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『デイ・シフト』感想(ネタバレ)…Netflix;儲かる仕事が欲しい?

デイ・シフト

儲かる仕事が欲しい? 吸血鬼狩りはどうですか?…Netflix映画『デイ・シフト』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Day Shift
製作国:アメリカ(2022年)
日本では劇場未公開:2022年にNetflixで配信
監督:J・J・ペリー

デイ・シフト

でいしふと
デイ・シフト

『デイ・シフト』あらすじ

カリフォルニア州を拠点に活動するバンパイア・ハンターは、過去の不祥事のせいで組合から追い出されて、今は地味に闇の存在を狩るしかなかった。しかし、1週間以内に子どもの授業料と歯列矯正の費用を捻出しなければならなくなり、やむを得ないので、自分のプライドを妥協させて、かつての組合に頭を下げる。ところが、やっと本格的な仕事で稼げると思った矢先、思わぬ面倒事がついてくることに…。

『デイ・シフト』感想(ネタバレなし)

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ここのシフト、あなたはどう?

学生の皆さんは夏休みは何をして過ごしているのかな。

遊びまくるぞと張り切っている人もいれば、中にはバイトで短期間でも稼いでおこうと考えている人もいるでしょう。コロナ禍でどこも人手不足ですが、それでも自分に好都合な仕事を見つけるのは苦労します。給料の額はいくらになるのかはもちろんのこと、働く時間帯も大事です。

おそらく初めてのバイトで真っ先に覚えることになるカタカナ用語のひとつが「シフト」です。「今日のシフトは○時で~」「明日はシフトはないです」とか、そんな感じで自然に日本でも使われる言葉ですが、このシフトは当然ながら英語の「shift」のこと。交替時間を意味しており、1日の中で働き手が交替する場合に用いられます。夜間勤務は「night shift(ナイト・シフト)」、逆に昼間勤務は「day shift(デイ・シフト)」です。

今回紹介する映画もそんなタイトルがそのまんまついています。

それが本作『デイ・シフト』です。

本作はその名のとおり、主人公がある仕事で昼間勤務として働くのですが、その仕事が「バンパイア狩り」。そうです、あの血を吸うアイツらです。本作の主人公はバンパイア・ハンターなんですね。でも『ファースト・キル』で描かれたような、由緒正しきバンパイア・ハンターの家系とかではないのです。

『デイ・シフト』の主人公の男は妻や幼い娘にも自分の仕事を隠していますし、なかなか仕事が手に入らなくて、組合に駆け込んで「お願いします、シフトいれてください!」と頼み込むような始末。なんか世知辛い…。

この映画は言うなれば、切実な労働の苦労を描くお仕事映画的な側面を濃くしたバンパイア映画です。昼間勤務をするということはバンパイア狩りという職務内容上、吸血鬼は太陽の下で行動しないので、隠れ住んでいる拠点に乗りこまないといけない…。バンパイア狩り業務においては、昼間勤務の方がちょっとハードになるというのがまた面白い視点ですけど。だったらみんな「ナイト・シフト」にすればいいじゃないか!と思うのですけど、なぜかこの世界ではバンパイア狩りはシフト制という…。

そんな『デイ・シフト』の主演は、『黒い司法 0%からの奇跡』『プロジェクト・パワー』の“ジェイミー・フォックス”。今やそんなイメージはないですけど、キャリア初期の頃はコメディアンだったんですよね。

共演は、『サイコハウス 血を誘う家』で監督デビューもした“デイヴ・フランコ”。今作では情けなくて可愛い役回りで踏んだり蹴ったりな目に遭います。他には、『ガンズ・アキンボ』の“ナターシャ・リュー・ボルディッツォ”、ドラマ『ハーレム』の“ミーガン・グッド”、『スリープオーバー ~夜の大冒険~』の“カーラ・ソウザ”、ドラマ『ナルコス』の“エリック・ラング”など。

『デイ・シフト』の監督は“J・J・ペリー”という人で、聞いたことないな?と思ったら、『ジョン・ウィック』シリーズなどでスタント・コーディネーターをやっていた人物らしいです。今回が監督デビュー作。そんなキャリアなので、この『デイ・シフト』もやたらとアクションに気合いが入っています。実際、『ジョン・ウィック』でおなじみの“チャド・スタエルスキ”が製作に入り、彼の「87Eleven」スタジオが制作していますからね。壮大なスケールではないですけど、個人戦では豪快なアクションが炸裂しまくるので、アクション好きの人は手頃なエンターテインメント体験になるのではないでしょうか。

なお、吸血鬼映画と言っても、怖い要素は皆無で、どちらかと言えばコメディ寄り。残酷な描写もありますが、おふざけ感が強いのでそんなにゾっとする感じではありません。ホラーが苦手な人でも何も問題なく観れると思います。

