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『INTERCEPTOR インターセプター』感想(ネタバレ)…Netflix;映画の完成度も迎撃されました

INTERCEPTOR インターセプター

製作総指揮のクリス・ヘムズワースに全部文句を言ってください!…Netflix映画『INTERCEPTOR/インターセプター』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Interceptor
製作国:アメリカ・オーストラリア(2022年)
日本では劇場未公開:2022年にNetflixで配信
監督:マシュー・ライリー
性暴力描写(セクハラ) 人種差別描写

INTERCEPTOR インターセプター

いんたーせぷたー
INTERCEPTOR インターセプター

『INTERCEPTOR インターセプター』あらすじ

絶海のミサイル防衛設備に新しく配属されたひとりの女性士官。以前まではかなりいろいろなことがあり、心が不安定になっていたが、今は気を取りなおして世界を守るために従事する覚悟だった。この施設は敵のミサイルを迎撃するのに欠かせない。しかし、ある日、謎のテロ組織が核兵器をアメリカに撃ち込むという暴挙に出る。なんとか襲撃を生き残った女性士官は圧倒的不利の中、命懸けの戦いに挑む。

『INTERCEPTOR インターセプター』感想(ネタバレなし)

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製作総指揮、クリス・ヘムズワース(どん!)

俳優の“クリス・ヘムズワース”、好きな人も多いはず。あれだけセクシーで、マッチョで、ハンサムで、優しい人柄だったらね…。

今や『マイティ・ソー』のせいですっかり人間の身なりをした神様だと思われているかもしれませんが(だからあんなパーフェクトだったのか!?)、もちろんただの人間です。そう、アメリカ人…じゃなかった、この“クリス・ヘムズワース”、オーストラリア人でした。忘れそうになりますが、正真正銘のオーストラリア出身。でもオランダ系、アイルランド系、イングランド系、スコットランド系、ドイツ系のルーツがあるそうで、なんだかミックスすぎてわかりませんね。

その“クリス・ヘムズワース”は2002年からテレビで仕事をしていたそうですが、2004年にオーストラリアのテレビドラマ『Home and Away』での活躍で母国では話題になったとか。「Home and Away Chris Hemsworth」で検索すれば動画がいくらでもでてくると思いますけど、若々しい“クリス・ヘムズワース”が見れます。そして2009年に“J・J・エイブラムス”監督の映画『スター・トレック』でハリウッドデビューし、『マイティ・ソー』へと続く大ブレイク・ルートを突き進みます。

それからは向かうところ敵なしなのですが、最近は『タイラー・レイク 命の奪還』など製作にも関与し、キャリアを深めています。

そして今回はオーストラリアとアメリカの合作映画を製作総指揮のポジションでまとめあげました。それが本作『INTERCEPTOR インターセプター』です。

『INTERCEPTOR インターセプター』はジャンルとしてはアクションです。物語は架空の戦時的危機が発生した現代を舞台にしており、ある日、ロシアの核ミサイルが何者かに奪われてアメリカにロックオン。それを救えるのは太平洋にポツンと設置された迎撃ミサイル発射設備を備える海洋プラントだけ。そこにたまたま着任したばかりの女性士官がこのピンチを己の肉体ひとつで乗りこえる!…そんな話。

戦争映画風ではありますけど、ノリは完全にエンターテインメントであり、アクションに振り切っています。あれです、ひと昔前の“アーノルド・シュワルツェネッガー”とか、“ブルース・ウィリス”とかがやっていたようなマッチョがピンチを何でも解決する形の映画群。とくに“スティーヴン・セガール”の『沈黙の戦艦』(1992年)に一番近いんじゃないでしょうか。それの現代女性版みたいな。

まさかこの2022年にそんな古いノリの映画ジャンルが見られるなんて…と思いますけど、まあ、『トップガン』だって続編が作られる時代だし…。

監督は“マシュー・ライリー”というオーストラリア人で、そもそも作家であり、「Shane Schofield」シリーズや「Jack West Jr」シリーズなど、主にミリタリー系の小説でキャリアを積み重ねてきたようです。昔から映画の大ファンらしく、今回、『INTERCEPTOR インターセプター』で晴れて映画監督デビューとなりました。

『INTERCEPTOR インターセプター』の主演は、スペイン出身で『ワイルド・スピード』シリーズでもおなじみで、“クリス・ヘムズワース”の妻でもある“エルサ・パタキー”

共演は、“クリス・ヘムズワース”とはブレイク作『Home and Away』の頃から付き合いのある“ルーク・ブレイシー”、最近の『Home and Away』のエピソードにもでていた“アーロン・グレナーネ”など。この顔触れで察せると思うのですが、ほぼ“クリス・ヘムズワース”の親しい人たちで集まってワイワイしている感じです。一応、『グッドマン・イン・アフリカ』の“コリン・フリールズ”などオーストラリア映画界の大物も顔見せしてたりしますけど。

『INTERCEPTOR インターセプター』は日本では劇場公開されず、Netflixで独占配信中。

この映画がつまらなかったら、製作総指揮の“クリス・ヘムズワース”に全部文句を言ってください!

