日本のアニメスタジオがこの銀河を作りだす…「Disney+」アニメシリーズ『スター・ウォーズ ビジョンズ』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。
製作国:日本・アメリカ(2021年)
シーズン1:2021年にDisney+で配信
シーズン2:2023年にDisney+で配信
製作総指揮:ジャクリーン・ロペス ほか
スター・ウォーズ ビジョンズ
すたーうぉーず びじょんず
『スター・ウォーズ ビジョンズ』あらすじ
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。この広大な宇宙は数えきれないほどの無限の可能性に満ちている。見たことがないものはいくらでもある。新たな才能に出会うことで開花する物語、弾ける感情と感情のぶつかり合い。因縁に決着をつける者もいれば、まだ初々しい能力に目を輝かせる者、次なる運命に飛びたつ者もいる。そんな銀河の物語群の断片を覗いてみよう…。
『スター・ウォーズ ビジョンズ』感想(ネタバレなし)
- 『スター・ウォーズ ビジョンズ』あらすじ
- 『スター・ウォーズ ビジョンズ』感想(ネタバレなし)
- 『スター・ウォーズ ビジョンズ』感想(ネタバレあり)
- S1-1「The Duel」
- S1-2「タトゥイーン・ラプソディ」
- S1-3「THE TWINS」
- S1-4「村の花嫁」
- S1-5「九人目のジェダイ」
- S1-6「T0-B1」
- S1-7「The Elder」
- S1-8「のらうさロップと緋桜お蝶」
- S1-9「赤霧」
- S2-1「Sith」
- S2-2「Screecher’s Reach」
- S2-3「In the Stars」
- S2-4「I Am Your Mother」
- S2-5「Journey to the Dark Head」
- S2-6「The Spy Dancer」
- S2-7「The Bandits of Golak」
- S2-8「The Pit」
- S2-9「Aau’s Song」
- 関連作品紹介
日本アニメ版「スター・ウォーズ」を作る
クリエイティブな仕事に関わる人であれば「あの作品に関わってみたいな」という想いはひとつやふたつ抱えているもの…なのではないでしょうか。それがビッグタイトルならとてもじゃないけど今の自分には手が届かない。だけど夢を見るくらいはいいじゃないですか。自分があの作品を手がけるなら「こうしたいな、ああしたいな」「いや、こんな展開をさせようか、こういうキャラクターはどうだろう」…そんな妄想が膨らんでいきます。
その熱量が無視できないほどに膨大なのは世間の二次創作の盛況っぷりからもわかりますよね。その作品が人気かどうかは二次創作の勢いで判断できたりもします。もちろんこの二次創作はあくまでファンの勝手な個人の世界。公式ではありません。そのことは作り手もよく承知しているところ。
でも二次創作ではない、本当にビッグタイトルに関わる機会がドサっと舞い込んできたら…。そんな美味しい話があるわけない? いいえ、あったのです。
どのタイトルの話か。それはあの映画史におけるエンターテインメントの概念を一気に変えた伝説の作品。『スター・ウォーズ』です。
今やドラマシリーズやアニメシリーズによって『スター・ウォーズ』の世界観はどんどんと横に広がり、新たな大成功を収めているのですが、2021年、全く新しい試みが生まれました。それが『スター・ウォーズ ビジョンズ』。
何をしているのかというと、なんと日本のアニメスタジオに制作を依頼しているのです。それも複数のスタジオ。『スター・ウォーズ ビジョンズ』は各話約13分~19分の短編のアニメシリーズで、毎話全く異なるストーリーが展開するアンソロジーなのですが、それを日本のアニメスタジオが作ることを許可するなんてちょっとひと昔前なら信じられないような話。ディズニーは権利に厳しそうなのに…。
なぜこんな夢のような企画が実現したのか。
そもそも『スター・ウォーズ』は生みの親である“ジョージ・ルーカス”が日本文化からインスピレーションを得て創作したものだというのは有名な話。ライトセーバーによるチャンバラ、ジェダイの教え、キャラクターの配置など随所に時代劇(とくに“黒澤明”監督作)の要素が込められています。つまり、『スター・ウォーズ ビジョンズ』は着想元の日本にボールを投げ返す企画なんですね。
