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ドラマ『フォー・オール・マンカインド<シーズン5>』感想(ネタバレ)…「火星vs地球」に未来はあるのか

フォー・オール・マンカインド
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火星人が目撃する歴史…「Apple TV」ドラマシリーズ『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

この感想はドラマ『フォー・オール・マンカインド』の「シーズン5」のものです。「シーズン1~シーズン4」の感想は以下の別記事にあります。
原題:For All Mankind
製作国:アメリカ(2026年)
シーズン5:2026年に Apple TV で配信
原案:ロナルド・D・ムーア
恋愛描写
フォー・オール・マンカインド(シーズン5)

ふぉーおーるまんかいんど
『フォー・オール・マンカインド』のポスター

『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)物語 簡単紹介

2012年、火星の植民は大規模化し、今やかなり広い居住地も出来上がり、宇宙開発企業や研究者だけでなく、労働者も大勢暮らすようになっていた。地球では火星に資金を投じすぎているという批判も高まる中、火星に愛着を抱く住人たちは政府や大企業の統制に不満を強めている。そして、ある事件が起き、火星のコミュニティは対立と緊張感に包まれる。
この記事は「シネマンドレイク」執筆による『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)の感想です。

『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)感想(ネタバレなし)

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シーズン5まで発展

2019年から「Apple TV」(当時は「Apple TV+」だった)で独占配信され、なんだかんだで今やすっかり「Apple TV」で最もシリーズが続いているご長寿ドラマのひとつとなった『フォー・オール・マンカインド』

2026年はスピンオフのドラマシリーズである『スター・シティ』も始まったりと、世界観は拡張しています。絶対、Appleのお偉いさんの中に『フォー・オール・マンカインド』が好きな人、いるでしょ…。贔屓されてるよ…。

まあ、私も本作は大好きなので、ありがたく楽しませてもらっていますけどね。

2026年には『フォー・オール・マンカインド』はシーズン5を迎え、「もしも」の歴史の宇宙開発競争は、前代未聞のステージからさらなる展開へ突入。

もうあとは観てのお楽しみなので、ネタバレなしでは言うことはありません。さっさとシーズン5を満喫しましょう。そもそもまだ未見の人は、SF好きなら観て損はないですよ。

なお、ここまでシーズンを重ねてくると、登場人物の多さもさることながら、架空の歴史を描く性質上、いかにもありそうな架空の専門用語組織名がバンバンでてくるので、観ていると「あれ? これ、どういう意味だっけ?」とか「この組織って何だ?」みたいな疑問がちょいちょい浮き上がることもあります。

そういうときは、「Fandom」のページに作中の専門用語が整理されているので(英語ですが)、そちらを参考資料にしながら観るのがオススメです。

シーズン4の簡単なおさらいは以下の「あらすじ」に載せています。

『フォー・オール・マンカインド』のシーズン5も全10話で、1話あたり約50~60分の大ボリュームです。

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『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)を観る前のQ&A

登場キャラクターの整理

  • エドワード・ボールドウィン(Edward “Ed” Baldwin)
    …かつてNASAの宇宙飛行士で、今は引退済み。愛称はエド。
  • ケリー・ボールドウィン(Kelly Baldwin)
    …エドの養女。科学者。
  • アレックス・ポレトフ(Alexei “Alex” Poletov)
    …ケリーの息子。エドの孫。父のアレクセイはすでに死亡。
  • マイルズ・デール(Miles Dale)
    …火星のハッピーバレーで働く整備士。
  • リリー・デール(Lily Dale)
    …マイルズの娘。
  • イ・ジョンギル(Lee Jung-Gil)
    …かつて北朝鮮の宇宙飛行士で、今は引退済み。
  • アレイダ・ロサレス(Aleida Rosales)
    …企業「ヘリオス」のCEO。
  • マーゴ・マディソン(Margo Madison)
    …かつてはNASAの所長で、今は服役中。
  • イリーナ・モローゾワ(Irina Morozova)
    …ソ連のロスコスモスの元長官。
  • デヴ・アイエサ(Dev Ayesa)
    …企業「ヘリオス」の元CEO。
  • レオニード・ポリバノフ(Leonid “Lenya” Polivanov)
    …火星の統治監督者。
  • セリア・ボイド(Celia Boyd)
    …火星のハッピーバレーの平和維持部隊の隊員。
  • エイブリー・ジャレット(Avery “A.J.” Jarrett)
    …海兵隊の兵士。ダニー・スティーブンスの娘。
✔『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)の見どころ
★架空の歴史ながら科学と政治が巧みに風刺されている。
★より多様で複雑化した火星のコミュニティ。

鑑賞の案内チェック

基本
キッズ 3.0
やや暴力描写があります。
↓ここからネタバレが含まれます↓

『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)感想/考察(ネタバレあり)

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あらすじ(序盤)

2012年。火星にある人類の基地「ハッピーバレー」は、入植が大規模に進み、今や農場ドームも複数建設され、居住区も発展を遂げました。宇宙エレベーターの新設など、物資輸送はさらに快適さを増し、労働者を中心に人口も増えました。

