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2024年の世界と日本の映画興行収入トップ10を振り返る

シネマンドレイク

この記事は、世界と日本のその1年の劇場公開映画の興行収入トップ10を振り返り、私がその所感をただ書き連ねるだけの場所です。

今回は「2024年」。令和6年ですね。

世界と日本の映画興行収入トップ10【2024年】

ではさっそく世界と日本国内にて2024年に映画興行収入トップ10となった作品をそれぞれ整理します。

世界については「Box Office Mojo」、日本については「日本映画製作者連盟(映連)」が発表しているデータに基づいています。

世界

  1. 『インサイド・ヘッド2』$1,698,863,816
  2. 『デッドプール&ウルヴァリン』$1,338,073,645
  3. 『モアナと伝説の海2』$1,059,242,164
  4. 『怪盗グルーのミニオン超変身』$972,021,410
  5. 『ウィキッド ふたりの魔女』$756,443,397
  6. 『ライオン・キング:ムファサ』$722,631,756
  7. 『デューン 砂の惑星 PART2』$714,844,358
  8. 『ゴジラ×コング 新たなる帝国』$572,050,016
  9. 『カンフー・パンダ4 伝説のマスター降臨』$547,946,428
  10. 『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』$492,162,604

日本国内

  1. 『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』158億円
  2. 『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』116.4億円
  3. 『キングダム 大将軍の帰還』80.3億円
  4. 『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』63.2億円
  5. 『ラストマイル』59.6億円
  6. 『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』53.8億円
  7. 『インサイド・ヘッド2』53.6億円
  8. 『変な家』50.7億円
  9. 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』45.4億円
  10. 『怪盗グルーのミニオン超変身』45.3億円

2024年を振り返る

2024年における世界の1位は『インサイド・ヘッド2』で約16億9800万ドルでした。これは2590億円以上に相当します。2位は『デッドプール&ウルヴァリン』(約13億3800万ドル)、3位は『モアナと伝説の海2』(約10億5900万ドル)。10億ドルの大台を超えたのはこの3作です。そして3作ともディズニーの配給であり、2024年はディズニーの大勝ち状態でした

とくに『インサイド・ヘッド2』は歴代アニメーション映画史上ナンバーワンの興収に輝き、記録を更新しました。『デッドプール&ウルヴァリン』も、失速していると近年はなんだかんだで言われがちだったアメコミ・スーパーヒーロー映画の底力をみせました。

全体的に続編モノが多くランキングに入り、前作よりも興行収入を上昇させた映画が目立ちます。例えば、『インサイド・ヘッド2』(約8億5800万ドル⇒約16億9800万ドル;伸び率は約97.9%)、『デッドプール&ウルヴァリン』(約7億8500万ドル⇒約13億3800万ドル;伸び率は約70.4%)、『モアナと伝説の海2』(約6億8700万ドル⇒約10億5900万ドル;伸び率は約54.1%)、『デューン 砂の惑星 PART2』(約4億1100万ドル⇒約7億1400万ドル;伸び率は約73.7%)、『ゴジラ×コング 新たなる帝国』(約4億7000万ドル⇒約5億7200万ドル)、『カンフー・パンダ4 伝説のマスター降臨』(約5億2100万ドル⇒約5億4700万ドル)、『ソニック×シャドウ TOKYO MISSION』(約4億500万ドル⇒約4億9200万ドル)といった感じ。

中でもやはり『インサイド・ヘッド2』の伸び率は突出しています。前作はオリジナルの1作目だったのでその公開からここに至るまでしっかりファンを獲得したのでしょう。

前作より興収が下がったのは『怪盗グルーのミニオン超変身』(約10億3400万ドル⇒約9億7200万ドル)、『ライオン・キング:ムファサ』(約16億5700万ドル⇒約7億2200万ドル)の2作のみです。「ミニオン」人気はピークから下降に入り始めたのでしょうか。

これはいかにフランチャイズが人気かを如実に示しています。コロナ禍の後の映画業界を復活させたのはやはりフランチャイズでした。

そんな中、『ウィキッド ふたりの魔女』は新顔のフランチャイズとしての唯一の輝かしいデビューを果たしました。『ウィキッド ふたりの魔女』は他のトップ10作とは毛色が違っていて、世界興収の約62%がアメリカのものです(アメリカの興収ランキングだと3位に浮上します)。つまり、アメリカ以外の国々でまだまだ興収を伸ばせる余地があり、知名度の上昇にともなって今後の続編の記録が注目されます。

世界の興行収入トップ10がアメリカの興行収入トップ10と顔触れが一致しているわけではありません。例えば、アメリカの興行収入トップ10には、『ゴジラ×コング 新たなる帝国』と『カンフー・パンダ4 伝説のマスター降臨』がランク外となり、代わりに『ビートルジュース ビートルジュース』(アメリカで6位)と『ツイスターズ』(アメリカで8位)が加わっています。

ともかくフランチャイズが全勝してランキングを埋めており、オリジナルの新作が入る隙がありません。そしてどれもアメリカの大手ハリウッド企業による作品ばかりでした。ダークホース不在で、大手が総取りなのは寂しいです。

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日本では、2024年における1位は『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の約158億円。これは誰もが予想できた結果です。『名探偵コナン』の劇場版の国内の人気は盤石かつ不動であり、いまだに成長中のフランチャイズです。

2位の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』、4位の『劇場版 SPY×FAMILY CODE:White』、6位の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』と、相変わらず日本アニメの人気は集客力は圧倒的であり、この傾向はもう完全に固定化したように思います。

日本アニメもまたフランチャイズ頼みですが、旧作に依存せず、比較的新規のタイトルの映画も勢いがあり、フランチャイズに不足することはなさそうです。日本アニメ映画の場合はリピーターをどれだけ獲得できるかで、興行収入の伸びしろが違ってくるので、これらのランクインした映画はそれを達成できた作品とも言えます。

実写の邦画は、映画館映えする大作として恒例の存在感を獲得した『キングダム 大将軍の帰還』、ドラマの世界観を拡張した『ラストマイル』、国産ホラー映画のその年の顔となった『変な家』、「泣ける」売り文句でのその年の成功者となった『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』と、立ち位置のばらけた作品がランクイン。『キングダム』シリーズは毎度集客力が強力で、上がり続けています。

対する洋画は、『インサイド・ヘッド2』『怪盗グルーのミニオン超変身』というファミリー向けのアニメーション映画がかろうじて残ったのみで、やはり日本国内の洋画の存在感は薄いままです。

日本も世界と同じでオリジナル作の影が薄いのが寂しいところです。2024年は有名監督のオリジナル・アニメーション映画も目立たなかったのがこの結果に繋がったという感じでしょうか。

また、日本ではトップ10の映画のうち6作が「東宝」の配給であり、東宝という巨大エンターテインメント企業が日本の映画界を寡占していることをまざまざとみせつけています。これはハリウッド以上に一社の寡占が進んでしまっており、日本映画界の将来の不安要素でもあるでしょう。


以上、2024年の世界と日本の映画興行収入トップ10でした。

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雑談
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シネマンドレイク

ライター(まだ雑草)。LGBTQ+で連帯中。その視点で映画やドラマなどの作品の感想を書くことも。得意なテーマは、映画全般、ジェンダー、セクシュアリティ、自然環境、野生動物など。

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