また、今の“ジョージ・ルーカス”が引退した後の『スター・ウォーズ』を生み出す「ルーカス・フィルム」自体に所属するクリエイターたちが『スター・ウォーズ』を観て育ったファンで成り立つようになっていることも大きいでしょう。もう『スター・ウォーズ』は歴史と影響力が大きすぎて本来のクリエイターとファンの境が曖昧です。実際、今の「ルーカス・フィルム」のエクゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターは根っからの『スター・ウォーズ』オタクであった“デイブ・フィローニ”ですからね。
そんな背景もありつつ実現したこの『スター・ウォーズ ビジョンズ』。気になるのは制作に関与している日本のアニメスタジオはどこなのかということ。
2021年に配信された全9話では、7つのスタジオが参加しています。
『ニンジャバットマン』などを生み出した「神風動画」。
『ペンギン・ハイウェイ』や『泣きたい私は猫をかぶる』の「スタジオコロリド」。
『キルラキル』や『プロメア』でおなじみの「トリガー(TRIGGER)」。
『メイドインアビス』や『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』でも人気の高い「キネマシトラス」。
『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズを手がける「Production I.G」。
『夜明け告げるルーのうた』や『きみと、波にのれたら』で世界的に注目される「サイエンスSARU」。
『虐殺器官』や『ゴールデンカムイ』の「ジェノスタジオ」。
どれも日本アニメの第1線で活躍する有名なスタジオばかり。そんなクリエイターたちが公式で『スター・ウォーズ』を作れるチャンスを手にして何を生み出すのか。いずれの作品もスタジオの個性が爆発していて、クリエイターたちが思う存分にやっている空気が伝わってきます。
ちなみに一応の正史とは関係はなく、自由に世界観を構築しているのでそのへんはあまり気にしなくても大丈夫です。その結果「私の考えるスター・ウォーズ!」が炸裂していますよ。『スター・ウォーズ』にそんなに詳しくない人でもOKです。
さらにシーズン2では海外のスタジオも参加。世界の可能性の拡大が止まらない。
なお、「スタジオジブリ」とコラボした短編アニメ『禅 グローグーとマックロクロスケ』は2022年に別枠で配信されています。
『スター・ウォーズ ビジョンズ』は「Disney+(ディズニープラス)」で独占配信中です。
オススメ度のチェック
ひとり | :ファンも新規の人も |
友人 | :アニメ好き同士で |
恋人 | :アニメ・ファンなら |
キッズ | :子どもでも楽しい |
『スター・ウォーズ ビジョンズ』感想(ネタバレあり)
S1-1「The Duel」
第1話「The Duel」は「神風動画」の制作。『ニンジャバットマン』の“水﨑淳平”が監督を手がけ、脚本は短編映画『オービタル・クリスマス』を発表したばかりの“堺三保”が担当。
このエピソードは他と比べて絵のタッチが全く異なり、世界観もゴリッゴリの「和」、時代劇そのものです。山賊に襲われる村とそれを守る雇われ部隊は『七人の侍』を彷彿とさせますが、そこに登場するのは傘型の赤いライトセーバーを操る謎の女(ちなみにこのキャラの元ネタは『修羅雪姫』。声を演じているのが“ルーシー・リュー”というキャスティングもいいですね)。そして立ち上がるのは“三船敏郎”主演の『用心棒』的な浪人でまさかのこちらも赤いライトセーバー使い。赤と赤の2人の激しい決闘が始まる…。
個人的にはこの「The Duel」が一番のお気に入り。静と動の演出といい、さりげない「スター・ウォーズ」っぽさといい、無駄のない世界観と脚本のハマり具合だと思いました。
S1-2「タトゥイーン・ラプソディ」
第2話「タトゥイーン・ラプソディ」は「スタジオコロリド」の制作。『宇宙よりも遠い場所』の監督補佐であった“木村拓”が監督を務めています。
まさかの音楽バンドもの。ジェダイの子がバンド「スター・ウェイバー」のボーカルとして第2の人生を謳歌するという斬新な物語。でも「スター・ウォーズ」はパブに定番の音楽が付き物だので、その要素をメインに持ってきたようなものですね。日本だったら青春バンドものだなっていう。それにしても本作を観ていると、ジャバ・ザ・ハットもボバ・フェットもすごい可愛い奴にしか見えない…。あいつら、この後に酷い目に遭うんだよね…。
