2025年の映画&ドラマをLGBTQの視点で振り返る
お疲れ様でした、2025年!
2025年も終了です。LGBTQを題材にした映画やドラマ、皆さんはどれくらい観ましたか? お気に入りに出会えるとなんだか嬉しくなりますよね。
この記事では2025年に公開・配信されたLGBTQ(セクシュアル・マイノリティ)のキャラクターが登場する映画やドラマをピックアップしながら、私なりの視点ではありますが、この1年を振り返りたいと思います。
もちろん全てのLGBTQ作品を網羅はできませんので、そこはご了承ください。基本は日本での公開・配信を前提にして整理しています。

「この作品は私のイチオシだった」「こんな作品は知らなかったぞ」とか、そんな感じで気軽に読んでみてください。
なお、前年となる2024年の記事は以下のとおりです。
ゲイ&レズビアン(同性愛)
2025年も同性愛者のキャラクターが登場する作品はいくつもありましたが、主人公だったり、脇役だったり、ハッキリ描いているものもあれば、そうでないものもあったり、その表象は幅がありますが…。
男性同士の恋愛を描くゲイ表象であれば、ドラマでは『ファンタスマス』、『オレたちブーツ』、『エトワール』、『ザ・レジデンス』、『チャド・パワーズ 人生コンバート大作戦』、『I LOVE LA』、『Settle Down』、『セヴェランス』(シーズン2)、『パーム・ロワイヤル』(シーズン2)、『イングリッシュ・ティーチャー』(シーズン2)、 『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(シーズン5)、『ジェムストーン家の敬虔なる私生活』(シーズン4)、『ポーカー・フェイス』(シーズン2)、『9-1-1: LA救命最前線』(シーズン8)、『9-1-1: LONE STAR』(シーズン5)、『ナインパズル』、『大都会の愛し方 ~Love in the Big City~』など。
先住民の文化とともに描き出したドラマ『チーフ・オブ・ウォー』も、小さな表象ではあっても大切だったのではないでしょうか。
映画では『クィア QUEER』、『FEMME フェム』、『ブラザーズ・ラブ』、『アンジェントルメン』、『オールド・ガード2』、『コンパニオン』、『WEAPONS ウェポンズ』、『ディックス!! ザ・ミュージカル』、『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』、『アナザー・シンプル・フェイバー』、 『ナイブズ・アウト ウェイク・アップ・デッドマン』、『LOVE』、『ミゼリコルディア』、『脱走』、『ベ・ラ・ミ 気になるあなた』、『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』など。
レズビアン(サフィック)表象であれば、ドラマでは『プルリブス』、『スター・ウォーズ:スケルトン・クルー』、『マトロック』、『ブラック・ミラー』(シーズン7)、『ジニー&ジョージア』(シーズン3)、『キャシアン・アンドー』(シーズン2)、『ピースメイカー』(シーズン2)、『インベージョン』(シーズン3)、『サイロ』(シーズン2)、『バカニアーズ』(シーズン2)、『神話クエスト』(シーズン4)、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(シーズン5)、『ポーカー・フェイス』(シーズン2)、『9-1-1: LA救命最前線』(シーズン8)など。
映画では『愛はステロイド』、 『なんて楽しいクリスマス!』、『アフター・ザ・ハント』、『エコー・バレー』、『DREAMS』、『美しい夏』、『今日の海が何色でも』 、『私たちは天国には行けないけど、愛することはできる』、『君と私』、『12月の君へ』、『秘顔 ひがん』、『これからの私たち All Shall Be Well』など。
日本の作品のゲイ&レズビアン表象だと、『映画おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』、『そこにきみはいて』のような劇場公開作から、『ぼくたちん家』や『おとなになっても』、『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』(シーズン2)など。誠実な表象が少しずつ増えているのはひと安心です。
すっかり日本でもファンダムを築いたタイのBL/GLドラマは、『The Heart Killers』や『Pluto』など、まだまだ挙げきれないほどありました。
アニメだと、海外作品は『かたつむりのメモワール』や『The Summer あの夏』のような映画から、『長くて短くて短くて長い』、『マイティ・ナイン』、『ソーセージ・パーティー ~理想郷 フードトピア~』(シーズン2)、『ビッグマウス』(シーズン8)のようなシリーズまで。クィアなキャラが豊富な『ハズビン・ホテルへようこそ』(シーズン2)の世界観はスピンオフの『ヘルヴァ・ボス』も日本語配信が始まり、ますます盛り上がってきました。
