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『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』感想(ネタバレ)…Netflix;生の鶏肉は好きですか?

サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ

ヒーローは生の鶏肉が好きなんです…Netflix映画『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』の感想です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。

原題:Thunder Force
製作国:アメリカ(2021年)
日本では劇場未公開:2021年にNetflixで配信
監督:ベン・ファルコーン

サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ

サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ

『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』あらすじ

超能力を持つ悪者たちがはびこる現代。かつての親友でそれぞれの生き方の違いが合わないせいで喧嘩別れをした幼馴染は、キャリアとして成功を収めていただけでなく、普通の人間にスーパーパワーを与える研究にも成果目前まで迫っていた。しかし、久しぶりの再会でうっかり調子に乗ってしまったことでまさか2人ともスーパーパワーを獲得してしまったのは予想外。こうして街を守るため、やむを得ず2人が立ち上がる。

『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』感想(ネタバレなし)

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バカップル映画です

アメリカのコメディ映画が好きなら“メリッサ・マッカーシー”という女優を知っている人も多いはず。

彼女のキャリアは言うまでもなくコメディで始まります。スタンドアップコメディで初期から活動し、「The Groundlings」というスケッチ・コメディの劇団にも所属。そこから徐々に脇役でドラマや映画に出始めます。ジェニー・マッカーシーという従妹がおり、そのツテで最初にテレビ出演の機会を得られたようです。

そして2010年の『Mike & Molly』というドラマシリーズでお茶の間に知られ始めます。この作品でエミー賞の主演女優賞(コメディシリーズ部門)を獲得し、キャリアが輝きだしました。

さらに“メリッサ・マッカーシー”をブレイクさせたのが、2011年の『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』。これが大ヒットし、それでアカデミー助演女優賞にまでノミネートされ、一気にスター俳優の仲間入りに。

それからはもう“メリッサ・マッカーシー”は恐れ知らずで爆走。多数のコメディ映画の主演を飾り、やりたい放題です。批評家も呆れる酷評を貰うこともあれば、『SPY/スパイ』のように絶賛されるコメディ映画もあったり、はたまた2016年の『ゴースト・バスターズ』のように大作でも堂々と自分の笑いに徹したり。

その“メリッサ・マッカーシー”も2018年の『ある女流作家の罪と罰』でいつものコメディを封印して名演を披露。まさかのアカデミー主演女優賞にまでノミネートの快挙。やっぱり凄い人なんじゃないか。

けれども基本はコメディです。“メリッサ・マッカーシー”のお笑いスタイルは単純で、(あえてこう表現しますが)太っちょブサイクみたいな容姿を惜しげもなく自虐したコテコテのコメディ。今時はもう通用しなさそうになってきましたけど、本人は全然ブレずに今もこの方向性を貫いています。

そんなせいもあって“モテないキャラ”の象徴みたいになってますけど、“メリッサ・マッカーシー”は実は昔から付き合っている人がいて2005年に結婚し、ずっと仲が良いんですよね。そのパートナーが“ベン・ファルコーン”というコメディアン兼俳優です。

“ベン・ファルコーン”は監督もやっていて、頻繁に妻である“メリッサ・マッカーシー”を主演にした作品を作っています。『タミー/Tammy』(2014年)、『メリッサ・マッカーシー in ザ・ボス 世界で一番お金が好き!』(2016年)、『ライフ・オブ・ザ・パーティー』(2018年)、『スーパーインテリジェンス』(2020年)と連発しまくり。「夫が監督、妻が主演」の仲良しカップルと言えば『バイオハザード』『モンスターハンター』のあのペアが有名ですけど、“メリッサ・マッカーシー”&“ベン・ファルコーン”も負けてないのです(日本だとそもそも劇場公開されておらず知名度が低いのですけどね)。

そんな毎度の2人がお届けする最新作が本作『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』です。

内容は“メリッサ・マッカーシー”演じるおばさんがスーパーパワーを手にしてヒーローになるという、ほぼ一発芸みたいなネタ。予想外も何もない、想像どおりの中身です。

ただ、本作はもうひとりスーパーヒーローになるお相手がいて、それが“オクタヴィア・スペンサー”です。彼女は「善人」イメージの強い役柄が多いですが、最近は『マー サイコパスの狂気の地下室』で恐怖キャラをノリノリで熱演していましたし、案外とお茶目なんでしょう。実は“メリッサ・マッカーシー”とも旧知の仲なのだとか。

つまり、限りなく身内同士でバカ騒ぎしているだけの映画であり、このノリについていけないと冷めきってしまう作品で…。まあ、そこは生暖かく見守ってあげてください。バカップル映画ですから。