9年前、莫大な資源が眠る小惑星「ゴルディロックス」をめぐって大国の思惑が交錯する大騒動があり、火星の存在意義を示そうとした一部の者たちの大胆な策略によって、地球ではなく火星の軌道にゴルディロックスを持ち込むことに成功。火星はなおも宇宙開発の中心地となったのでした。

それ以降、「M-7」という火星の国際共同開発体制は、北朝鮮が抜けたことで「M-6」となり、アメリカ、ソ連、欧州宇宙機関(ESA)、共産主義国家連合(CCCS)、日本、インドの6カ国になりました。また、宇宙で軍事行動を展開するべく、M-6は多国籍で宇宙軍(OPEF;Off-Planet Expeditionary Force)も設立しました。一方で、M-6に対抗するために、中国、ブラジル、パキスタン、南アフリカ、サウジアラビア、タイ、マレーシア、ナイジェリアの国々は「ISN」という連合体を結成もしました。

しかし、今では火星にばかり資金が投入されすぎているとして、地球の人々の間では不満が爆発しており、アメリカのジェームズ・ブラッグ大統領は「地球ファースト」を掲げて当選。宇宙開発の支持は低下し始めていました。

宇宙開発の中心にいる大企業「ヘリオス」のCEOとなったアレイダ・ロサレスは起床します。トップから降りたはずのデヴ・アイエサ「MERU」という火星の未来的都市建造計画を勝手にメディアに発表したことを知り、朝から頭が痛いです。今は地球外生命体の探索ミッションに取り組んでいるのに、そんな追加で莫大なカネを要するプロジェクトを世論が許すはずもありません。ヘリオスはソ連の「クラギン」という大企業と競争関係にもあります。

地球外生命体の探索に火星で取り組む科学者のケリー・ボールドウィンは、全く成果があげられず、苛立っていました。

火星のハッピーバレーでは、マイルズ・デールは、妻のアマンダと10代の娘のリリーと共に、コミュニティの一員として定着しています。しかし、リリーはハッピーバレーをコントロールするべく配置されるようになった平和維持部隊に反対し、密かに抗議活動をしていました。今日も夜中に平和維持部隊のセリア・ボイドフレッド・スタニスラウスの警備をかいくぐって逃げてきたばかり。

元宇宙飛行士で老齢となったエド・ボールドウィンは足首に発信機がつけられ、厳重に監視されながらハッピーバレーで隠居していました。9年前のゴルディロックス強奪の首謀者だからです。もう火星の管制室(MOCC)に一歩でも入れば警戒アラームが鳴る状態です。

若者たちの卒業式の日を迎え、リリーの他に、エドの孫で、ケリーの息子であるアレックスもそこにいました。マーカス・ハスケルグルソラ・アキルマトワといった同年代の友人とともに祝福を浴びます。マーカスは地球に行ってアメリカ海兵隊に入隊すると決めていました。アレックスは進路が決まらず、火星生まれなので地球への憧れが漠然と高まるばかりで、VRゴーグルで浜辺を体験したり、デヴからもらったバイクで火星地表を疾走したりするくらいしかできません。

マイルズは以前のゴルディロックス強奪絡みの暴動に関与したメンバーを中心に密かに集会を開き、労働者の立場で雇用主側にどう向き合うか定期的に議論しています。エドも参加しており、同じく引退した身であるイ・ジョンギルと昔を懐かしみます。

そんな中、ハッピーバレーの外でひとりの死体が発見されます。難民の遺体のようですが、不審なところが多く、医師のディミトリ・マヤコフスキによって殺人の疑いありと分析されました。平和維持部隊のリーダーであるパーマー・ジェームズは部下のセリアにも口外を禁止します。

地球にいるアレイダは娘のグラシアナとの不仲に悩みつつ、宇宙開発事業に困るとたいてい刑務所に服役中の先輩のマーゴ・マディソンを訪ねるのが癖になっていました。マーゴは昔はNASAのジョンソン宇宙センターの所長でしたが、ソ連に情報を流したことでソ連に亡命し、以降はイリーナの下で働いていたものの、9年前に外交特権が剥奪され、アメリカで逮捕・収監され続けています。

そして、火星で前代未聞の事件が起きることに…。

この『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2026/07/01に更新されています。

ここから『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)のネタバレありの感想本文です。

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シーズン5:火星は独立できるのか

常に何かしらの政治的対立が宇宙を背景に勃発してきた『フォー・オール・マンカインド』ですが、今回のシーズン5は、ずばり「火星vs地球」です。ついにここまで来ました。

シーズン2までは「米ソ」の対立が主軸で、シーズン3では国家に帰属しない大企業が参戦したり、思わぬ小国家の乱入があったりしましたが、全部が地球上での対立の延長でした。地球で起こっていた亀裂が月でも火星でも起きているにすぎませんでした。

