれまでの不足分を補うように怒涛の勢いで生み出されています。
そしてその中に新たな傑作が仲間入りすることに。それが本作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』です。
本作はとにかく公開時点で非常に批評家評価が高く、絶賛で埋まっていたのですが、実際のところ内容自体は普通なのです。わりとありきたりな青春映画。勉強ばかり頑張ってきた冴えない女子二人が、これじゃあ青春を台無しにしてしまうと急遽焦って頑張り始め、卒業前日に大はしゃぎする…というストーリー。世間的には女子版『スーパーバッド 童貞ウォーズ』と呼ばれていたり。女子がハメを外すという点では『ブロッカーズ』に近いですかね。
それがなぜこうも称賛で拍手喝采なのかと言えば、やっぱり王道ながらの総合的な完成度の高さなんだと思います。観ればわかりますけど、バカしかしてないのに鑑賞後は「ああ、良い映画だった!」という爽快感がある。ネチネチと嫌みばかりを抱えていた負の感情がどうでもよくなってきます。とくに本作は青春の闇としてありがちな、優劣をつけたり、誰かを卑下したりしないのがいいですね。
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の監督も大注目でした。女優として長年活躍し、最近も『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』や『リチャード・ジュエル』に出演していた“オリヴィア・ワイルド”。まだ若い彼女の監督デビュー作なのです。その初々しいデビューでいきなりこんな傑作をドーン!とお見舞いしてくるとは…。これは引っ張りだこになりますよ(実際にいろいろ声がかかっているみたいですけど)。
脚本を手がけた人たちも大事です。『ロマンティックじゃない?』脚本の“ケイティ・シルバーマン”、『バッド・スパイ』脚本の“スザンナ・フォーゲル”、ドラマ『グッドガールズ: 崖っぷちの女たち』脚本の“サラ・ハスキンス”と“エミリー・ハルパーン”。この女性4人です。正直、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』も米アカデミー脚本賞くらいノミネートされてもおかしくないと思うのですが…(英アカデミー賞では脚本賞にノミネートされました)。
映画を制作したのはまだ34歳の若さながら第一線で活躍する“ミーガン・エリソン”率いる「アンナプルナ・ピクチャーズ」です。
要するにこの女子率を見れば察せると思いますが、映画全体がこう、女たちがああだこうだと和気あいあい楽しく議論し合って作った感じなんですよね。だからこその多幸感なのかも。
あと忘れてはいけない俳優陣なのですが、そこは語り尽くせないので後半の感想で。もう最高です。
青春にどんな思い出があろうとも、この映画で鬱屈を吹き飛ばしませんか。
オススメ度のチェック
ひとり | ◯(元気をもらえる爽快感) |
友人 | ◎(親しい友達と観よう) |
恋人 | ◎(恋にも前向きになれる) |
キッズ | ◯(ティーンにはオススメ) |
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』感想(ネタバレあり)
急げ、青春は待ってくれない
モリーは今日も学校に登校します。朝、車で迎えに来てくれるのは唯一無二の大親友エイミーです。
でもこんな友達とのじゃれ合いも最後かもしれません。なぜなら明日は卒業式だから。
学校に到着すると生徒たちはそれはもういつも以上に大騒ぎでした。卒業前日というテンションが生徒たちのボルテージを上げまくっています。廊下で好き勝手に暴れまわり、モリーとエイミーはややあっけにとられて歩くのみ。
実はモリーもエイミーも勉学に集中するだけで、恋も遊びもあまりしてきませんでした。いや、それは正しい、あんな馬鹿な同年代とは一緒にはならない…そう自分たちの中で思ってきたのです。
エイミーには好きな人がいて、ライアンというクールな女子だったのですが遠目で見るだけでろくに会話もせずに卒業してしまいそうです。それを見かねてモリーは話しかけに行ってこいとせっつきますが、エイミーがライアンの前に行ってみるもたいして盛り上がらずに退散して帰ってきました。
