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『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』感想(ネタバレ)…ジェームズ・ガン下克上!

ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結

こういうのが見たかったんです…映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:The Suicide Squad
製作国:アメリカ(2021年)
日本公開日:2021年8月13日
監督:ジェームズ・ガン

ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結

ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結

『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』あらすじ

アメリカ政府は公式には行えない極秘任務を任せる相手として、刑務所に厳重に収監されている個性豊かな悪党たちにチームを組ませ、「スーサイド・スクワッド」として送り込むことにする。今度の舞台は独裁者が蔓延る島国。しかし、そこには独裁政権よりも恐ろしい危険な存在が隔離されていた。そんなことも知らない面々は思い思いに暴れていくが、ついにその異形の姿が二本足(五本?)で立ち上がる…。

『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』感想(ネタバレなし)

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新メンバー:ジェームズ・ガン

人生、何が起こるかわからない。

調子に乗っている差別主義者をSNSでボコボコにしていたら、右翼系メディアに狙われて自分の過去の差別的なツイートを掘り起こされ、それが理由で大炎上し、頼みにしていた映画会社から降板となってしまう…そんなことも起きるときには起こる。

でもそれもまた波乱万丈な人生の1ページ。新しい新章はすぐにやってきました。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で映画ファンの心を掴んだ“ジェームズ・ガン”監督のMCUからの電撃降板は衝撃的なニュースとなりましたが、当人はすぐに次の遊び場を見つけていました。

それは以前の実家のマーベルのライバルであるDCでした。DCにヘッドハンティングされた“ジェームズ・ガン”監督が間髪入れずに手がけることになったのが本作『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』です。

“ジェームズ・ガン”監督の手にかかれば絶対に面白くなることは間違いなし。すでに快作保証つきですから、もうとにかく映画館へ突っ走れ!って感じです。祭りです、祭り。

でもハイテンションで大盛り上がり!といきたいところだけど、この映画の裏で苦汁をなめたひとりの人間がいることも記録にとどめておこうと思います。

その人とは“デヴィッド・エアー”。本作『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』はいかにも完全新作のような顔をして堂々と存在していますが、映画ファンならきっとまだ覚えてくれているはず、5年前、『スーサイト・スクワッド』という映画がありました。

こちらも期待のDC映画だったのですが、公開後は大不評。シリーズの失速のきっかけにもなり、家主のワーナーは「過去の失敗は無かったことにしよう」と全力で過去作を上書きしにかかります。

ジョーカーは新顔となり、アカデミー賞にノミネートされる優等生に。

ハーレイ・クインは過去のジョーカーをすっかり縁切りし、我が道を突き進むことに。

バットマンだって新作に塗り替わる予定。

ただその2016年の『スーサイト・スクワッド』を監督した“デヴィッド・エアー”はあれは不本意な映画だったと後述しているように、監督を責めるのもやっぱり違うし…。しかも同様の不評作『ジャスティス・リーグ』は『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』になったけど、『スーサイト・スクワッド』は完全新作で上書きですもんね…。不幸な、不運な、そういう映画だった…私は闇に葬りはしないよ…。

はい、悲しい話はここまで。『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』の時間です。

本作の話はシンプル。何も考えなくていい。見慣れないキャラクターがいっぱいいるけど大丈夫。なんか知らん奴がいる!いえーい!くらいのノリでOKです。

日本の映画館に洋画大作がたくさん帰ってきたこの夏。最も騒がしいこの映画を観ないと夏は終われません。

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『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』を観る前のQ&A

Q:『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』を観る前に観たほうがいい作品は?
A:ないです。他のDC映画を観る必要はありません。
Q:「ハーレイ・クイン」ってどんなキャラクター?
A:知らなくていいです。
Q:「ブラッドスポート」ってどんなキャラクター?
A:知らなくて(以下、略)
Q:「ピース・メイカー」ってどんなキャラクター?
A:知ら(以下、略)
Q:「キング・シャーク」ってどんなキャラクター?
A:可愛い。

オススメ度のチェック

ひとり5.0:気分爽快ストレス発散
友人5.0:盛り上がるエンタメ
恋人4.0:バイオレンスが嫌でないなら
キッズ3.5:残酷描写がかなり多め
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『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』予告動画

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』日本版本予告 2021年8月13日(金)全国公開
↓ここからネタバレが含まれます↓

『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):みんな死ぬ!

