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『ジャスティス・リーグ』感想(ネタバレ)…急募、一緒に世界を救いませんか

ジャスティス・リーグ

急募、一緒に世界を救いませんか…映画『ジャスティス・リーグ』の感想&レビューです。前半はネタバレなし、後半からネタバレありとなっています。

原題:Justice League
製作国:アメリカ(2017年)
日本公開日:2017年11月23日
監督:ジョス・ウェドン(ザック・スナイダー)

ジャスティス・リーグ

じゃすてぃすりーぐ
ジャスティス・リーグ

『ジャスティス・リーグ』あらすじ

自らの命を犠牲に地球の危機を救ったスーパーマンだったが、世界は不安と恐怖に包まれていた。スーパーマンの意志を継いだバットマンは、迫りくる強大な敵に立ち向かうため、ワンダーウーマンとともに新たな仲間を探していく。そうして新たに集まったのは、アクアマン、サイボーグ、フラッシュという、いずれも一筋縄ではいかない個性の強い超人たちだった…。

『ジャスティス・リーグ』感想(ネタバレなし)

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なぜDC映画は作品外で盛り上がるのか

2013年の『マン・オブ・スティール』から始まったDCコミックの映画化シリーズは興行的には成功しても批評的には低迷していてね…なんて話はもう書き疲れたし、聞き飽きましたよね。

個人的には一連の作品についてはイマイチだなと偉そうに感想に書いたのですが、でも作品外を飛び越えた騒動は逆に面白いくらいだなと思っていて…。作品に低評価を与えた映画批評サイトにファンが攻撃をしかけるなど荒れに荒れた状態は、もうゴッサム・シティか!とツッコめるレベルだし、過激なファンにこそ慈愛のヒーロー精神が必要なのかもしれない…。また、DC映画の評価を挽回した記念すべき一作となった『ワンダーウーマン』は、その後の映画界を震撼させるセクハラ騒動を想定していたかのような「クソ野郎をぶっとばせ!」な作品でしたし。

DC映画はなぜか作品外のリアル世界と地味にシンクロして盛り上がりますよね。この点については間違いなくマーベルより勝っている…!(褒めていない気がする)

そんなDC映画の歴史史上、製作陣が最も全力の気合を叩き込んだであろう最大級作品が本作『ジャスティス・リーグ』です。

散々宣伝されているとおり、DCのヒーローたちが集結する作品であり、マーベルでいうところの『アベンジャーズ』と同じノリの本作。そりゃあ、盛り上がるのは当たり前。

ただ、製作は二転三転していたようで…当初は2部作に分割の予定だったのですが1作になり、おそらくDC映画の不評で製作側もかなり内容を試行錯誤したであろうことは想像がつきます。極めつけは本作の監督であり、DC映画シリーズを牽引してきた“ザック・スナイダー”が、娘の急逝により、追加撮影中に降板。

しかし、DC、ここでも場外で話題を起こします。えぇ…大丈夫かな…と思っていたら、その後を継いだのがなんとあの“ジョス・ウェドン”。『アベンジャーズ』の監督だった大物ですよ。またまた作品外のリアルで盛り上がらせてくれました。窮地に颯爽と駆け付ける…“ジョス・ウェドン”はヒーローなのか…。それとも…。

ということで観る前からピークが来ちゃった気がしないでもない本作ですが、お祭り映画ですし、わっしょいわっしょい乗っかっていきましょう。

↓ここからネタバレが含まれます↓

『ジャスティス・リーグ』感想(ネタバレあり)

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チームの意味は…

ぶっちゃけ、主に不満方面で言いたいことはたくさんある作品でしたよ。

地球滅亡の危機と煽っているわりには攻撃されているのはアマゾン族とアトランティス人で、むしろ人間側に脅威を与えたのはまたもやスーパーマンだったような…とか。スーパーマン暴走バトルの裏で、人間側のマザーボックスをあっさり盗られすぎだろう…とか。というかそもそもスーパーマンが暴走する必要はあったのか…とか。ロイス・レインがスーパーマンをなだめるアイテム扱いなのはどうなの…とか。ステッペンウルフは終盤一気に小物になりすぎやしないですか…とか。もういい加減悪役が根城を構えると巨大な構造物ができるっていう展開やめませんか…とか。