『デイ・シフト』はNetflixで独占配信中です。クソ暑い夏に何もかもやる気が起きないときはダラダラとこういう軽めの映画を垂れ流すのもいいものです。

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『デイ・シフト』を観る前のQ&A

Q:『デイ・シフト』はいつどこで配信されていますか?
A:Netflixでオリジナル映画として2022年8月12日から配信中です。
✔『デイ・シフト』の見どころ
★アクションに力が入っており、格闘戦や乱戦のシーンは豪快。
★情けなくて可愛いデイヴ・フランコが見られる。
✔『デイ・シフト』の欠点
☆ストーリーは典型的な“お父さん”家族モノなので単純。新鮮さはない。
☆吸血鬼相手だが、残酷で暴力の扱いは軽い。
日本語吹き替え あり
楠大典(バド)/ 早志勇紀(セス)/ うえだ星子(ジョセリン)/ 石田嘉代(オードリー)/ 山下音彩(ペイジ)/ 三重野帆貴(ヘザー) ほか
参照:本編クレジット

オススメ度のチェック

ひとり3.5:気軽に見られる
友人3.5:暇つぶし感覚で
恋人3.5:ロマンス要素は薄い
キッズ3.5:やや残酷な描写あり
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『デイ・シフト』予告動画

↓ここからネタバレが含まれます↓

『デイ・シフト』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):仕事ください!

カリフォルニア州、サンフェルナンド・バレー。日差しの降り注ぐこの穏やかな街で、バド・ヤブロンスキプール清掃サービスの仕事をひとりでこなしていました。今日もある一軒の家のプールを掃除。動物の死骸も浮かんでいる汚いプールです。まるで太陽の下で泳ぐのは好きじゃないかのように放置されています。

バドはおもむろに収納ボックスの下から隠し武器を取り出し、銃を構えてその家に入っていきます。そして慣れた手つきで、トラップを仕掛け、部屋を順番に確認。クローゼットもチェックする念の入れようです。

そこへ住人らしき老婆が現れ、バドは躊躇いなく発砲。老婆は倒れます。

ところが体に穴が開いても起き上がり、凄い形相と驚異の身体能力で老婆は襲いかかってきました。バドは簡単に吹き飛ばされ、壁が崩れます。弾を装填し、揉み合いになっていると、老婆はカーテンの隙間の日光に呻きます。格闘は続き、ナイフで刺すと、黒いゲロのようなものを盛大に吹き出す老婆。銃弾を何発も撃ち込んでも全く弱らないです。

なんとか首を切断し、やっと沈黙。さらに背後から別の奴が襲ってくるもトラップに引っかかり、首が真っ二つになりました。

バドは老婆の牙を抜き、ケースに入れて回収。家にあった服を頂戴して車で撤収。

これがバドの仕事。彼はバンパイア・ハンターです。アパートに帰り、鍵がたくさんついているドアを閉め、カーテンも閉じ、シャワーを浴びます。黄色い粉を体に塗り、手当て。

そして愛する娘のペイジを迎えに行きます。妻ジョスの家に送り、「送れたのは仕事だったんだ」と謝りますが、妻は不満顔。妻には仕事の話はしていません。

妻いわく、家を売ってフロリダに引っ越すつもりらしく、バドは反対します。「思い出が詰まっているのに…」と抗議するも、「経済的な安定性が大事だ」と言われてしまいます。

4800ドルいるそうで、「5日後の月曜日まで待ってほしい。1万ドル渡すから」とバドはその場で口約束。娘との時間を守るためにもここは何でもやらなければ…。

さっそく吸血鬼の牙を鑑定してカネに変えようとします。でも2つで800ドルにしかならず、がっかり。バドはある事情でバンパイア・ハンターの組合(ユニオン)にはいけなくなり、そのせいで仕事は正規のものではありません。「婆さんの牙もある」とねばりますが、「でもこれは若い」と指摘されます。やむを得ないので、愛用の銃とスニーカーも差し出してカネにしますが、これでも足りないです。

追い詰められたバドは知り合いのハンターであるビック・Jに連絡。このベテランの紹介で、久しぶりに組合に足を運ぶことに。バドは数々の規約違反が重なっており、「お前にチャンスをやる必要があるか」と組合側は相変わらず手厳しいです。バドは反省を示し、試用期間としてとりあえず仕事ができることに。

ただし、職員が同行することになり、さらにナイト・シフトではなくデイ・シフトで働くことになります。組合費と会員カード代などの諸々のせいで手元のカネはさらに減りました。

同行することになったのは内勤のセスという男でスーツ姿。明らかに邪魔で、バドは面倒な気分。それでも従うしかありません。

その頃、バドの殺した老婆吸血鬼の遺体の前で血の涙を流す女がひとり。このオードリーは大切な人を奪ったハンターに復讐するべく動き出しますが…。

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トラップの成功率は…

『デイ・シフト』はジャンル的なノリとしては、往年のブラックスプロイテーション映画の流れを受け継ぐ作品といった感じでしょうか。ブラックスプロイテーションでも『吸血鬼ブラキュラ』(1972年)のような吸血鬼作品はありました。