ちなみに主人公のジェイの声を演じているのは“ジョセフ・ゴードン=レヴィット”です。
S1-3「THE TWINS」
第3話「THE TWINS」は「トリガー」の制作。監督は『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』の“今石洋之”。
冒頭は「スター・ウォーズ」でおなじみのスターデストロイヤーが浮かび上がるカット…なのですが、謎の2機接続。ツインスターデストロイヤーというダークアーマー接続によるハイパーキャノンのエネルギー放出で星を吹き飛ばせる、デススターも不要の凶悪兵器がいきなりの登場。そして始まる双子のアムとカレの因縁バトル。
これぞ「トリガー」という全開のストーリー。宇宙空間でなぜ息ができるのか、知らん!という潔さ。戦闘はセリフに「!」マークが10個分ついてくるような白熱さです。「トリガー」ですからね、スターデストロイヤーくらいライトセーバーでぶったぎれますよ…。
S1-4「村の花嫁」
第4話「村の花嫁」は「キネマシトラス」の制作。監督は『パーフェクトブルー』で原画をしていた“垪和等”。
マギナを信仰をするとある惑星の住民。それはジェダイのフォースの原点であり、その惑星に立ち寄ったエフとそのマスターはフォースのルーツを知る…という内容。謎多きフォースに民族的な解釈を与える物語であり、なんだかんだで一番にジェダイらしいストーリーだったかもしれません。「フォースと共にあらんことを」って言うしね。みんなブラスター止めるの好きだな…。高速移動シューズという裏技を隠し持っており、これにはきっとカイロ・レンもびっくりですよ。
主人公のエフの声を演じているのは、ドラマ『ザ・ボーイズ』でおなじみの“福原かれん”です。
S1-5「九人目のジェダイ」
第5話「九人目のジェダイ」は「Production I.G」の制作。『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』の“神山健治”が監督。
設定的には『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』以降の世界。マスターレス・ジェダイたちがジェダイ騎士団の復活を目指すジューロから通信を受けて集まるとそこには陰謀が…。基本的に「シスの掟」というルールがあり、シスは師弟一組しか持てないのでむやみやたらに増えないのですが、今作はその裏をついて赤いライトセーバーがズラっと並ぶ恐怖を演出。希望はセーバー職人の娘であるカーラに託されることに…。続きを期待したくなる王道の始まりでした。
カーラの声はドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の“キミコ・グレン”、ジーマの声は『シャン・チー テン・リングスの伝説』も大ヒットした“シム・リウ”が演じています。
S1-6「T0-B1」
第6話「T0-B1」は「サイエンスSARU」の制作。監督は『DEVILMAN crybaby』で絵コンテを担当した“アベル・ゴンゴラ”。
多くのエピソードで「和」を押し出す中、こちらは“手塚治虫”スタイルでアプローチ。人型アンドロイドがジェダイになることを夢想するというファンタジックな出だしで始まり、運命に直面していく熱い展開。等身大の無垢なジェダイの誕生を描いていました。
それにしてもこのエピソードは新鮮でしたね。ドロイドのジェダイというのも面白いですし、「スター・ウォーズ」定番の効果音に合わさりながら、ぴょこぴょこした効果音が重なってどことないポップさ。「サイエンスSARU」の得意分野が輝いていました。
S1-7「The Elder」
第7話「The Elder」は「トリガー」の制作。『新世紀エヴァンゲリオン』で演出を務めた“大塚雅彦”が監督。キャラクター原案は漫画「とんがり帽子のアトリエ」でアイズナー賞を受賞した実績を持つ“白浜鴎”。
このエピソードは『エピソード1』の前を描いており、ジェダイマスターのタジンとパダワンのダンが辺境の惑星を旅する中で、不吉な闇の力に遭遇し、これから起きるであろうシスの復活の気配を感じ取るという、かなり意味深なストーリー。「力が全てではない」とジェダイの本質を教える姿が印象的(まあ、この後にジェダイさんたちは大変な失敗をしでかすのですが…)。
なお、このタジンの声を任せられているのは『ブラック・ウィドウ』でも愛嬌を振りまいていた“デヴィッド・ハーバー”。良かったね、ジェダイになれるなんてキャプテン・アメリカよりもスゴイよ。