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『INTERCEPTOR インターセプター』を観る前のQ&A

Q:『INTERCEPTOR インターセプター』はいつどこで配信されていますか?
A:Netflixでオリジナル映画として2022年6月3日から配信中です。

オススメ度のチェック

ひとり2.5:暇つぶし程度に
友人2.5:ツッコミながら
恋人2.5:他に良い映画もあるけど
キッズ2.5:やや残酷描写あり
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『INTERCEPTOR インターセプター』予告動画

↓ここからネタバレが含まれます↓

『INTERCEPTOR インターセプター』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):初日から大事件!

今や世界は核兵器を最大の戦争の脅威をみなしている時代。ロシアで発射された核ミサイルがアメリカに着弾するまで24分かかり、アメリカ軍に残された迎撃可能時間は半分の12分です。

この迎撃を担う早期警戒局は2か所のみ。1か所目はアラスカのフォート・グリーリー。しかし、この雪深い地にある基地は何者かに制圧されてしまいました。

残る2か所目は海上プラットフォームの「SBX-1」。太平洋ハワイ北西2400km、詳細な地点は明かせないその場所にある施設はまだこの緊迫した状況にあることを把握していませんでした。

その「SBX-1」にヘリが1機接近します。厳重な武装のプラント基地に着陸し、ひとりの女性が降り、何もない海洋を見渡します。ここが新しい職場。そのコリンズ大尉をワシントン少尉が温かく迎えました。

さっそく上司のもとへ。マーシャル大佐は知り合いであり、「JJ」と愛称で呼ばれて親しく話します。部屋にはウェルシュ大佐もいて、同じく安心できる相手です。

自分に与えられたのは質素な部屋。ワシントン少尉は「女性はみんな大尉を誇りに思っています。あなたに起こったことは他の大勢にも起きました、それを伝えたくて」と口にして持ち場に戻ります。それでもコリンズは過去の嫌な記憶を思い出さずにはいられません。

銃を持って指令室へ来いと言われるコリンズ。なんでもフォート・グリーリーで銃撃があったそうで、戦略室で対応にあたります。そこにいるのはラウル・シャー伍長と、ビーバーというあだ名の呑気で下品なベイカーの2人。

ロシアの潜水艦がうろついているそうで、それはいつものこと。しかし、ロシアのICBMが盗まれたらしいとの情報を掴み、事実なのかと確認に追われます。そして電話があり、アメリカの16都市を狙っているとの声明動画が公表されていることに気づき、それが本当だと痛感。

だとしたら緊急事態です。迎撃ミサイルを発射できるのはここだけということ。もしかしてここにも内通者がいるのでは…そうコリンズが大佐に疑惑を伝えた瞬間、いきなり銃撃戦。やはり敵はもう潜んでいました。

大佐は撃ち殺され、コリンズは敵と格闘。自分よりもはるかに大柄な男をなんとか撃退し、隔壁を閉じます。この戦略室への侵入だけは防がなくては…。

敵の名はアレグザンダー・ケッセル。6年前から計画していたようで、隔壁の向こうでは不敵に笑います。

ホワイトハウスから着信があり、ドアは30分で破られてしまう状況だと報告すると、部屋を守り抜けと命令されます。しかし、特殊部隊が到着するまで90分もかかり、かなり厳しいです。

シャーは訓練以降射撃はしていないので自信なさげ。そうこうしていうちにウェルシュ大佐が人質になってしまい、それでもコリンズはドアを開けるのを一切動じずに断ると、大佐は隔壁の向こうで殺されてしまいました。

しかも戦略室にいたベイカーも敵の一味だと正体を現し、絶体絶命。彼らの目的は、今や自分たちの理想とは程遠いものになってしまったアメリカをゼロから作り直すことだとか。

孤軍奮闘を余儀なくされるコリンズ。この世界の命運がかかった緊迫の事態に自分の役割を果たすことができるのか…。

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大丈夫か、この施設…

『INTERCEPTOR インターセプター』は冒頭から荒唐無稽な設定をさも普通にぶっこんできます。

冒頭で示されるロシアからのミサイルを迎撃できるのは2か所だけ!という本作の根幹をなす設定は、実際とはかなり違います。

確かに「GBI(Ground Based Interceptor)」と呼ばれるミサイル中間地点で迎撃する施設があるのは、アラスカ州フォート・グリーリーと、あとカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地。本作は海洋プラットフォームになっていますが、ここはそれほど差異はありません。

