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アニメ『ホワット・イフ…?』感想(ネタバレ)…これはもうオマケ作品では済まない!

ホワット・イフ...?

これはもうオマケ・エピソードでは済まない!…「Disney+」アニメシリーズ『ホワット・イフ…?』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:What If…?
製作国:アメリカ(2021年)
シーズン1:2021年にDisney+で配信
監督:ブライアン・アンドリュース

ホワット・イフ…?

ホワット・イフ...?

『ホワット・イフ…?』あらすじ

あなたはこの世界の何を知っているだろうか。全てを見尽くしたと思っていても、それはたったひとつの世界に過ぎないかもしれない。この世界は無限の可能性に満ちている。もしも、あの人物が表舞台から消えて代わりにあの人物が活躍することになったら…。もしも、勝利するわけがないと思っていた相手が勝ってしまったら…。あらゆる世界に散らばった無数の「もしも…」を今この瞬間に目撃してみよう…。

『ホワット・イフ…?』感想(ネタバレなし)

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アニメだから観なくていいや…ではなく

「フェーズ3」がひとまず区切りをつけ、今後のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の展開予定の作品群が怒涛の如く発表されたとき、それはもうファンは大盛り上がりだったわけですが、その中でも一番注目度が低かった作品はもしかしたら本作だったかもしれません。

それが『ホワット・イフ…?』です。

本作はMCUとしては初となるアニメシリーズ。すでに公開済みの過去作品を土台に「実際には起こらなかった“もしもの展開”が描かれる」というのが本作の基本の説明です。確かにそのとおりの内容であり、例えば『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』で超人血清を打たれたのがスティーブ・ロジャースではなくペギー・カーターだったらどんな展開になるだろうか…とか、はたまた『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』でサノスが地球に襲ってくる前にゾンビパニックが発生していたらどうなるのか…など、中にはかなり荒唐無稽なものまで多数の「if」エピソードが用意されています。

そう言われると「あ、じゃあ、あくまで仮想の”もしも”を描いているだけで、オマケのエピソードでなんだな」と思うのも無理ありません。こう考えるかもしれません。「アニメだし、実写映画や実写ドラマシリーズとは別物な“ファン喜ばせ”的なサービス作品だろうから、自分は観なくていいや」…と。

ところが本作『ホワット・イフ…?』はそうも言ってられない、MCUを語るうえで無視できない重要な作品になっているのです。MCUを逃さず追い続けている人ならご存じのように、「フェーズ4」ではMCUはついに「マルチバース」に突入していき始めています。その口火はドラマ『ロキ』で火蓋をあけました。

「マルチバース」というのは、複数の平行世界が存在している…ということ。あるキャラクターはこの世界ではこんな活躍をしたけど、別の世界で全然違う運命を辿っている…、もしくは複数の平行世界の同一キャラクターがひとつの世界で勢揃いしたり…。MCUではないですけど、最近だと『スパイダーマン スパイダーバース』がその設定で見事に成功させていましたね。

本作『ホワット・イフ…?』はMCU初のアニメ作品というだけでなく、MCU初の本格的マルチバース作品でもあるのです。つまり、これは単なる「もしも…」ではなく、平行世界の出来事として対等な存在であり、ただのオマケでは済まないことに。実際に公式でも本作はMCU正史として位置付けられています。

そして詳細はネタバレを控えますが、本作は当初は「1話完結形式」と言われていましたが、実際に観てみるとしっかり各話が接続していて一本の物語になるんですね。しかも、その結果として終盤で起きる展開なんてそれはもう…『アベンジャーズ エンドゲーム』の100倍はスケールがデカいことが勃発しますし、間違いなく今後のMCUの将来に影響を及ぼす話になっています

ということでMCUフル鑑賞済みの人は『ホワット・イフ…?』も観てね…とオススメしたいところ。それだけの経験者なら今さらシーズン1全9話(各30分)なんてたいしたことないでしょう。逆に本作は最も予備知識を求められる作品になっています。なにせ「もしも…」ですからね。その元ネタがわからないとどうしようもない…。過去作はきっちり鑑賞してないとついてこれないです。

『ホワット・イフ…?』は「Disney+」で独占配信中です。

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『ホワット・イフ…?』を観る前のQ&A

Q:『ホワット・イフ…?』を観る前に観たほうがいい作品は?
A:MCU作品、全部です。そう、全部です(再注意)。

オススメ度のチェック

ひとり4.0:MCUファンは必見
友人4.0:議論が盛り上がる
恋人3.5:MCUが好きな人同士で
キッズ4.0:子どもでも楽しい
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『ホワット・イフ…?』予告動画

