この記事は、世界と日本のその1年の劇場公開映画の興行収入トップ10を振り返り、私がその所感をただ書き連ねるだけの場所です。
今回は「2025年」。令和7年ですね。
なお、前年の2024年の記事は以下のとおりです。
世界と日本の映画興行収入トップ10【2025年】
ではさっそく世界と日本国内にて2025年に映画興行収入トップ10となった作品をそれぞれ整理します。
世界については「Box Office Mojo」、日本については「日本映画製作者連盟(映連)」が発表しているデータに基づいています。
世界
- 『ナタ 魔童の大暴れ』$2,259,822,417
- 『ズートピア2』$1,859,994,856
- 『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』$1,481,228,106
- 『リロ&スティッチ』$1,038,027,526
- 『マインクラフト ザ・ムービー』$961,187,780
- 『ジュラシック・ワールド 復活の大地』$869,146,189
- 『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』$733,530,981
- 『ヒックとドラゴン』$636,590,030
- 『F1 エフワン』$633,342,436
- 『スーパーマン』$624,323,803
日本国内
- 『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』391.4億円
- 『国宝』195.5億円
- 『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』147.4億円
- 『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』104.3億円
- 『はたらく細胞』63.6億円 ※
- 『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』52.9億円
- 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』52.8億円
- 『8番出口』51.7億円
- 『モアナと伝説の海2』51.7億円(↑同率8位)※
- 『ジュラシック・ワールド 復活の大地』49億円
※ 日本では2024年12月公開作。
2025年を振り返る
2025年の世界の映画興行収入のトップ10はかつてない大激変が起きました。それもこれも1位に輝いたこの映画が理由です。それが中国のCGアニメーション映画『ナタ 魔童の大暴れ』。確かに最近は中国映画がポツポツと世界の映画興収ランキングに食い込む事例がいくつかありましたけど、今回の『ナタ 魔童の大暴れ』はとにかくぶっちぎりで、約22億5900万ドル(約3320億円)です(これは現時点で歴代5位の記録です)。
個別の感想記事でもその凄さを軽く説明したのですが、『ナタ 魔童の大暴れ』はその世界興収の約98%を中国本国で記録しているということを特筆しないわけにはいきません。要するに世界の興収ランキングでトップに輝くのに全世界的にヒットする必要は全くなく、中国市場だけでこの桁外れの記録を達成できてしまうという現実。あらためて中国の映画市場のバカでかさを実感します…。
ということで『ナタ 魔童の大暴れ』は2025年のダントツの興収トップですが、中国以外の国では「何それ?」状態です。
なお、世界の7位には日本のアニメーション映画である『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が食い込み、こちらもじゅうぶんに凄いのですが、『ナタ 魔童の大暴れ』の存在感で霞んでいるところはあります。でも『鬼滅の刃』のほうは全体興収のうち日本が占めるのは約34%なので世界各国で観られてはいます(割合としては、アメリカは約18%、中国は約13%、韓国は約5%、台湾は約3%、メキシコは約2.5%、ドイツは約2%…と続く)。日本の高市首相が中国を挑発する発言をしたことで中国が日本映画の公開・宣伝を自粛したため、それがなければもっと興収は上がっていたと思います。ともあれ、『鬼滅の刃』フランチャイズの世界的な人気の高さがわかりますね。
ちなみに、『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は世界で31位、『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』は32位となっています。
それ以外については世界の映画興収ランキングはいつもどおりです。ディズニーが上位3作品を独占し、フランチャイズや続編モノが圧倒的に観客を集めました。
ディズニーは、『ズートピア2』(約10億2500万ドル⇒約18億5900万ドル;伸び率は約81.3%)でフランチャイズを爆成長させ、『リロ&スティッチ』という新しい実写のカネのなる木を獲得。