ちなみにこれにも言及しておきますが、2025年の世界的社会現象で大人気となった『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は基本語的に明示的なクィア表象はなかったですが、一部のファンダムの間ではメイン女性3人の関係性をポリ・シップ(ポリアモラスな繋がり)と捉えた「Polytrix」がにわかに熱狂を巻き起こしていたことも記録しておきます。
日本のアニメでは、『九龍ジェネリックロマンス』のような男性同士の恋愛模様に向き合った作品から、『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』のようなコミカルな百合作品、『SANDA』のような抑圧的社会でクィアネスを模索する10代を描いた作品まで。『前橋ウィッチーズ』はさりげなく当事者を描いたりしていましたし、『光が死んだ夏』や『私を喰べたい、ひとでなし』のようなクィア・ホラーも印象的でした。
同性愛者としての実在の人物を主題にした作品もいくつかあり、『ラテン・ブラッド: ザ・バラッド・オブ・ネイ・マトグロッソ』、『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』、『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』などの映画がありました。
『サリー 私の愛した宇宙飛行士』や『ジョージ・マイケル 栄光の輝きと心の闇』のような当事者に寄り添ったドキュメンタリーも忘れることはできません。支援や権利運動などの活動を映し出した『じぶん、まる!いっぽのはなし』、当事者の日常を映し出した『ふたりのまま』もあり、日本でもこうしたドキュメンタリーがでてきたのは良い傾向だと思います。
ただ、女性同士の恋模様を扱った韓国の恋愛リアリティ番組『彼女たちの恋愛シェアハウス~ToGetHer~』が出演者へのバッシングを巻き起こすなど(PinkNews)、やはりまだまだ当事者を表にだす際はどう保護するか…課題がみえる作品もありました。
Bi+(バイセクシュアル&パンセクシュアル等)
2025年の「Bi+」(バイセクシュアルやパンセクシュアルなどを包括した表現)の表象は、明白な描写を見いだすのは難しいこともありますが(上記の「ゲイ&レズビアン」の節で紹介した作品にもBi+のキャラクターが含まれている可能性があるのでご注意ください)、さまざまな作品を観察できました。
ドラマでは『愛をこめて、キティより』(シーズン2)、『ジェン・ブイ』(シーズン2)、『THE LAST OF US』(シーズン2)、『ウィッチャー』(シーズン4)など多彩なジャンルが揃っていました。
映画では『ヘッダ』、『We Live in Time この時を生きて』、『美しい夏』、『メガロポリス』など。
アニメでは『ハーレイ・クイン』(シーズン5)、『リック・アンド・モーティ』(シーズン8)、『New PANTY&STOCKING with GARTERBELT』などもありました。
トランスジェンダー&ノンバイナリー
現実社会では、アメリカやイギリスにてトランスジェンダーの人々に対する政治的迫害が悪化の一途をたどり、当事者の生活を踏みにじる中、こういう時代だからこそ表象の踏ん張りどころ。
そのはずなのですが、残念ながらトランスジェンダーの表象は物議を醸すものが相変わらず多く…。
正反対の性別の俳優がトランスジェンダーのキャラクターを演じることで異性装だという誤解を助長させかねない『イカゲーム』(シーズン3)は内容自体は当事者に誠実でしたが、表象の根本的欠点は払拭しきれず…。
一方で当事者起用なのにLGBTQコミュニティから大ブーイングとなった『エミリア・ペレス』がもたらした傷も大きかったです。カウンターとしてメキシコの当事者が製作した『Johanne Sacreblu』の存在がせめてもの救いでした。
あとは、トランスジェンダーへの偏見をむしろ強化していると批判の声が手厳しくあがったドラマ『モンスター: エド・ゲインの物語』(Out)。このドラマに関してはこれまでの前歴からしてもう確信犯的なのかもですけど…。
そう文句から書いてしまいましたけど、真っ当な表象もあるにはありました。
ドラマでは、ファンタジーの『サンドマン』(シーズン2)、当事者の抑圧を風刺的に描いた『背反の町』、医療現場での差別をさりげなく映し出した『ザ・ピット ピッツバーグ救急医療室』など。
映画では、日本でこの年に公開された『テレビの中に入りたい』などがありました。また、日本のトランスジェンダー当事者にとっての重大な法的・医療的転換点となった事件を真正面から描き抜いた『ブルーボーイ事件』が何よりも印象的であり、2025年は世界のどの国よりも日本が頑張っていたと言えるのではないでしょうか。
アニメでは、トランスジェンダーのアイコンになっているブリジットが登場するゲームをアニメ化した『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』がありました。
ドキュメンタリーでは、エイプリル・アシュリーとアマンダ・リアの関係を振り返る『エニグマ / 性の狭間で生きた二人』などがみられました。
