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映画『ゼイ・ウィル・キル・ユー』感想(ネタバレ)…フー・ファック・アー・ユー!?

ゼイ・ウィル・キル・ユー
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死ぬのはお前だ!…映画『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:They Will Kill You
製作国:アメリカ(2026年)
日本公開日:2026年5月8日
監督:キリル・ソコロフ
児童虐待描写 ゴア描写
ゼイ・ウィル・キル・ユー

ぜいうぃるきるゆー
『ゼイ・ウィル・キル・ユー』のポスター

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』物語 簡単紹介

ニューヨークのマンハッタンに建つ富裕層が暮らすという高級マンション。多くのメイドが住人たちの生活を整えるべく日々働いているが、そこに新しいメイドがひとりやってくる。しかし、部屋に案内されたときから妙な視線を感じ、落ち着くことができない。実はその歴史あるマンションには恐ろしい裏の顔があり、内部を知る者しかその真相は知らなかった。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の感想です。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』感想(ネタバレなし)

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ザジー・ビーツ待望の主演作

俳優にとって主演作を得るのはやっぱり特別な出来事。俳優を初めてすぐに小規模な映画であろうと主演作に巡り合える人もいれば、何年俳優をやり続けても主演以外の役ばかりになる人もいる…。

ドイツ出身でニューヨーク・シティ育ちの“ザジー・ビーツ”は、後者の俳優キャリアを歩むことになりました。

ウェイトレスとして働いていたらしいのですが、2016年からのドラマ『アトランタ』に抜擢されて、一気に俳優の道を躍進。2018年には大作ヒーロー映画『デッドプール2』でも目立つサイド・キャラクターを熱演し、存在感を高めます。

ところが主演作はない…。いろいろな映画に起用はされるのに、主演ではない…。良い演技をするし、印象的な俳優なのに、運がないのか…(『デッドプール2』では常に幸運のキャラを演じたのに!)。

しかし、そんな不遇はもう終わり。34歳になった2026年、ついに“ザジー・ビーツ”の単独主演作が公開されました。

それが本作『ゼイ・ウィル・キル・ユー』

本作は“ザジー・ビーツ”演じる主人公が、とある不気味なマンションで、次から次へと襲ってくる恐怖の敵を容赦なく蹴散らしていかないといけない状況になる血みどろ残酷ホラーアクションです。人体切断などゴア描写も満載で、血も景気よくドバドバ噴き出ています。

一応はホラーでもあるのですが、終始ユーモア満載で演出されているので、笑って眺められる残酷さです。正真正銘、潔く楽しい残酷エンターテインメント・エクスプロイテーションですね。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』を監督するのは、2018年に『とっととくたばれ』で監督デビューしたばかりのロシアの“キリル・ソコロフ”。このままハリウッドでキャリアを築いていくのでしょうか。

製作には『IT イット』シリーズを手がけた“アンディ・ムスキエティ”も名を連ねています。

“ザジー・ビーツ”と共演するのは、ドラマ『インダストリー』で鮮烈な存在感を放った“マイハラ”、ドラマ『セヴェランス』“パトリシア・アークエット”、ドラマ『原潜ヴィジル 水面下の陰謀』“パターソン・ジョセフ”『ハリー・ポッター』シリーズの「ドラコ・マルフォイ」役でおなじみの“トム・フェルトン”『ウォンテッド・タウン:贖いの銃声』“ヘザー・グラハム”など。

頭をバカになるまで空っぽ状態にしましょう。気楽に鑑賞してストレスを吹き飛ばすにはちょうどいい『ゼイ・ウィル・キル・ユー』です。

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『ゼイ・ウィル・キル・ユー』を観る前のQ&A

✔『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の見どころ
★痛快な血みどろアクションの連続。
✔『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の欠点
☆殺して解決なので、それ以上のテーマはありません。

鑑賞の案内チェック

基本 児童虐待を示唆する人物が映ります。
キッズ 2.0
残酷な暴力の描写が多いです。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

土砂降りの夜、エイジアマリアの子ども姉妹は小さな店に小走りで入って、一旦落ち着くことにします。実は2人は父親の虐待から逃げ出してきたのでした。幼いマリアはまだどこかそわそわしていますが、エイジアは手を握り、自分の左腕のタトゥーをみせて落ち着かせます。