そんな学校での日。モリーはトイレの個室にいると外にいた3人の男女の会話が聞こえてきました(ジェンダーフリートイレなのかな?)。明らかに名指しで自分の陰口を言われており、耐えるのもあれなので、個室から堂々と出ていきます。気まずい空気になっている3人を前に自分は優等生として素晴らしい進路を進むと豪語して勝ち誇ってみせると思わぬ返事が。「私もイェール、行くよ」「自分はスタンフォード」…立ち去る3人の後に残ったのは茫然自失のモリー。
いきなり起動したモリーは廊下中の生徒に進路を尋ね歩きます。誰もがなかなかに良い大学に行くようです。あんなにふざけまくっていた奴らまで…。じゃあ、今までの自分の努力は何だったのか。これでは馬鹿みたいに真面目に過ごしていただけじゃないか…。
学校が終わり、たそがれる二人。ショックを隠せないモリーは今からでも遅くはないと奮い立ちます。「明日卒業するんだよ」とエイミーはまともな反応をしますが、モリーはやる気です。そしてもちろん親友のエイミーは付き合うことにします。
チャンスは今日の夜。ニックがパーティーをするらしいからそこで充実した青春を過ごそう。そう考えて思い切ってオシャレして準備万端な二人。
しかし、パーティーする人間だと同級生に思われていないせいでそもそも招待すらされていないどころか、パーティー会場の場所すらわかりません。
いきなりの暗礁に乗り上げてしまった二人のチャレンジ。しょうがないのでクラスメイトのひとりでよく話しかけてくるジャレッドを利用することに。彼の車に連れられてパーティー会場へGO。ところが着いた場所はどうやらニックのパーティー会場ではない…。船の中で開かれているやけに空回りしているパーティールーム。中には奇行が多いジジがいて、海に飛び込んだりしているだけ。なんか想像していたのと違うけど、これでパーティーデビューしたことになるのか。
物足りなさを抱きつつ、その会場を後にした二人。いや、これではダメ。ちゃんとパーティーしよう。
もう帰ろうと言いだすエイミーに対して、頑なにニックのパーティーを諦めないモリーは「マララ」と宣言。これは二人だけの友達ルール。この合言葉を言ったら相手のお願いを聞かないといけません。渋々納得のエイミーと一緒に、パーティー突入の青春はまだ続行します。
とりあえずパーティー会場はどこだ!
この友情、ずっと見ていたい
『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の最大の魅力は何と言っても主役の二人です。
冒頭のあのよくわからないけど思い思いに踊り始める二人(早く学校行けよ!)。あの場面を見ただけで、「あ~この二人をずっと、永遠に観ていたい」という気分にさせられます。
モリーを演じたのは“ビーニー・フェルドスタイン”。『レディ・バード』でも親友ポジションで活躍していましたが、彼女はあの“ジョナ・ヒル”の妹。見れば見るほどそっくりですし、見た目だけでなく、ギャグの仕草も似ている気がする。年齢は27歳でティーンとは近くもないのですけど、全然違和感ないですね。
そのベストフレンドであるエイミーを演じるのは“ケイトリン・ディーヴァー”で、ここ最近だとやはりドラマ『アンビリーバブル たった1つの真実』での演技が文句なしに素晴らしく、ゴールデングローブ賞でも主演女優賞にノミネートされていました。あちらの作品はレイプ被害を受けた主人公をひたすらに熱演し、とても息苦しいツラい作品だったので、この『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』でのハジケっぷりになんか救われました。
この二人の相性がもう抜群。どうやら撮影前に事前に10週間もの期間、ルームメイトとして過ごしたらしく、どおりで本物の親友同士に見えるわけです。
本作の原題は「Booksmart」。つまり本ばかり読んでその知識だけで振る舞うような人を指す言葉らしいですけど、このモリーとエイミーはいわゆるステレオタイプな“がり勉”とも違います。明確な人生目標(最高裁判事になる!とか)もありますし、恋心だって実際は抱えています。
