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シネマンドレイクが選ぶ「2016年 映画ベスト10」

「2016年」の感想

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私のベスト10を語ります!

今年も終わり。

映画もあれやこれやとたくさん観ました。

ということで、私的に選んだ2016年の映画ベスト10を発表したいと思います。対象は私が今年観た「2016年に劇場公開された or DVDスルーで発売された or 動画配信サービスで配信された新作映画」です。最後に独自の部門別でも選びました。

ちなみに他の年の「映画ベスト10」は以下のページで確認できます。

映画ベスト10

映画のベスト10です。10位から1位の順で発表しています。

10位『何者』

本作を観ると、若者たちが『君の名は。』を観て感動する気持ちが余計にわかる感じがします。誰もが物語の主人公みたいになることを夢見るんですよね。でもそんなのはフィクションだというのは重々理解している。「最近の若者は現実と空想の区別がついていない」とか、そんな堅い説教しか言えない大人はこれを観てほしい。今の若者は現実と空想の区別がハッキリしすぎていることに悩んでいるのです。本作はそんな厳しすぎる現実の世界で嘘っぽくなく背中を押してくれる貴重な映画でした。

9位『pk』

やっぱりラージクマール・ヒラーニは天才だなと。この難しいテーマをきっちりエンタメに落とし込んで、かつ考えさせる…こんな芸当できる人はそうそういません。もう一生、勝手についていく。インド映画初心者にもオススメじゃないでしょうか。インドは踊ってばかりじゃないんです(今作でも踊るのだけど…)。ここまでお手本のような作品を作られちゃうと、誰も勝てる気がしない。宗教を学ぶための作品として教材にしたいくらいなので、誰か文科省に推薦してください。

8位『ヒトラーの忘れもの』

戦争映画はとても評価が難しいもので、何かしらの国家の立場に立って映画は作られているものである以上、そこには常に政治的なプロパガンダ要素が介在してしまうものです。それが存在しない戦争映画は無いと言ってもいいのではないでしょうか。しかし、この『ヒトラーの忘れもの』は戦争というものが何をもたらすのかを淡々と、それでいて容赦なく突きつける誠実さがありました。戦争は勝ち負けじゃない、ただただ負の遺産を地中に残し続け、未来の世代に処理させるものだということを…。

7位『葛城事件』

『湯を沸かすほどの熱い愛』が2016年のポジティブ家族映画の傑作なら、本作は2016年のネガティブ家族映画の傑作。「湯を氷に変えるほどの冷え切った愛」です。観ているだけで心がゴリゴリえぐられますが、同時になにか笑えるのは、やっぱり家族映画だからでしょうか。 といっても観終わった時の絶望感は尋常ではないので、鑑賞の際は相当覚悟してください。こういう作品をベストに選ぶのは、演技が悪い気もしますが、アンチ家族な一作としてやはり今作は外せないなと自分は判断しました。

6位『ズートピア』

一時期は「金儲けしか考えていない」「クリエイティブが欠片もない」とボロクソに批判され凋落した天下のディズニー。それがここまでの傑作を生みだせるほど復活するとは…。まさに新生ディズニーを印象づけるメモリアルな作品です。 個人的にはメッセージ性もいいのですが、各所に散りばめられるディズニー自虐ネタが好きなので、この調子で適度に自分たちで自社を皮肉ってほしいです。これを超えるディズニー映画は生まれるのか。生まれちゃうんだろうな…。

5位『この世界の片隅に』

「今年はアニメ映画の当たり年だ」「この作品は映画史に残る傑作だ」そんな騒がしい世間もなんのその。今日も家族のご飯を作るのです。それを観ているだけで幸せになれるなんて、これ以上の贅沢はあるでしょうか。 日本全国にこのすずさんはいて、毎日せっせと働いてくれるから今がある。戦争が起きようともその流れは変わらない。特別な能力も運命もないけれど、世界の何かを支えている。これが私たち、日本のヒーローです。自分もそのひとりになれると実感させてくれました。