そのとき、マリアはある男に気づきます。今まさに店に現れたのは父でした。父はゆっくり歩きながら、「私たちは家族だ」と言葉をかけます。もうこの店に子どもたちがいることに気づいています。

隙をみて外へ走り出す姉妹でしたが、車に進路をふさがれ、逃げ場なし。エイジアは父に拳銃を向けます。そして向かってきたので思わず発砲。父は倒れますが、致命傷ではありません。

地面に這いつくばる父はマリアの足を掴み、放しません。その場に騒ぎを知ってパトカーも駆けつけ、追い詰められたエイジアはひとりでその場を逃げることにします。一目散に、妹を放置して…。

10年後、エイジアはニューヨークのマンハッタンに建つ高級マンション「バージル」の前に、またも土砂降りの中に立っていました。その建物は凝った装飾が壁に施されており、禍々しいです。

インターホンを鳴らし、「ここに新しく来たメイドです」とにこやかな表情を作って中へ入ります。イザベルという名で、身分を偽りつつ…。

中は落ち着いており、廊下では確かに多くのメイドたちがせっせと働いていました。おそろいの黄色い制服のメイドが揃って食事している和やかな部屋も目にします。

そして自分の部屋に案内されます。普通の部屋でした。エイジアは荷物をクローゼットにしまい、とりあえずシャワーに入ります。

シャワーからあがり、ふと部屋の壁にある通気口が気になります。ライターで照らすと中に誰かいるような気配が…。

廊下に出ると全く人がおらず、電気が消えて真っ暗になったかと思えば、わずかに照らされる程度の明るさになります。いきなり不気味になってしまいました。

そこでドアを塞ぎ、ベッドに座り、何が起きるのかを静かに見守ります。結局、何も起きず、眠りについてしまいました。

ところが寝静まり返った夜中、ドアノブがガチャガチャと動き、冷蔵庫が動き、フードを被った人物がエイジアの足を舐めます。

エイジアは気配を感じて飛び起きますが、誰もいません。ベッドの下も確認。そのとき、背後から謎の人物が口を塞いできます

必死に抵抗してその謎の人物を気絶させますが、今度は通気口から別の人物が出現。冷蔵庫の裏からもまた現れます。エイジアは床を這うも気を失います。

そして、侵入者たちが正体を現しますが…。

この『ゼイ・ウィル・キル・ユー』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2026/05/09に更新されています。

ここから『ゼイ・ウィル・キル・ユー』のネタバレありの感想本文です。

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敵は不死のアホ!?

“キリル・ソコロフ”監督の前作である『とっととくたばれ』は、殺意だけはあるが勢い任せすぎる主人公が、居住建物内という限定的な空間で、憎き相手に血みどろの殺傷行為をやりまくる…雑に言ってしまうとそういうコンセプトでした。

どこぞのスパイや殺し屋とは違って、戦闘は洗練されていませんし、手慣れているわけでもありません。ただ「殺してやる!」という突発的な感情だけが動力です。

面白いのは、相手側も洗練されていないんですよ。暴力的なことはするにはするのだけど、どうも完璧とは言い難い…。だから戦えば戦うほどにグタグタになっていくんですね。そこがまた“キリル・ソコロフ”監督の持ち味のシュールなブラックユーモアになっています。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』もそのコンセプトのままに、スケールを着実にアップさせてきました。“キリル・ソコロフ”監督の得意とするところを磨きをかけました!という感じです。

タイトル挿入が窓のくもりで浮かび上がる文字というのでまず好印象。

マンション「バージル」の部屋から本格的なアクションはスタート。クローゼットからババーン!と戦闘モードに変身するのが、わざとらしいほどに大袈裟で、そこがこの映画の味。戦いは洗練されていないと言ったけど、クローゼットの中から間髪入れずに相手の首を斬り落とせるの…偶然かもしれないですが、この主人公の殺気はやはり只者じゃない…。

とりあえず敵をほぼ全滅させますが、ここからこの『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の本番。敵は悪魔によってみんな不死の存在になっていた…! こうなってくるとアホな敵でも面倒だぞ…と、難易度が大幅に上昇します。