ホワット・イフ…?|吹替版 予告編|Disney+ (ディズニープラス)
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ホワット・イフ…?』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):ウォッチャーは見ている

ある世界。第二次世界大戦の最中、アメリカでは「スーパーソルジャー計画」が極秘で進められ、今まさにその最初の候補として抜擢されたスティーブ・ロジャースが、ペギー・カーターの立ち会いのもとで、超人血清が打たれようとしていました。ところがその途中でスパイの邪魔が入り、実験は中断。咄嗟の判断でペギー・カーターが超人血清を打つことになってしまいます。こうして「キャプテン・カーター」となり、戦場に駆り出されていくことになったひとりの女性。スティーブはアーマーのヒドラ・ストンパーで支援にまわりますが…。

ある世界。ヨンドゥ率いる宇宙海賊ラヴェジャーズは地球にいる幼いピーター・クイルを拉致しようとしますが、うっかり間違えてワカンダ王国のティ・チャラを連れ帰ってしまいました。20年後、ティ・チャラは銀河を駆ける傭兵「スター・ロード」となっており、全宇宙の生命を半分にする計画を諭されて止めることにしたサノスを仲間にし、ブロンドヘアのネビュラと良い関係になりながら、なんだかんだで楽しくやっていました。しかし、ワカンダの宇宙船を見つけてしまったことで自分のルーツを考えるようになり…。

ある世界。ニック・フューリーは地球を守るためにアベンジャーズを結成しようとしますが、なぜかことごとく失敗します。トニー・スタークは死亡し、ソーも死亡し、バートンも死亡し、ハルクも破裂。一体なぜこんなことになってしまうのか。その原因を突き止めようとしている間に地球に襲来したのは、アスガルドの第一王子となったロキでした。ロキは地球を支配しようと目論見ますが、フューリーの意外な作戦によってアベンジャーズ候補連続殺人事件の謎が解き明かされることに…。

ある世界。ニューヨークの病院で働く天才外科医のスティーヴン・ストレンジは、同僚で大切な人でもあるクリスティーン・パーマーを助手席に乗せて夜道を高速で走らせていたとき、交通事故を引き起こします。そして…クリスティーンは亡くなりました。その死を受け止めきれないストレンジはカマル・タージで魔術を学び、クリスティーンがいたときの時間に巻き戻すことができることを発見。試してみますが、何度やってもクリスティーンが死ぬという運命を変えることはできず…。

ある世界。ゾンビパンデミックが地球で突如として発生。ヒーローたちもなすすべなく、次々とゾンビ化していきます。そんな中で生存していたのは、ブルース・バナー、ホープ・ヴァンダイン、ピーター・パーカー、バッキー・バーンズ、オコエ、シャロン・カーター、ハッピー・ホーガンなど。一同はなんとかこの深刻すぎる事態を解決しよう一縷の望みを託して治療法を模索。そこにいたのは生命体ではないのでゾンビ化しないヴィジョン、そしてゾンビになってしまったワンダで…。

ある世界。ある世界。ある世界。まだまだ無数の世界がそこにあり、それらは互いに関係せずに存在しています。それを超越した力を持つウォッチャーは「干渉してはならない」という掟に従って観ているだけ。

しかし、そう静観できない、あり得ない事態が生じてしまい…。

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シーズン1:娯楽に振り切ってMCUをネタにしまくる

これまでのMCUはときには社会問題など政治要素をふんだんに取り込みながらエンタメとしての完成度を底上げしていました。しかし、本作『ホワット・イフ…?』はそういった要素はほぼなく、完全に娯楽作に振り切っています。リアリティの無さを逆に持ち味にしている感じであり、まさしくアニメならではのアプローチですね。

ファンの「こんなのが観たかった」という妄想が具現化しており、ものすごくファンダムに向けたサービス精神が豊富です。

例えば、第2話の「もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら?」はその最たるエピソードで、ある意味ではシリアスだった『ブラックパンサー』が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』化することでひたすらに痛快に変身するという面白さ。とくにサノスのネタ化が著しくて笑ってしまいます。穏やかなカタギになったわけですが、でも「キャプテン・指パッチン」と呼ばれつつ、いまだに「虐殺じゃない?」というツッコミに「ランダムだから大丈夫」と論戦をはるこのオッサン、やっぱりヤバイ。これが“チャドウィック・ボーズマン”の遺作になるわけですけど、この物語が最期なのはひとつの救いかなとも思います。“チャドウィック・ボーズマン”はどこかの平行世界でずっと楽しく生きているんですから…。