まずアクション面はとにかく威勢がいいです。「87Eleven」お得意の細々したテンポのいいアクションが冒頭から「vs老婆」戦で炸裂します。この老婆がとにかくしぶとくて、そのしつこさに笑ってしまうぐらいの過剰さがあるのですけど、面白いのはそんなに血がでないということ。その代わり、随分と派手に吹っ飛ぶ傾向があり、体重5kgなのか?っていうほどの軽さ。アイススケート選手並みに空中で回転するし、あげくには『エクソシスト』なのかというほどの奇抜な柔軟性を披露するし…

もうこうなってくると吸血鬼映画というか、ゾンビ映画のアクロバティック方向に進化したやつですよ。室内でここまで激しいアクションできるのかというてんこ盛りな見栄えがあります。

続いて同じくハンターのナザリアン兄弟と共闘して家で乱戦を繰り広げるシーン。ここもひたすらに楽しいアクションの仕掛けが連発し、ゲームにあるようなサドンデス(死んだら即ゲームオーバーで敵の猛攻に耐えるルール)みたいです。あのナザリアン兄弟の連携っぷりが気持ちよかった(ガムを共有するのはドン引きだけど)。

そして娘のペイジを同乗させてのカーチェイス。ここはペイジがマリオカートみたいなゲームをしていますが、そのゲームみたいな「そんなのありかよ!?」というクラッシュが連発していく中を疾走する。リアル・マリオカートになっていました。

さらに終盤のカチコミ。バンパイア化してもう失禁しないセスの爽快なアクションもいいですが、やはりヘザーの刀アクションがキマってましたね。あれは『ブレイド』を意識しているのかな。

そこに「やってやるぜ!」と満を持してのビッグ・Jのコンパクトなガトリング砲が景気よく乱射。ブラック・カウボーイことビッグ・Jのキャラクターはこの映画のブラックスプロイテーション・ネタ遊びの真骨頂でしたが、これを演じているのは誰だろう?と思ったら、あの“スヌープ・ドッグ”だったとは…。ノリノリだな…。ちゃっかり自爆してもラストで生き残っているし、さすが“スヌープ・ドッグ”、簡単には死なないか…。

なんだろう、Netflixでは少し前にアクション映画『カーター』を見たばかりだったので、この『デイ・シフト』を鑑賞すると「なんて見やすいアクションなんだ!」と感動してしまった…。

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労働者を守るのは法律です

『デイ・シフト』のブラックスプロイテーション的側面としては豪快アクションという露骨な見どころもありつつ、ストーリーはバラバラの家族がまたひとつになる定番もの。

ただし、お仕事映画として切り取ってみると、ここにもアフリカ系アメリカ人あるあるな労働苦労ネタが詰まっており、そこでブラックスプロイテーション感がまた滲んでいます。

主人公のバドは典型的なブルーカラーであり、プール清掃員…に見せかけて実はバンパイア・ハンター。でも正規の組合には入らせてもらえないので、ここで労働格差が背景にあるのがわかります。そもそも組合がでてくる吸血鬼映画なんて珍しいと思いますけど、労働面にリアリティの重きを置くのがこの映画の個性としてはぴったりです。

で、白人の嫌な上司が違反を部下に通報させて仕事のチャンスを奪おうとする。このあたりもいかにも遠回しな差別の手口としてベタです。しかも、諸経費でやたらとおカネだけとられるというのもリアルだ…。

バドも「反省しています」と“良い黒人”に必死になろうとするけれども、現実は娘も妻も遠くに行ってしまいそうでそれどころではない。

本作はアホなノリの映画ですが、最後でラルフ・シーガー相手に逆に規約の細かい規定に基づいて自分たちの法的正当性を主張して逆転するあたりは、結構真面目なオチだなと思いました。人種差別には法律の正義で戦おうというスタンスですね。

まあ、オチでは良いこと言っているけど、冷静に考えるとこのバンパイア・ハンターの方も社会秩序を滅茶苦茶にしているし、これでいいのかと思わなくもないけど…。

個人的にはオードリーをもっと底知れない強い奴として濃厚に描いてほしかったところ。最終的なラスボスとしてはよくわからずじまいで終わってしまった感じでしたし。あの傘を使って日光の下でも動じずに襲ってきたら怖かったろうな…。

結局、一番新鮮で楽しかったバトルは、序盤のオールドレディ・バンパイアとの一騎打ちで、あれが最大の見せ場だったかもしれない…。最終盤でもう1回復活してまた再戦してもよかったくらいに私はあの老婆吸血鬼はわりと気に入っていますね。

皆さんも働くときは同僚にバンパイアがいるかもしれないので、ほどよく仲良くしてあげてください。

『デイ・シフト』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 56% Audience 69%
IMDb
6.2 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
6.0
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作品ポスター・画像 (C)Netflix デイシフト

以上、『デイ・シフト』の感想でした。

Day Shift (2022) [Japanese Review] 『デイ・シフト』考察・評価レビュー