S1-8「のらうさロップと緋桜お蝶」
第8話「のらうさロップと緋桜お蝶」は「ジェノスタジオ」の制作。『映像研には手を出すな!』の演出や『呪術廻戦』のED作画を務めた“五十嵐祐貴”が監督デビュー。このエピソードでも絵がよく動きます。
惑星タオではもともとの住民は強制労働者として使役されており、そのひとりだったロップはお蝶に気に入られて妹分に。7年後、お蝶とその父・弥三郎は帝国の支配を受け入れるかどうかで対立。ロップは板挟みになりながら、伝家の宝刀を託されて、ジェダイとして開花していく…というお話。日本の和の文化とケモノ要素がミックスした実に日本のアニメらしいテイストでした。
ロップの声を演じているのは『好きだった君へのラブレター』の“アンナ・カスカート”です。ちなみに弥三郎の日本語吹き替えを担当するのは北海道のローカル番組『水曜どうでしょう』のチーフディレクターとしておなじみの“藤村忠寿”なのですが、すっかり声優として立派に仕事しているんだなぁ…。
S1-9「赤霧」
第9話「赤霧」は「サイエンスSARU」の制作。『ピンポン THE ANIMATION』で副監督を務めたりしている“チェ・ウニョン”が監督。
姫であるミサは裏切りによって家を滅ぼされてしまい、その敵討ちに向かう中で、ツバキと遭遇。ツバキというキャラクターが辿っていく物語の運命は…。このエピソードではライトセーバーの描き方が独特で新鮮でしたね。物語自体も非常に抑えた作りです。
英語音声の声優陣は豪華でした。ツバキを『クレイジー・リッチ!』の“ヘンリー・ゴールディング”、ミサを『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』の“ジェイミー・チャン”が演じています。“ジョージ・タケイ”の声を「スター・ウォーズ」で聞けたのは嬉しかったです。
S2-1「Sith」
シーズン2の第1話は「El Guiri」という『トロールハンターズ』の“ロドリーゴ・ブラス”が設立したスペインのスタジオが制作。
ころころドロイド「E2」と暮らすのはひとりの人物。フォースで塗料を操り、芸術活動に専念している様子。しかし、そこにいかにもシスです!みたいな3人が出現。「悪いけど私はもうシスじゃない」とこちらも徹底抗戦することに…。
「スター・ウォーズ」とアートを絶妙に融合させており、水彩画みたいな世界観はお見事。シーズン2の中では個人的には最も独創性の光るエピソードでした。
S2-2「Screecher’s Reach」
シーズン2の第2話は、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』『ウルフウォーカー』でおなじみの「Cartoon Saloon」の制作。
ダールは導かれるように、呪われていると噂のスクリーチャーズ・リーチに仲間3人と行き、そこで幽霊ではなく、禍々しいシスみたいな存在に遭遇。赤いフォースの力を手にして運命が変わり…。
まさか「Cartoon Saloon」が『スター・ウォーズ』の世界を描くとは…。しかもめちゃくちゃ「Cartoon Saloon」っぽいじゃないですか。古のフォースの源流を描く怖い御伽噺のようであり、その始まりにあるのが「母」という万物を超えた存在というのもね…。普通にゾっとする話を届けてくるな、このスタジオ…。
S2-3「In the Stars」
シーズン2の第3話はオスカー受賞歴のある「PunkRobot」というチリのスタジオが制作。
帝国が水を奪って汚染された荒涼とした地で、フォースが使えて帝国に立ち向かうも命を失った母を持つ、ティチーナとその姉。絶望の中で生きる人生に、希望は見いだせるのか…。
シーズン2は海外スタジオが関与するせいか、植民地支配を取り上げたものが多く、このエピソードもまさにそのど真ん中。そこにシブリング愛を描き、エモーショナルなオチへと繋げていました。
S2-4「I Am Your Mother」
シーズン2の第4話は知る人ぞ知る『ウォレスとグルミット』や『ひつじのショーン』の「Aardman」が制作。
航空学校の訓練生対象の年末家族レースが開催する日。でもアンニは癖の強い母が恥ずかしくて遠慮がちで避けており、感じ悪い同級生のジュランにバカにされるだけ。それでも母は来てしまう…。