ちなみに作中では“ビーニー・フェルドスタイン”演じるモリーがストレート(異性愛者)で、“ケイトリン・ディーヴァー”演じるエイミーがレズビアン(同性愛者)なのですけど、実際の俳優では“ビーニー・フェルドスタイン”の方がクィアを自認しているんですよね。この逆転も結果的に演技に上手く活かされたんじゃないかなと思います。つまり、当事者だからこそ異性愛者が同性愛者にどう接するのか、その良い例も悪い例もわかっているわけで。本作ではエイミーの同性愛の件はフラットに受け入れられていますからね。そのなんてことない感じを出せるのはやはり“ビーニー・フェルドスタイン”が当事者としてよく理解しているからではないでしょうか。
まあ、それはともかくあの二人のじゃれ合いに話を戻しましょう。二人とも勉強一筋だけど内心ではやっぱり楽しみたい。それが爆発していく感じが微笑ましいです。その中でも互いを褒め合うことを忘れない姿がとくに良くて。服を褒め合い、下ネタも言い合い、弱音を吐けば叱咤激励し、口論になってもやっぱり見捨てない。ブロマンスならぬウーマンスの良き光景です。
『バッド・スパイ』の感想でも書きましたけど、世の中には「女の友情は成り立たない」と平然と言い放つ意見も図々しく存在しており、本当にふざけるなとしか言えない戯言ですが、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は見事にそんな愚論を轢き殺しましたね。
ホープはまさに希望だった
そしてこの主役の二人以外の子どもたちもどれも最高に良い奴らばかりなのがまたたまらないわけです。というか、あの学校はなんなんだ、クセ強すぎじゃないか。
まず強烈に印象に残るであろうジジ。裕福なのかはわからないですけど、ゴージャスな登場をしたかと思えば、かなりダサい姿を見せまくる、残念セレブ。たぶんあの学校で一番浮いているのはジジなのではないだろうか…。
そのジジを演じたのがあの“キャリー・フィッシャー”の娘である“ビリー・ラード”なんですよ。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』からの新世代3部作にもちょこっと出ていましたが、今作ではなんだか往年の“キャリー・フィッシャー”がぶっ壊れた演技を見せていた時代を彷彿とさせる…。よかった、ライトセーバー振り回してなくて…。
ミステリーマーダーパーティーを開催し始める変人ジョージを演じた“ノア・ガルヴィン”も最高に意味わからん状態だし、やたら楽しそうに廊下で滑っていたタナーを演じた“ニコ・ヒラガ”(本人がスケートボーダーだそうです)も印象的だし、なんか全員が主人公になれる勢い。
とにかくこの『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』がいいなと思うのは、スクールカーストなんていう古臭い概念で生徒を区分するのをやめて、すごく多様な存在感を肯定していることです。リア充だなんだと言うけれど、みんな悩んでみんな楽しもうとしている、それだけじゃないか、と。
そんな中である種の裏主人公的な立ち位置を持つホープという女子。演じているのは“ダイアナ・シルヴァーズ”で、最近だと『マー サイコパスの狂気の地下室』とかドラマ『スペース・フォース』に出ているので気になった方はチェックです。
彼女は最終的にエイミーとお近づきになって、ちょっとゲロを吐かれましたけども、なんだかんだで仲良くなります。おそらくホープも学校内で少し充実さを感じることができず内心では焦っていたのでしょうね。
確かにあの学校は雰囲気から察するにリベラルでLGBTQへの偏見もほぼない平等に見える環境です。でも、そんな空間でもやっぱり場を仕切るのは異性愛者だったりする。だからちょっと同性愛者としては肩身が狭かったり、ましてや口下手だったりすると余計に輪に加われない。そういうことって当事者ならよくわかると思うのです。きっとホープはそれを共有できる友達もおらず、孤立していたのでしょうから。
また、ホープとのいわば3人の関係になった時、モリーが純粋にエイミーとホープの関係を応援してくれるのがまた良くて。古くはレズビアンと言えば女社会を乱す者として敵視されてきましたからね。『ブロッカーズ』も同じでしたけど、女の友情の中にレズビアンを受け入れることの大切さ…もっと描いていってほしいものです。