ネタ化と言えば、第6話の「もしも…キル・モンガーがトニー・スタークを救ったら?」も笑えました。こっちのキルモンガーも相変わらず狡猾なのですが、「アニメ好きなんです」という吐露とともにまさかのガンダムオタクとして描かれているんですよ。ますますキルモンガーの人気があがっちゃうじゃないか。

第7話の「もしも…ソーがひとりっ子だったら?」も大概に(良い意味で)酷かったですけどね。ダーシー・ルイスとハワード・ダックが結婚したりとか…。やっぱりソーとロキは常に愛すべきバカでいてほしいな…。

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シーズン1:マルチバースやりたい放題の究極

そんなハチャメチャなファンサービス満載の個別エピソードだけなのかと思いきや、終盤で一気に事態はシリアスに。『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』でウルトロンがあのヴィジョンの身体を手に入れてしまった最悪の結末。それは地球支配どころか、この宇宙全体、さらにはマルチバースそのものへの脅威へと悪化していき…。

ウォッチャーは自らに課せられた誓いを破り、世界の物語に干渉。第4話のドクター・ストレンジ・スプリームに助けを求めて、各世界から素質あるものを招集。キャプテン・カーター、スター・ロード版ティ・チャラ、サノスを倒したガモーラ、スタークを殺したキルモンガー王、パーティ馬鹿のソー、さらにウルトロンに世界を滅ぼされたナターシャ…。このメンバーでチームを作り、「ガーディアンズ・オブ・マルチバース」としてウルトロンと対決させます。

この展開、まさかここまでやっちゃうの?という次元でした。というのもてっきりこういう究極のマルチバース展開は実写の方で白眉として持ってくるものとばかり…。

スケールも尋常じゃないです。銀河を何個破壊するんだっていう…。加えて非常にアツいメンバー構成なのもいいですね。まず今まで男性陣のサポート役だったカーターとナターシャのタッグが前面に出る。さらにファン待望のティ・チャラとキルモンガーの協力バトルも実現。また不憫な女性キャラの筆頭だったガモーラはなぜか父サノスを抹殺済み(このあたりのエピソードはおそらくシーズン2で語られるのでしょう)。このチームが最強ウルトロンを倒す方法がちゃんと『アベンジャーズ エンドゲーム』と違う解決方法にするあたりも気が利いています(ズルいですけどね)。

ここまでマルチバースの可能性をやり尽くしたら、次、何をするんだろう…。まあ、この『ホワット・イフ…?』シーズン1の終盤の展開はきっと『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』への予行練習になっているのだと思いますけど。

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シーズン1:世界観の重要な設定

『ホワット・イフ…?』はさりげなくこのMCU世界観にとっての重要な設定を説明しているという側面もあります。

例えば、第4話「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」では、クリスティーンの死が「絶対点」になっていて、それは覆せないということが明らかに。つまり、MCUで起きた「ナターシャの死」も「トニー・スタークの死」も無かったことにはできませんよ…ということですね。

しかし、最終話では意外な希望も見せてくれます。最強ウルトロンによって世界を滅ぼされて孤立したナターシャはウォッチャーの気遣いで「ウィドウを失った世界」に送られ、そこで生きるというオチが描かれます。あの世界はいわゆる私たちが観てきたあのMCUの世界線ではないですが、でも事実上ナターシャは復活したわけです。死んだキャラクターの復帰は別の世界線を通して起きうると示したことになり、これは今後も期待しちゃいますよね。

また、マルチバース導入によって通常よりも超越したキャラクターの存在の重要性が増すようになりました。例えば、ユニバース間を移動できる存在は「ネクサス・ビーイング」と呼ばれ、おそらく今後は『ワンダヴィジョン』のワンダや、ドクター・ストレンジが該当するようになると思われます。他にも宇宙全体に影響を与えることができる「コズミック・ビーイング」という存在もおり、これはウォッチャーや今作のウルトロン、そして『エターナルズ』で描かれるセレスティアルズもそうなると言われています。

この「ネクサス・ビーイング」と「コズミック・ビーイング」は今後のMCUの重大要素になるのは必須。『ホワット・イフ…?』のウォッチャーは「ウアトゥ」という個体名があるようですし、そんな超越的存在にも人間味溢れる葛藤がありそうです(『ロキ』のカーンもそうでしたね)。

MCU、本当に予測不可能な領域に到達してしまい、私もウォッチャーになるのは大変だ…。

『ホワット・イフ…?』
ROTTEN TOMATOES
S1: Tomatometer 93% Audience 94%
IMDb
7.6 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
6.0
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関連作品紹介

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の作品の感想記事です。

・『シャン・チー テン・リングスの伝説』

・『ブラック・ウィドウ』

作品ポスター・画像 (C)Marvel Studios ホワットイフ

以上、『ホワット・イフ…?』の感想でした。