この「敵は倒しても蘇る」という設定ゆえに、今作はビデオゲームの攻略プレイと雰囲気が似ています。『ザ・プリンセス』と同じで、次々とわらわら湧いてくる敵をその場のアイテムとスキルでなぎ倒し、ステージをどんどん踏破していくアクションです。とてもニューヨークには見えない世界も、ゲームっぽいご愛敬で…。

燃える斧で倒しまくっていくシーンは、パワーアップ武器で爽快に突き進むプレイ感覚ですね。なんだかインド映画みたいだなとも思ったけど…。

威勢のいいアクションばかりではありません。急にかくれんぼが始まったかと思えば、頭部のない身体がハイハイで追ってきたり…。痛々しいゴア描写に目をつむれば、ほぼ限りなく馬鹿々々しい漫才です。

眼球がぴょんぴょん追跡してくるシーンは、私も好き。眼球の動ける限界に挑戦している…。

でも観ていくうちに思いましたよ。あれ、このマンションの奴ら、どんな悪いこと、してたんだっけ?…と。だんだん敵側が可哀想になってくる…。「お前は誰だ?」と主人公の存在に当惑するのも無理ない…。悪魔に生贄を捧げて不死になってるくせに、不死になってやりたいことが全然ないような連中だし…。ほんと、行き当たりばったりなんだろうな…。

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おい! この豚!

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の終盤のラストバトルは、やけくそ度合いが臨界点を突破。豚の頭! それを人体に合体! さあ、ついてこれる奴だけがかかってこい! ツッコみはいらんぞ!…というハイテンション。

ここでも私は思いましたよ。「あ…この悪魔自身もアホなんだな…」って…。

だって豚頭に人間の胴体は一番弱そうな組み合わせじゃないか…。ゲームで言ったら、序盤のチュートリアル・ボスだよ…。

アホっぽさと言えば、主役のエイジアとマリアの姉妹もです。一応、エイジアは「妹のマリアを救う!」というやる気でこのマンションに足を踏み入れるのですけど、当のマリアとは微妙にすれ違っていて…。

その姉妹のすれ違いを、根深い対立としてシリアスに描くつもりは本作にはなく、「え? あ…あれ?」みたいな困惑で気まずい空気を漂わせつつ、「別にここまで来たんだからとにかく連れ出すぞ」の精神でやっぱり突き進むという…。

カルトに洗脳されているわけでもない、「衣食住があるだけここはマシだと思った」というモノ悲しい貧困ゆえの心情を、ユーモアとして味つけにする程度なのですが、真面目にテーマにしないあたりは“キリル・ソコロフ”監督の良い開き直りのかもしれないです。

さすがにあの序盤にでてきた父親の件があっさり済んでいるのはびっくりですけども、あそこを追及すると前作と同じになるし、これは前作あっての省略ギャグみたいなものですかね。

私が見逃しているだけかもですが、エイジアとマリアはあのラストの後は完全に自由の身なんだろうか…。もしかしたら別の悪魔の勢力に利用されている裏があって、これからひたすらに悪魔ハンターの道に突き進むことになるのだろうか…。『チェンソーマン』みたいにリクルートされるの…?

血みどろな主演作を盛大にゲットした“ザジー・ビーツ”には似合う映画だったのでOKです。“ザジー・ビーツ”いわく、アクションよりも雨のシーンの寒さが一番に大変だったとインタビューで言っていて、「映画ではどんなに肉体的に疲労感のあるシーンよりも、突っ立って雨に打たれるシーンが最もキツイ撮影の定番」というのがやっぱり再確認できる一作でもありました。

『ゼイ・ウィル・キル・ユー』
シネマンドレイクの個人的評価
6.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)

以上、『ゼイ・ウィル・キル・ユー』の感想でした。

作品ポスター・画像 (C)2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved ゼイウィルキルユー

They Will Kill You (2026) [Japanese Review] 『ゼイ・ウィル・キル・ユー』考察・評価レビュー
#アメリカ映画2026年 #キリルソコロフ #ザジービーツ #パトリシアアークエット #姉妹 #悪魔