キャラとギャグだけではない
そんなキャラクター映画的なおバカ映画の雰囲気を持つ『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』ですが、それも一面的には事実なのですけど、映画としてかなり上質に作られているのも意外でした。コメディだからキャラとギャグだけでいいや…とはなっていないというか、映像や音楽に至るまできめ細かくセンスが行き渡っていました。
例えば、本作は静と動のメリハリが良くて、ストーリーの流れのアップテンポが激しいです。基本はパーティー会場をはしごするかたちで物語が進行するのですが、移動中の車内のシーンは基本は静か。笑っちゃうくらいに冷めきっている状態にもなります。そしてパーティー会場につくたび上がり始めます。
あの最初の船はそれほどでもないのですが、ジョージのミステリーパーティーでのドラッグによるトリップでの人形化とか、ぶっ飛びまくり。人形だからいいだろうのノリでセクシャルなことしまくっているのが本当にバカ全開。
そしていよいよニックのパーティー。あそこはわざと王道な青春映画的な撮り方をしていますよね。とくにエイミーがプールに潜るシーン。すごく青春映画のカタルシスが解放されている感じです。が、そこでエイミーが見たもの。それは自分の好きな女子が男子とイチャついている現場。これ、もっと当事者目線で語るならば、同性愛者にとって一番見たくないものは「異性愛」なわけです。さらにメタ的に言うならば、それは従来の青春映画の王道。それを見せつけられてしまったときの失望。充実したいと望んで頑張ったけど、やっぱりそこに待っているのはベタな異性愛なのかという絶望。エイミーのような同性愛者にとって本当にツラいシーンです。その後に出会うのがホープ(hope)というのも意味深いですけどね。
さらに二人が本当に意味で解放されたとき、それは自分で車を暴走させるという主体的な行動とともにフルスロットルで描かれる。この展開も上手いですね。
それら見せ方の上手さ含め、撮影の“ジェイソン・マコーミック”の腕が凄かったなと思います。なんでも『Shovel Buddies』(2016)や『Lemon』(2017)など小規模作で仕事している人らしく、私もあまり知らないのですけど。音楽の“ダン・ジ・オートメイター”も良い仕事だったなぁ…。音楽で思い出しましたけど、作中でエイミーが手にしている楽器は「オートハープ」と言って、“ケイトリン・ディーヴァー”本人が弾けるのでそのまま取り入れたらしいです。
もちろん“オリヴィア・ワイルド”監督の手腕もね…青春を描くのが上手いのはほんと才能ですよね。
他にも語りたい部分は山ほどあれど、ラストの湿っぽい雰囲気を吹き飛ばすあの二人のまだまだ終わらないおふざけ。こっちもまだあの二人を観ていたいですよ。『ブックスマート2 大学編』、作ってくれないかな…。
何より女性主体の等身大青春映画がもっと増えるといいですね。日本は女性主体の青春映画が昔からあるように見えますけど、たいていはアイドル映画だったり、アニメだったら“萌え”とセットだったりするばかりで、等身大の作品はなかなか少ないです(ましてや女性主体で製作されたものなんて…)。世界に「これが私たちだ!」という女子の青春を見せつけないといけませんね。
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 97% Audience 77%
IMDb
7.2 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
星 8/10 ★★★★★★★★
作品ポスター・画像 (C)2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
以上、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の感想でした。
Booksmart (2019) [Japanese Review] 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』考察・評価レビュー