一方で『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』(約23億3400万ドル⇒約14億8100万ドル)、『ジュラシック・ワールド 復活の大地』(約10億400万ドル⇒約8億6900万ドル)は、減退傾向にあり、シリーズの行く末が気になるところ。
アメコミ・ヒーローものとしてはDCの『スーパーマン』がかろうじてトップ10にしがみつきましたが、これをジャンルの衰退と呼ぶのは早計。なにせ2026年はビッグ・タイトルがスタンバイしてますからね。
新顔のフランチャイズとしては、『マインクラフト ザ・ムービー』と『ヒックとドラゴン』が今後の大ヒットランナーになるのか。いずれも続編は確実です。
ただ、最大のニューフェイスはおそらく『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』だったんじゃないかなと思います。もしこの2025年に社会現象になった映画がNetflix独占配信オンリーではなく、劇場公開されていたら、10億ドルは超えていたんじゃないかな…。前年の話題作の続編『ウィキッド 永遠の約束』が2025年は勢いが落ちたのは、音楽面といい、この『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』にムーブメントをかっさらわれたのが原因な感じもする…。
2026年はまだ「ワーナー・ブラザース」が「パラマウント・スカイダンス」に買収された影響はでないと思いますが、劇場公開作品数は減り、「儲かる映画」重視は強まるでしょう。
・・・
日本では、2025年における1位は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』。これは誰もが予想できた結果です。2026年3月時点でまだ劇場公開を続けていて、たぶん配給側は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の約407.5億円の記録を超えさせたい魂胆なのでしょうけど…(2020年の平均入場料金は1350円で、2025年は1454円なので、物価上昇を加味すると、今回の『鬼滅の刃』新作は前作より客入りは減っているのだとは思われますが…)。日本の近年のアニメ映画の興収爆増記録の連発は、こうした贔屓されまくりの大接待な長い公開期間と、ファンの推し鑑賞を刺激しまくる宣伝戦略の結果だと言えるでしょう。
ともあれこのままいけば、日本の歴代興収ランキングは、『鬼滅の刃』の映画群で上位を全部埋め尽くされるのはほぼ確実ですね。
ここまでは予想の範疇。しかし、2位は「どうせコナンでしょ…」と思っていたら、まさかの2025年のダークホース枠が登壇。それが『国宝』でした。フランチャイズでも何でもないオリジナル映画でこれほどの大躍進は異例でした。バズると3時間近い映画でもこんなに客を集める…今の日本市場はたまにこういうのがあるから予想つきません。でもこれが今後も続発するとは考えないほうがいいでしょうけども…。
2025年に存在感を発揮した『劇場版 チェンソーマン レゼ篇』は『鬼滅の刃』と比べると大人向けでマニア度の濃い作品ですが、今後の新作もこれくらいの興収で推移するか、伸びるか…(なんとなく『エヴァンゲリオン』と同等の集客性質がある気がする…)。
『はたらく細胞』や『劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』ともともと人気作の映画化は売れるのは当然として、『8番出口』の成功は企画の幅を広げそうです。
洋画だと、日本の客層はハリウッドのやや昔の定番のタイトルを好む傾向がハッキリでており、トム・クルーズはやっぱり日本でも人気なのか、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』であったり、しっかり『ジュラシック・ワールド 復活の大地』はランクインしたり、意外性はありません。
『モアナと伝説の海2』の食い込みも近年の日本の好みが現れており、日本では最近のディズニー・プリンセス・アニメーションも若者層の間で定着しているのがわかります。これはテーマパーク人気などの相乗効果な感じもしますが…。
ちなみに『ズートピア2』は日本では2025年12月公開なので、今回はランクインしていませんが、2026年のランキングに顔をみせるでしょう。
2025年日本のトップ10の映画のうち8作が「東宝」系列の配給であり、東宝という巨大エンターテインメント企業の日本の映画界の寡占がさらに数字にでました。しかも、2025年を最後に「ワーナー・ブラザース」が日本配給事業を撤退させ、「東宝」系列に取り込まれたので、もうこれは我が物顔ができる「東宝」独占状態です(日本は映画界が儲かっているのではなく、東宝が儲かっていると言える状況)。日本は国会も映画界も一強支配の時代なんですね…。弱い立場の者が強者に逆らえなくなる空気が蔓延するので、これは良いことではないですが…。
以上、2025年の世界と日本の映画興行収入トップ10でした。
・・・
「2025年」に関連する特集記事の一覧です。
・2025年のLGBTQ映画&ドラマを振り返る
・シネマンドレイクが選ぶ「2025年 映画&ドラマシリーズ ベスト10」
#興行収入