一方、ノンバイナリー表象ですが、『ジェン・ブイ』(シーズン2)ではバイジェンダーのキャラクターをとおして、トランスジェンダーに対するヘイト言説とモラルパニックを痛烈に風刺していたのが印象的でした。他には、『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』(シーズン3)にわずかな表象があったりしました。映画では『アフター・ザ・ハント』など。
映画『FEMME フェム』やドラマ『アイアンハート』など、ドラァグクイーンの登場人物がでてくる作品も貴重です。
トランスジェンダー/ノンバイナリー当事者の俳優の活躍も今年も散見され、このバッシングが拡大する中、応援したくなりました(演じているキャラがトランスやノンバイナリーかどうかはわかりません)。
『アフター・ザ・ハント』の“リオ・メヒエル”、『ファンタスマス』の“マルティーヌ・グティエレス”、『バカニアーズ』の“ジョシー・トター”、『マーダーボット』の“サブリナ・ウー”、『マネー 彼女が手に入れたもの』(シーズン3)の“MJ・ロドリゲス”、『ポーカー・フェイス』(シーズン2)の“パティ・ハリソン”、『ウェンズデー』(シーズン2)の“ルヤンダ・ウナティ・ルイス・ニャウォ”、『ブラック・ミラー』(シーズン7)の“エマ・コリン”、『THE LAST OF US』(シーズン2)の“ベラ・ラムジー”などなど。
トランスジェンダーやノンバイナリーとは違いますが、インターセックスの表象としては、日本でもヒットした『教皇選挙』のほか、『チョッキン!』、『九龍ジェネリックロマンス』などがありました。
アセクシュアル&アロマンティック
他者に性的に惹かれない「アセクシュアル(アセクシャル)」、他者に恋愛的に惹かれない「アロマンティック」。これらアセクシュアル/アロマンティックの表象は、2025年も残念ながら乏しい…乏しすぎる…。
キャラが堂々としていたのは『ハズビン・ホテルへようこそ』フランチャイズの世界で、『ハズビン・ホテルへようこそ』(シーズン2)ではアラスターがアセクシュアル&アロマンティックであり、スピンオフ『ヘルヴァ・ボス』ではオクタヴィアがアセクシュアルとなっていました。
日本の映画では、『そこにきみはいて』がアセクシュアル&アロマンティックの主人公を描いていました。
全体を振り返って
検閲され始めたハリウッドのLGBTQ表象
ここ数年のところ停滞状態にあったハリウッドのLGBTQ表象が2025年以降は岐路に立つ…と2024年のときに予想して書いたのですが、そのとおり現実になってしまいました。
“ドナルド・トランプ”が2度目の大統領の座に返り咲いたことで、以前から「LGBTQはイデオロギーであり、作品に押し付けられている」と持論を主張していたその支持者たちはかつてないほどに勢いづきました。2025年はバッシングでLGBTQ表象を委縮させるために遠慮なく行動にでました。もはや表現の自由など気にもしていません。
その先頭に立つひとりはトランスジェンダーの娘に毒を吐く有害な父親として知られる“イーロン・マスク”であり、昔のすでに打ち切りになっているトランスジェンダーのキャラクターが登場する配信作品をSNSで吊し上げ、ボイコットしようと反LGBTQ集団を煽っていました(The Advocate)。ただただ自分の嫌いな作品を叩きたいだけの奴らですが…。
そのバックラッシュのせいもあり、ただでさえ打ち切られやすいLGBTQ表象のある作品がキャンセルされやすくもなっていると推察されます。
2025年も、クィアの色に満ち溢れた『ドクター・フー』が打ち切りになったりしました。
最も酷い状況にあるのは、これも前年から続いている子ども向けのアニメ作品における自己検閲です。
わざわざトランスジェンダー当事者の人を声優に抜擢までしたのに、トランスジェンダーのキャラクターの設定が消去されたまま配信にいたってしまったピクサーの『ウィン OR ルーズ』(The Mary Sue; LGBTQ Nation; PinkNews)。そして監督の当事者体験も込められていたはずなのにそれはカットされ、監督は途中離脱したピクサーの『星つなぎのエリオ』。
大企業が権力者にビビってどうする…。大人が子どものために作品を作らないでどうする…。情けないぞ…。
映像作品だけでなく、性的マイノリティを描いた漫画なども続々と禁書となっているアメリカ。クリエイターと、作品を愛する人たちには、苦難の時代が続きそうです。
作品からLGBTQが抹消されることは、現実社会でLGBTQの当事者が抹消されることと直結します。
表象は「表現の自由」という人権を守る防波堤であってほしいものです。
完全にトランプ時代に刺し違える覚悟で中指を突き立てた『サウスパーク』(シーズン27&28)を見習ってほしいですよ…。
現実よりも先を行く日本のLGBTQ表象
権力による威圧と検閲で後退し始めたハリウッドのLGBTQ表象ですが、日本も影響はゼロではなく、何よりもハリウッドのLGBTQ作品に日本からアクセスしづらくなっている一面もあります。
『Clean Slate』を2025年に全然配信しなかった「Amazon」は私は恨んでいるぞ…。
一方で、日本産の作品では前年に続いて同性愛やトランスジェンダーの表象が充実しつつあり、もうハリウッドと逆転しているんじゃないでしょうか。こういうときこそ「日本、スゴイ!」の言葉を使うタイミングでは?