4位『ロブスター』

恋愛をすることはそんなに大切なのか。性行為をすることはそんなに意味があるのか。結婚をすることはそんなに重要なのか。こうした疑いを持つことさえもタブー視されているこの世界は実はすでにとんでもないディストピアではないのだろうか。『ロブスター』はそんな世の中を強烈なブラックユーモアで風刺する衝撃作。私の中ではこれは恋愛映画というよりは恋愛風刺映画として「ここまでやっていいんだ」と自分のいつまにか封じ込めていた蓋をこじ開けてくれるような、案外と背中を押してくれた映画でした。

3位『マジカル・ガール』

行き過ぎた恐怖はもはや異次元。そんな映画の名作が『ヒメアノ~ル』『ディストラクション・ベイビーズ』『クリーピー 偽りの隣人』『ドント・ブリーズ』と2016年は数多く公開されましたが、本作の独創性は群を抜いていました。もうビジュアルで勝っている。魔法少女!? あの魔法少女!? それで実写でスペイン映画だと!? そんな観る前の困惑からの、観終わってからの凄いものを観たという衝撃。心臓に悪い作品なので、繊細な心の持ち主の方は狂気の魔法に気を付けてください。

2位『オデッセイ』

最先端技術が日常化した今、科学にもう一度希望を与える役割を見い出す。そんな映画を待っていました。リドリー・スコット監督、ありがとう。ジャガイモ100年分を進呈したい。個人的には『この世界の片隅に』とコラボしてほしい。どんな悲惨な状況下でも、“マーク・ワトニー”なら“すず”と一緒に仲良くご飯とか作ってそうです。「お芋はね、こうやっておくと美味しくなるんだよ」「えっ、ちょっと待って。今までの計算式が狂うんだけど。再計算するから!」「じゃあ、私は踊っていますね」

1位『シン・ゴジラ』

「想定外すぎる…」本作の感想もまさにこんな感じ。公開される前の期待値と、公開され観賞したあとの評価の差が最も大きい映画だったと思います。2016年は、庵野秀明という突然変異した怪獣に日本が襲われた年でした。庵野秀明、本当に良かったね。「シン・ゴジラ」って名前、ダサいなとか、鑑賞前は思ってました。ごめんなさい。もうヱヴァンゲリヲン、作らなくてもいいんじゃないの…ダメか、じゃあ、頑張ってきてください…。その間は、このゴジラはなんとか防いでおきますから。

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総評&ベスト10に惜しくもリストできなかった映画

あらためて私の2016年映画BEST10は以下のとおりです。

1位『シン・ゴジラ』
2位『オデッセイ』
3位『マジカル・ガール』
4位『ロブスター』
5位『この世界の片隅に』
6位『ズートピア』
7位『葛城事件』
8位『ヒトラーの忘れもの』
9位『pk』
10位『何者』

あれこれ考え抜いた結果のベスト10。当然、惜しくも入れられなかった映画も2016年もいっぱいあります。

私としては『ビューティー・インサイド』、『ぼくとアールと彼女のさよなら』、『パディントン』などですかね。

独自部門の個別賞

ベスト10の次は、俳優や監督のベスト…と言いたいところですが、そんなものはやり尽くされていて面白くない。なので、まず通常の作品とは評価基準が異なってくるドキュメンタリー作品から年間ベスト(ベスト・ドキュメンタリー賞)を一作。そして、個人的に「動物」が好きなので、映画に登場した動物の中から「ベスト・アニマル賞」を決めたいと思います。人間だけでなく、動物だって魅力的に輝いています。

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ベスト・ドキュメンタリー賞

『FAKE』

多くのドキュメンタリー映画が衝撃の実態を暴くことで注目されるなか、本作の驚きは別物な気がします。人間観察映画として最高級に面白い一作でした。

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ベスト・アニマル賞

『ロスト・バケーション』の”カモメ”

サメ映画ではない。カモメ映画だ。

以上です。

2017年もたくさんの心震わす映画に出会えますように。