ただ、他にも迎撃方法はあって、日本でも聞いたことがあるであろう「イージス弾道ミサイル防衛システム」もありますし、ミサイル発射すぐの場合はドローンなどで攻撃もできますし、ミサイル着弾直前の場合は「THAAD(Terminal High Altitude Area Defense)」「パトリオットPAC-3システム」もある。こうやって整理するとずいぶん選り取り見取りです。

要するに本作のこのシチュエーションは完全に映画を盛り上げるための嘘です。そこらへんは映画なのでしょうがないと目をつむるとしましょう。フィクションです。多少の嘘はあるのも当然。

しかし、それにしたって他の部分もちょっとリアリティがなさすぎるのは本作の致命的な欠点で…。

何より本作の重要な舞台となる「SBX-1」。「え? こんなに警備が緩いの?」というくらいにセキュリティも防衛もガバガバです。これなら大手の銀行とかの方がしっかり防衛できていると思う…。

敵にもう侵入されているのは物語の都合上やむを得ないとしても、全然対応もできず、あれよあれよという間に主人公ひとりしか頼れない状況に追い込まれます。設定としてそうならないといけないのはわかるにしても、もっと頑張ってくれているところを見せてよ…。ミドリガメ飼っている場合じゃないよ…。

敵も味方もバカなんじゃないかという思いが映画本編ずっと堆積していくのですが、施設もザルながら敵もザルですよ。なんか余裕ぶっているし、用意周到に計画した感じで突っ立っていましたけど、早く基地ごと爆破するとかすればいいのに…。

これをコメディテイストの立場ではなく、真面目なアクションとして見せられるのはちょっとキツイものがあるかな…。

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この「沈黙」はシリーズ化しなくていい…

『INTERCEPTOR インターセプター』は全体的に映像も物語もチープさが誤魔化しきれておらず、いわば低予算なのを上手く隠す演出が全然できていない、B級映画にありがちな沼にハマっていて…。

それを余計に助長しているのが、“クリス・ヘムズワース”のゲスト出演。今作では電機店の店員をしており、ハイジャックされて生中継される現場を見守っています。この“クリス・ヘムズワース”、なぜかわりとよく映る…。「頑張れ!」とか応援しているのですけど、この映画の空気をさらに軽くしていて、これもわざとなのかさっぱりですが、もうこうなってくると勝手にしてくれという感じも…。だって、応援してるの、自分の奥さんや知り合いですよ。

それにホワイトハウスさえもただの棒立ち状態になっていて…。なんだこの緊迫感が全く知らない世界で起きていて、こっちは傍観しているだけの感覚は…。この世界が核で滅んでも別にいいかなという気分になる…。

これの悪影響をもろに受けているのは本作の真面目な部分。主人公のコリンズは上司によるセクハラを受けてそれに反発し、結果、軍内部で嫌がらせを受けるようになってしまい、自殺未遂までしたという、重たい背景が描かれます。ちなみに“マシュー・ライリー”監督は妻を自殺で亡くしているそうなので、今作で主人公が回復していく姿はそういう人生経験を素材にしているのかもしれません。

また、今回の敵は明らかに極右的な思想の持ち主であり、露骨に人種差別的で女性差別的です。「偉大なアメリカを取り戻す」という名目で核ミサイルを撃ち込むという暴挙にでる、議事堂襲撃事件を起こした連中と同一の臭いを漂わせています。

そんな奴らにコリンズが毅然と立ち向かっていき、社会の信頼を取り戻す姿を描くことで、このジャンルを現代的にアップデートしようという意図は見える。ただ…。

ただ、いかんせん作品そのものが薄っぺらいので、この正しいメッセージも空回りしているようにしか思えず…これは悪い方向に転がったなぁ…。

そもそも性的加害で心に傷を負った女性を軍国主義的な世界で活躍することで癒すというのは、さすがに軍に都合がよすぎるのではとも思うし…。『トップガン マーヴェリック』みたいに、軍隊とはちょっと距離をとるために別の信念を主軸とするアプローチもあったろうに…。

“スティーヴン・セガール”の『沈黙の戦艦』と対をなすほどに『INTERCEPTOR インターセプター』のパワーがあるとはとても思えず、何とも頼りないちょろちょろな迎撃になってしまいました。

罰として“クリス・ヘムズワース”雷神さまのハンマーは没収しますね。

『INTERCEPTOR インターセプター』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 50% Audience 39%
IMDb
4.5 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
3.0
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作品ポスター・画像 (C)Netflix インタセプター

以上、『INTERCEPTOR インターセプター』の感想でした。

Interceptor (2022) [Japanese Review] 『INTERCEPTOR インターセプター』考察・評価レビュー