もちろんまだまだ同性愛やトランスジェンダーに対するステレオタイプな描写や大衆の反応、薄い広報といった問題点は散在しています。反“多様性”レトリックも蔓延し、無自覚に蔑視的なスラングを使う人もなおもいます。現実の日本社会では、当事者の平等な権利は保証されず、同性結婚も性別変更も新たな法制度化が進まず停滞しています。ましてや2025年は日本にも露骨に反LGBTQな極右政権が誕生しました。
それでも少しずつ増えている表象が縁の下の力持ちのように支えてくれています。それは素晴らしいことだと思います。
かつて1990年代の日本は、LGBTQ表象ではハリウッドの先を行く勢いがありました。とくに日本のアニメは海外のLGBTQコミュニティを沸かせました。『美少女戦士セーラームーン』や『少女革命ウテナ』などはその代表でした。
2020年代、再び日本は同じような立ち位置に立ちつつあるのかもしれません。アメリカのクィア表象が後退したことで、日本のクィア表象が輝く機会が図らずも生まれました。
ここで日本まで表象が後退したら元も子もありません。
日本でも大作や有名作でクィア表象を観たいですね。
現実を未来へ導く希望のある表象のお手本を日本から世界にみせてやってください。
2026年への期待と注目作
最後は2026年の期待と注目のLGBTQ作品(映画&ドラマ)を一部紹介して、希望を少しでも増やしておきましょう。
すでに日本で公開予定のクィアな映画はいくつかあります。
セックスワークの二重生活にのめり込んでいくゲイ・サスペンスな映画『SEBASTIAN セバスチャン』(2026年1月9日)、イスタンブールのトランス・コミュニティを描き出す『CROSSING 心の交差点』(1月9日)、LGBTQが弾圧されるロシアに現れた次世代クィア・アーティストのジェナ・マービンを追ったドキュメンタリー『クイーンダム 誕生』(1月30日)、異色のボディホラーの『トゥギャザー』(2月6日)、破天荒に己の道を模索するバイセクシュアル女子学生を描く 『Shiva Baby シヴァ・ベイビー』(2月27日)…。『ウィキッド 永遠の約束』も3月に日本公開を控えています。
日本未公開作はまだまだいくらでもあります。
著名な作詞家ロレンツ・ハートの半生をセクシュアリティとともにリチャード・リンクレイター監督が描いた伝記映画『Blue Moon』、レズビアンのボクサーであったクリスティ・マーティンを描いた伝記映画『Christy』、ゲイとBDSMが交差するアレクサンダー・スカルスガルド主演の『Pillion』、1900年代初めに田舎で繰り広げられる男2人の恋愛を描く『The History of Sound』、90年代に潜入捜査官がゲイの魅力にとりこまれていく『Plainclothes』、カンヌでクィアパルムを受賞した『The Little Sister』、クリスマスイブのロンドンの夜を彷徨う2人の男のロマンスを描く『A Night Like This』、田舎で葛藤するクィア男性を描くインド映画『Sabar Bonda(Cactus Pears)』、俳優と政治家の秘密の情事から始まるブラジルのエロティック・スリラー映画『Night Stage』、ビル・コンドン監督による抑圧に貪欲に抗うクィアなミュージカル映画『Kiss of the Spider Woman』、双子を主体にした異色のサイコロジカル・ブラックコメディのゲイ映画『Twinless』、ゲイ・カップルが家族とホラーに巻き込まれるコメディ映画『The Parenting』、イーサン・コーエン&トリシア・クックが贈るレズビアン映画第2弾『Honey Don’t!』、1993年の映画をクィアにリメイクした『The Wedding Banquet』、ゲイ男性とトランス男性の恋愛模様を描いたデンマーク映画『Sauna』、インド系の保守的な家族とゲイの受容を描く『A Nice Indian Boy』、あの名匠の魂を受け継いでドラァグクイーン流儀で大暴れするゾンビ映画『Queens of the Dead』、クィア・パワーが溢れ出すオーストラリアのアニメ映画『Lesbian Space Princess』、ルイーズ・ウィアード監督による奇想天外なトランス・ワールド・アンソロジー第2弾『Castration Movie Anthology ii. The Best of Both Worlds』などなど。