南米の島国「コルト・マルテーゼ」。夜の暗闇の海辺に上空から侵入してきた“あるチーム”がいました。そのチームとはタスクフォースX、通称「スーサイド・スクワッド」。アメリカの刑務所に収監されていた極悪人たちです。

白い長髪で的確に相手を殺す「サバント」、黒いアーマーを装着している「ブラックガード」、自分の腕を切り離すことができる「T.D.K.」、特別っぽい槍を使いこなす「ジャベリン」、地球人ではなさそうな「モンガル」、27人の子どもを殺害したイタチのような“何か”「ウィーゼル」、ブーメランを武器として扱う泥棒の「キャプテン・ブーメラン」、そしてジョーカーから解放されて自由奔放な「ハーレイ・クイン」。そんなクセの強い集団をまとめるのは軍人のリック・フラッグでした。

ハーレイ・クインとキャプテン・ブーメランは前作の『スーサイド・スクワッド』でも一緒だったので今作でもなんとなく知り合いっぽい会話をしています。

しかし、砂浜にたどり着くや否や、仲間のひとりが平然の裏切り、そのせいでコルト・マルテーゼ軍隊の一斉放火を浴びることに。チームの面々は次々と死んでいき、生き残ったハーレイ・クインはジャベリンの槍を託されつつも捕まります。フラッグもジャングルを逃走している間に何者かに確保されてしまいました。

ところがチームはもうひとつありました。別のチームが別の浜辺から島に上陸。こちらは静かです。その「スーサイド・スクワッド」を率いるのは、あらゆる武器の使い手でスナイパーだけど娘との仲は険悪なロバート・デュボアこと「ブラッドスポート」。他のメンバーは、自分の考える平和のためなら女子どもも容赦なく殺すクリストファー・スミスこと「ピースメイカー」、水玉模様を発射できるアブナー・クリルこと「ポルカドットマン」、ネズミを自在にコントロールできるクレオ・カゾこと「ラットキャッチャー2」、人を食べる本能だけはあるサメ人間のナナウエこと「キング・シャーク」

チームの目的はひとつ。アメリカ政府職員のアマンダ・ウォラーに命じられたのは、「スターフィッシュ計画」として知られる秘密の実験を行っているというヨトゥンヘイムと呼ばれる施設の破壊。現在、この島国はシルヴィオ・ルナ将軍に支配されていますが、その謎の実験はシンカーと呼ばれる科学者が実権を握っていました。チームはそれぞれ頭に爆弾を埋め込まれており、この任務遂行から離脱はできません。達成するか、死ぬか。

ひとまずブラッドスポートのチームは敵っぽい奴らを殺戮しつつ、フラッグと合流。抵抗軍のリーダーであるソル・ソリアの助けもあって、街に侵入することに成功。ハーレイ・クインとも出会うことができました。

けれども物事は上手く進まない。この「スターフィッシュ計画」。実は宇宙から飛来して過去にNASAの宇宙飛行士が回収してしまった地球外生命体のことであり、その生命体は想像を超えたパワーを持っており…。

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こういうのが見たかった!

こういうのが見たかったんです、『スーサイド・スクワッド』。これを最初にやっていれば良かったのに…。そうつい声に出してしまうのも無理はない、「これだよこれ」感がダイレクトアタックしてくる映画、それが本作『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』でした。

ある意味では“ジェームズ・ガン”監督の集大成とも言えます。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』よりも制約がない中での大予算で自由にやっているので、何でもありの詰め込みまくり。でも情報過多で膨れ上がることもない。

なにせ冒頭からいきなり作戦開始ですからね。説明すらも省く。そしてなんだかわからないけど死んでいく。もう「スーサイド・スクワッド」のスタイルはわかってるでしょ…という前作をあえてネタにするかのような豪快さ。

各キャラクターもいかにも“ジェームズ・ガン”監督が好きそうな性格に偏っています。

例えば、男たち。ピースメイカーは監督作『スーパー! 』(2010年)を彷彿とさせる、正義というものを明らかに勘違いしている自己中心型の愚直男。“ジョン・シナ”がぴったりすぎる。彼はやっぱりこういう脳筋勘違い野郎を演じるとハマりますね。

ブラッドスポートは一見すると非の打ち所がないキャラクターなのですが、ここに「ネズミ恐怖症」というかなりしょぼく見える弱点を加えることで途端に愛すべき“弱み”を持った存在。“ジェームズ・ガン”監督はとにかくこういう“弱み”を愛でるのが本当に上手いです。今作の“イドリス・エルバ”は可愛い。