まさか「Aardman」が『スター・ウォーズ』の世界を描くとは…。しかもめちゃくちゃ「Aardman」っぽいじゃないですか(またこの反応)。正直、私は贔屓するのでこのエピソードがシーズン2で一番好きです。エピソードタイトルからしてふざける気満々ですからね。遊びまくってる。ウェッジのグッズも買ってくださいね。
S2-5「Journey to the Dark Head」
日本のアニメっぽい絵柄だと思ったかもしれませんが、このシーズン2の第5話を制作するのは『キポとワンダービーストの冒険』などを手がける「Studio Mir」という韓国のスタジオ。
ドルガラクで石のお告げを受け取る役割に限界を感じたアラは「ジェダイに知らせるべきです」と単独で決断。トラウマを抱えたトールという若いジェダイが評議会に呼ばれ、同行することに…。
かなり王道なプロローグ・エピソード。アニメーションとして気持ちよく動いており、このまま第1期のシリーズを作ってほしいくらいのクオリティでした。
S2-6「The Spy Dancer」
シーズン2の第6話は「Studio La Cachette」というフランスのスタジオの制作。
トルーパーが息抜きに訪れるショーの店。エティスは帝国を潰したいと息巻きますが、オーナーのロイは裏で計画を進めており、そこには過去に赤ん坊を奪われた辛い事件が…。
このエピソードでは植民地支配に加えて誘拐によってルーツを上書きされるという屈辱も描かれており、さらに踏み込んだ帝国主義の残酷さです。アイデンティティに気づいたとき、真の戦いが始まるのです。
S2-7「The Bandits of Golak」
シーズン2の第7話は「88 Pictures」というインドのスタジオが制作。
ラニとチャルクの兄妹は帝国の支配から逃げるべく村から列車で移動中。ラニはフォースが使えるのですが、そのせいで騒ぎになり、シスも迫ります。そこに助けてくれたのは…。
インドのスタジオが手がけているだけあって、随所にインドらしい要素が満載。軽快な音楽が流れたかと思えば、しっかりアクションが炸裂。しかも老婆ジェダイのライトセーバー二刀流。「いつか銀河中のお菓子を奪おう」という子どもっぽい希望がまたいいです。
S2-8「The Pit」
シーズン2の第8話は「D’ART Shtajio」という日本にありながら黒人のアイデンティティを持つ人たちが設立したスタジオの制作です。
トルーパーに掘れとわけもわからず指示される労働者。そこに埋まっているのはわずかなカイバー・クリスタル。そして岩盤に到達すると大穴に取り残され、使い捨てで終わる。この地獄に光はあるのか…。
こちらも植民地支配の残忍さがでていますが、富裕層の大衆はこれを無視していいのかという、態度を問うストーリーでもあり、まさしく「搾取を見てみぬふりをしない」ことが最初の一歩ですよね。
S2-9「Aau’s Song」
シーズン2の第9話は「Triggerfish」という南アフリカのスタジオの制作。
コルバの人々は平穏に暮らしていましたが、採掘できるカイバー・クリスタルがシスの赤いパワーに汚染されてしまって困っていました。そこにアーウという子が大きな奇跡をもたらすことに…。
またカイバー・クリスタルの話ですが、毛糸粘土みたいな世界観で可愛いです。しかし、背景としてはこれはアフリカのレアメタル採掘と通じるものがあり、資源開発で荒らされる地の希望が映し出されていました。「スター・ウォーズ」の世界っていろいろな国の政治や社会の希望を投影しやすいんだとあらためて実感できるシーズン2でしたね。
ROTTEN TOMATOES
S1: Tomatometer 94% Audience 79%
S2: Tomatometer 100% Audience 67%
IMDb
8.1 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
関連作品紹介
『スター・ウォーズ』関連作品の感想記事です。
・『スター・ウォーズ バッド・バッチ』
・『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ / 反乱者たち』
・『マンダロリアン』
作品ポスター・画像 (C)Disney スターウォーズ ビジョンズ ヴィジョンズ
以上、『スター・ウォーズ ビジョンズ』の感想でした。
Star Wars: Visions (2021) [Japanese Review] 『スター・ウォーズ ビジョンズ』考察・評価レビュー
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