保守的な白人たちのレズビアン模様で本国では話題となったドラマ『The Hunting Wives』、クィアな中年女性たちがパンク・バンドを結成するドラマ『Riot Women』、アイスホッケーのゲイ・ドラマ『Heated Rivalry』など、ドラマシリーズも待ってます。
メキシコの町で性別移行を自分なりに歩む若者を映すドキュメンタリー『Niñxs』、全米初のトランスジェンダーの州上院議員となったサラ・マクブライドを映すドキュメンタリー『State of Firsts』、トランスジェンダーへの政治的偏見をいかにメディアが助長しているかを訴えるドキュメンタリー『Heightened Scrutiny』、自然界に当たり前にある多様な動物のクィアネスを映し出すドキュメンタリー『Second Nature』など、LGBTQドキュメンタリーも多数。
これら日本未公開の新作の小規模作品をぜひ日本でも観られるように…。頑張ってください、配給さん…。
2026年のまだ見ぬ新作映画は…あまり情報はないのですが…。シリーズの集大成フィナーレとなるであろう『Heartstopper Forever』は最高のお別れ会になるはず。
ドラマシリーズでは、最終となる『ザ・ボーイズ』シーズン5が配信予定。前シーズンはアメリカの反LGBTQ運動を痛烈に風刺したので今回も期待大です。『ユーフォリア』もシーズン3で終わるとのこと。実写ドラマ『ONE PIECE』のシーズン2は、ジェンダーダイバースなキャラはどう描かれるでしょうか?
日本の作品では、トランスジェンダー当事者のタレント“はるな愛”の伝記映画『This is I』も「Netflix」で2026年2月に独占配信が発表されています。“東海林毅”監督の『となりのとらんす少女ちゃん』の映画化もすでに支援者に応援されて盛り上がっています。
2026年の大作はどうなることやら…。『アベンジャーズ ドゥームズデイ』はあれだけたくさんキャラが結集するならクィアな人、ひとりくらいいるよね? 監督が一瞬だけゲイの一般人役で…みたいなのはもういらないよ?
2026年もLGBTQ映画やドラマをたくさん観れることを願っています。レプリゼンテーションを紹介し合ったり、感想を語り合ったり、批判し合ったり、それも大切なことです。
HAPPY NEW QUEER !
オマケ
✔2025年に出版されたLGBTQに関する書籍のオススメ
- 『LGBTQ+の歴史』(河出書房新社)
マイケル・ブロンスキー (著), 藤崎百合 (翻訳), 清水晶子 (日本語版監修) - 『トランスジェンダーの生活史 多様なジェンダー形成を切り開くために』(晃洋書房)
宮田りりぃ (著) - 『トランスジェンダー男性のきみへ』(明石書店)
メガン・M.ローアー (編), ザンダー・ケッグ (編), 上田勢子 (翻訳), 周司あきら (解説) - 『非二元的な性を生きる』(明石書店)
武内今日子 (著) - 『アザー・オリンピアンズ 排除と混迷の性別確認検査導入史』(勁草書房)
マイケル・ウォーターズ (著), ニキリンコ (翻訳), 井谷聡子 (解説) - 『アセクシュアル アロマンティック入門』(集英社)
松浦優 (著) - 『私はアセクシュアル』(明石書店)
レベッカ・バージェス (著), 上田勢子 (翻訳), 中村香住 (解説) - 『AはアセクシュアルのA「恋愛」から遠く離れて』(リトルモア)
川野芽生 (著)