リック・フラッグはこの中では比較的常識人なのですが、それでも比較的というだけであって、本来であれば頭でっかちな男になっていたはず。しかし、今作は脳筋男が三密渋滞しているので互いが互いを打ち消し合ってそれで面白くなっているという…。演じた“ジョエル・キナマン”は主演ドラマ『フォー・オール・マンカインド』でも板挟みでヤバくなっていく男を熱演しているのでそっちも見てみてね。

対する“ひ弱”な男の代表になっているポルカドットマン。彼のさっぱり意味不明な設定の上にある試練といい、あれはあれでまた“ジェームズ・ガン”監督の定番でしたけどね。

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ヒトデとサメとネズミの三大動物決戦

そして“ジェームズ・ガン”監督と言えば『スリザー』でもおなじみ、群体、とくにウネウネしたものが大好き。

今作も「スターロ」という愛すべき巨大ヒトデのエイリアンで大暴れしてくれました。見た目は『宇宙人東京に現わる』(1956年)のあの奴らにすっごく似ているし、たぶん性格的にも実は常識ある存在らしいことを匂わせているので、通じるものがあるんですけどね。

ともあれスターロがドシンドシンとあの図体で街を闊歩している映像だけで本当に愉快で、「ああ、映画って楽しいな」と私は大満足です。ちゃんと見ているとすごく可愛い目をしているし。

一方でその可愛さ勝負では負けていないのが、ナナウエです。一挙手一投足、すべてがキュート。B級サメ映画がずっとやってきた「サメ」という存在の愛くるしさを進化させる作業を、“ジェームズ・ガン”監督はひとつの完成形に仕上げましたね。“シルヴェスター・スタローン”のキャスティング含めて完璧じゃないですか。

私はずっと「ナナウエが巨大化してスターロを食べるんだな」というオチを期待しながら観ていたのですが…。

そのトドメの決着で活躍したのはネズミでした。この最弱にして社会の底辺の代表であるネズミたちを最後の華に持ってくるあたりはいかにも“ジェームズ・ガン”監督。ネズミのセバスチャンも終始やっぱり可愛いし…。

まあ、あそこは思うところもありますよ。だったらネズミだけで良くない?…と。そもそものこの作戦、全部ネズミだけで完結することができたのではないか…とかはね…。

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ハーレイ・クインの物語は後退ぎみ

でもそのネズミ使いのラットキャッチャー2がまた良いキャラだったのでそれはそれで嬉しい出会いでしたけどね。演じた“ダニエラ・メルシオール”のあの飄々とした動じない佇まいも良かったです。

一方で、DC映画を横断しているハーレイ・クインに関しては前作の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』を考えると、本作ではやや成長が後退した気もします。前作でせっかく「男性ありきのストーリーテリング」から解放されるというエンパワーメントをやってのけたのに、今作ではまたイケメンありきのキャラクターのように戻っていますからね。これは現在の単発重視のDC映画のスタイルの欠点でしょうか。ワンダーウーマンでもそう思ったのですが、別監督の各作品でキャラクターに一貫した成長ドラマが描けないのは少し盛り上がりに欠けます。その場その場で観客を楽しませるにはいいのですが、カタルシスは乏しいというか…。

これだったらいっそのことハーレイ・クインを登場させずに別の新キャラクターを描くのでもじゅうぶんに役割を果たしていたと思います。

そういえば“ヴィオラ・デイヴィス”演じるアマンダ・ウォラーも前作からの続投なのですが、一応原作コミックにおいても重要なキャラクターということもあって殺すに殺せずにややモヤっとした立ち位置ではありました。でもあのコンプライアンスゼロの職場の最悪の空気…あの露悪さも“ジェームズ・ガン”監督らしさですね。彼が脚本を手がけた『サラリーマン バトル・ロワイアル』(2016年)に似ている気も。

物語自体は今後展開されるというピースメイカーのドラマシリーズに続いていくわけですが、私としてはナナウエのドラマシリーズを作ってほしい…。そしてハーレイ・クインはポイズン・アイビーとの物語をぜひ期待してます。

『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 91% Audience 83%
IMDb
7.5 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
7.0
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関連作品紹介

DC映画の感想記事の一覧です。

・『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』

・『ワンダーウーマン 1984』

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↑『宇宙人東京に現わる』…スターロによく似た宇宙人が登場。わりと常識ある話せる奴です。

作品ポスター・画像 (C)2021 WBEI TM & (C)DC スーサイドスクワッド 極悪党集結 新スースク

以上、『ザ・スーサイド・スクワッド 極悪党、集結』の感想でした。

The Suicide Squad (2021) [Japanese Review]