ただ、最大の疑問は、これってチームを結成した意味、あったのか?という点。なんだろう、やっぱりスーパーマン、強すぎますよね。もう彼ひとりでいいような…。もちろん、スーパーマンの最強っぷりは映像としてはアがります。フラッシュの高速移動シーンでヌッと顔を動かして目で追うシーンとか、ゾッとするほどの“化け物”感が凄い。そして、激下がりするステッペンウルフの恐怖度…。

ジャスティス・リーグのチームは完全にスーパーマンが復活するまでのつなぎです。「オンリーワンが集まれば、(スーパーマンを蘇生して)世界を救える」ですよ。

いや、人命救助とかフラッシュがしてたし、サイボーグも箱の分別作業に活躍してたから、全く意味ないわけではないのですが、でもね。スーパーマンが登場する前の、初のチーム集結で臨むステッペンウルフ戦は非常にチームワークが徐々に生まれていく感じが良かっただけに、スーパーマン出現でぶち壊された気分になりました。

どうするんだろう、今後。私は原作コミック読んでないし、知らないのですが、ラストのレックス・ルーサーJr.とデスストロークがチーム組もうぜみたいなことを言ってましたけど、大丈夫? スーパーマンに敵うの? 敵を心配したくなります。

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でも良くなってきました

苦言をまたもや書いちゃいましたが、『ジャスティス・リーグ』によって間違いなくこれまでのDC映画のダメな部分が克服された面もあったと思います。

まず、以前から気になっていたスーパーマンの死にまつわる“お通夜ムード”がなくなったこと。だいたいこれのせいで不必要に暗かったですから。もうそれがないと思うと安心。

そして、ヒーローキャラが揃ったことでようやくキャラの化学反応が起き始めたことも大きいでしょう。アンダーウーマンの肝っ玉お母さん感といい、フラッシュの無邪気な子どもっぽさといい、サイボーグのインテリ万能な役どころといい、アクアマンの自堕落なオヤジ風情といい…。単体でも魅力的ではあるのですが、他のキャラと絡むことで何倍も魅力が増しています。

チームものあるあるらしく、仲間割れ的な展開も起こるは起こるのですが、割とあっさり解決しているのもこちらのストレスにならなくてGOODでした。真実の投げ縄でアクアマンを半ば強引に素直にさせるギャグとか良かったです。フラッシュの明るさは全然これまでのDCらしさなくて最初は戸惑いますが、シリアスブレイカーとして活かされていたのでいいでしょう。『ペット・セメタリー』ギャグは最高でした。あの言うときの表情がいいですよね…。

個人的には本格参戦は初となるアクアマンのキャラが予想以上に見ていて楽しく、単独作品が楽しみになりました。演じた“ジェイソン・モモア”、出演作の『マッドタウン』の感想でも書きましたが、ほんといい風貌してますね。

既存キャラだと、やはりワンダーウーマンは物語の引き締め役として機能していて、“ガル・ギャドット”のハマり具合もあいまって抜群。バットマンは…頑張ってた。頑張ってたよ。

以前までのドシリアスなDC映画を懐かしむ声もあるようで、真の“ザック・スナイダー”編集版『ジャスティス・リーグ』の公開を求める署名も行われているそうですが、少なくとも一般的な客層にとっては本作のこのバランスは良かったのかな。実際、“ジョス・ウェドン”の意志がどこまで影響しているのか真相はわかりませんが、私の主観としてはマーベルほど明るい作品ではないし、“ザック・スナイダー”らしさはじゅうぶんあったと思いますが(良い部分も悪い部分も)。ちなみに本作の脚本は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と同じ“クリス・テリオ”なのでやっぱり土台は同じですよね。

でも、シリアス部分は“クリス・テリオ”で、ギャグ部分は“ジョス・ウェドン”なんじゃないかと勘繰りたくなるけど…。

「DCエクステンデッド・ユニバース」は死語となり、企画の見直しが行われるみたいで、今後どういう展開を見せるのか…そして作品外のリアルで話題をまたもや提供するのか、どちらも楽しみにしています。

『ジャスティス・リーグ』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 40% Audience 71%
IMDb
6.3 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
星 5/10 ★★★★★
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関連作品紹介

ザック・スナイダー監督のディレクターズカット版の感想記事です。

・『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC ジャスティスリーグ

以上、『ジャスティス・リーグ』の感想でした。

Justice League (2017) [Japanese Review] 『ジャスティス・リーグ』考察・評価レビュー