しかし、シーズン4で火星におけるコミュニティの自立に踏み込み始めました。その立役者は労働者階級の人たちとエドのような現役引退者でした。

そして、シーズン5では火星のハッピーバレーでは9年の蓄積を得てコミュニティはさらに根付き、もはや「火星人」としてのアイデンティティの芽生えるようになりました。

とくにそれを象徴するのが若い世代ですね。マイルズの娘のリリー・デールは地球出身で移住組ですが、もう火星に郷土愛的な愛着を持っています。ケリーの息子であるアレックスは、火星出身(厳密には火星の軌道上の宇宙船で出産)で、地球育ちですが、幼少期から火星にまた移り住んだので、誰よりも火星の居住歴が長いです。

人はその地に根付けばもうその地の住民。人類の歴史でずっと脈々と起きていたことがこの火星の地でも起きただけ。

しかし、そんな火星の安寧を脅かすのが、地球です。もう国とかじゃない。地球なんですね。「自動化(オートメーション)」の計画によって火星の労働者階級の人たちは存在を根こそぎ奪われかねない事態になり、地球第一主義的な考えに真っ向から対立。前シーズンの暴動以上の、クーデターが巻き起こります。

クーデターをやっている本人たちはあまり自覚していませんでしたが、これは「独立戦争」ですよね。かつて1775年から1783年までアメリカが行った戦いと動機は同じ。自分たちは植民地ではない、もう自治権を持つ独立した存在なのだという宣言です。アメリカは独立戦争によって誕生しましたが、火星のハッピーバレーもまた地球の国と対等な立ち位置に並ぼうとする…その闘いを描くのがシーズン5です。

地球から宇宙軍のOPEFの艦船が送り込まれる光景は、さながら宇宙戦争の一歩手前でしたね。でも『マーズ・アタック!』みたいに火星人が地球に攻めているわけではなく、地球人が火星に攻めているのがミソですが…。

名指しはしてないですけど、今作は完全に「イーロン・マスク、糞くらえ!」っていう話ですよ。

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シーズン5:エドの遺志を受け継ぐ者たち

『フォー・オール・マンカインド』のシーズン5でも、対立する者同士をいかにして共同体に変えるかという理想の達成…タイトルどおり「For All Mankind」の信念が試されます。

今回はシリーズでずっと主人公級の役割を果たしてきたエドがついに亡くなりました

エドはハッキリ言って非常に有害な象徴でもあったわけですが、晩年は「人は変われる」という融和の象徴になりました。敵対心は乗り越えられる…ソ連や北朝鮮への敵意も消え、異なるも同士で連帯し合うことの力強さを体現してくれた男の最期。その最期も他人のために尽くしていました。エリート宇宙飛行士からいち庶民の時代へ…ですね。

その祖父の信念を未熟ながらも初めて実行してみせたアレックスは、終盤は大きく成長しましたね。人を殺める暴力の恐怖も体験し、祖父のようなトラウマに苦しまないといいのですけど…。

あと、アレックスの母であるケリーもまさかのラスト。今回の対立する者同士をまとめあげる科学のミッションは「地球外生命体の発見」で、なんとシーズン5でそれは達成されました。土星最大の衛星タイタンで発見された、地球のもととは異なる生命細胞の存在。これが人類史に何をもたらすかは次のシーズンまで持ち越しですが…。

それにしても今回もいろんな人が新しい融和をみせてくれました。アレイダとイリーナも一緒に管制室で作戦を練りましたし、あのエリート主義に固執していたデヴもやっと労働者階級の人たちに寄り添うようになりました。こういうシーンが本作で一番ホっとします。服役中のマーゴの健気な頑張りも良かったですが、あのまま退場なのだろうか…。

でも安心ばかりじゃないです(例によって例のごとくですが…)。このシリーズをここまで観ていたらもう察せます。きっとまた何か対立の火種が生まれているのだ、と。

マイルズはハッピーバレーの初代大統領に就任しましたけど(正式に国になったのかな?)、あのクーデター中に人殺しをいとわない行動にでたりしましたし、その責任はどこかで免れないのか…(権力者になったらなおさらね)。地球上ではソ連で革命が起きた件も気がかりです(やっとロシアの誕生か?)…勢力図がまた激変すれば何が起こるかわかりません。

次期主人公級のアレックスは、リリーや、ダニー・スティーブンスの娘のエイブリーに支えられて、なんとか信念を保ってほしいですね。

恒例のラストは2020年を映しますが…これまで以上に謎めいたシーンでした。次のシーズン6でこの『フォー・オール・マンカインド』も最終シーズンを迎えることが決定しています。何が起こるか全く予想できないですけど、終わりを観るのが楽しみであり、名残惜しくもありますね。

『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)
シネマンドレイクの個人的評価
8.0
LGBTQレプリゼンテーション評価
–(未評価)

以上、『フォー・オール・マンカインド』(シーズン5)の感想でした。

作品ポスター・画像 (C)Apple フォーオールマンカインド

For All Mankind (2026) [Japanese Review] 『フォー・オール・マンカインド』考察・評価レビュー
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