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『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』を観る前のQ&A

Q:『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』はいつどこで配信されていますか?
A:Netflixでオリジナル映画として2021年4月9日から配信中です。

オススメ度のチェック

ひとり3.0:暇つぶしに
友人3.0:小粒のエンタメを
恋人3.0:お気楽に
キッズ3.0:下ネタは薄め
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『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』予告動画

メリッサ・マッカーシー&オクタヴィア・スペンサー出演『サンダーフォース ~正義のスーパーヒロインズ~』予告編 – Netflix
↓ここからネタバレが含まれます↓

『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』感想(ネタバレあり)

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あらすじ(前半):超人になりました

1983年3月。地球上の人間たちは強力なエネルギーを持つ宇宙放射線を浴びました。これによりごくわずかな人間に遺伝形質転換が発生。驚くべき能力を得る者たちが出現したのです。不幸なことにその能力が発言したのは一部の遺伝的に反社会性を持つ者に限られていました。

彼らは後にこう呼ばれます。「ミスクリオン」と…。

1988年のシカゴ。エミリー・スタントンという少女は、ミスクリオンの暴走によって両親を殺され、孤独となってしまいます。その日、ミスクリオンを止めると人生に誓いました。

幸せな生活を奪われ、祖母のもとで育てられることになり、学校も転校。その転校したばかりのエミリーが最初に友人となったが同級生のリディア・バーマンです。彼女は授業でも寝ており、態度は不真面目そのもの。けれども、ウェインという少年がイジメてきた際に、「俺は女でも殴れる」とのたまうウェインに「女も男を殴れる」と容赦なくパンチを決め、助けてくれたのがリディアでした。

リディアは「私にスーパーヒーローになれたらな」とボヤきます。エミリーは「私の両親は遺伝子の研究者だった」と打ち明け、リディアは「その研究が完成していたら良かったのにね」と語ります。こうして2人は親友になりました。友情の証のミサンガをあげて…。

5年後。高校生のエミリーは研究者になるべく勉強に夢中。リディアと距離ができます。そして大事な試験の日を台無しにしかけたリディアに堪忍袋の緒が切れ、2人は喧嘩し、以後は絶交してしまいました

それから数年後。大人になったリディアはコンテナ運搬の仕事でなんとか極貧生活中。いまだに街ではミスクリオンが暴れています。治安も悪く、店も困っている様子。

そんなとき、同窓会が近づき、思い切ってエミリーにメッセージを送ってみることに。行くという返事が来ます。

当日。バーで待つも姿は見えません。ニュースでは、暗殺未遂にあった億万長者ザ・キングという人物が報道されており、レーザーという名のミスクリオンが犯人のようです。ザ・キングは市長候補選に出ており、ライバルのゴンザレスをリードしています。

そしてニュースは話題を変え、実業家のエミリー・スタントンが自身の会社「スタントン4.0」の新本部ビルを地元シカゴに建設したという話に。やっぱり成功しているんだなぁ…。

リディアはその豪華なビルに行ってみます。「エミリーに会いたいんだけど」と受付に言ってみると案外と通してくれました。

ついにエミリーと再会。「久しぶり」とぎこちなく挨拶。多忙で時間も忘れていたようです。

服に飲み物をこぼしてしまったので着替えてくるエミリー。「何も触らないでね」と釘を刺します。しかし、リディアは研究室を好奇心で触りまくり。中央の椅子に座ると、何か作動。顔に何かを注射され、気を失い…。

目が覚めると、エミリーは「人生をかけた研究を台無しにした」と激怒。両親の研究を引き継いで能力者になれる薬を作ったらしく、エミリーは怪力を手にしたとか。やむを得ず実験台にそのまま継続してなってもらうことに。

エミリーの15歳の娘であるステイシーや、元CIAだという凄腕のアリーという社員を紹介してもらいつつ、薬を注入するテストを続けます。33回も…。

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鶏肉とカニのお料理プレイ

『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』は、ひたすらにしょうもないギャグのみに傾倒しています。超人化における社会へのリスクみたいな、『ザ・ボーイズ』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のようなシリアスな社会風刺要素は皆無です。

超人?なにそれ?最高じゃん!くらいのノリ。一応はミスクリオンが社会に害を与えているのですけど、そのへんもかなり大雑把にスルーされていきます。両親の死とか忘却の彼方ですよ。

そもそもリディアとエミリーが超人化してハンマービンゴというヒーローネームで「サンダーフォース」というコンビを組むに至る実験の流れも、なんというか美容注射みたいな感じで済まされていますからね。問答無用で注射をぶっ刺されるのがシュールすぎるけど…。

この33日の実験過程の七転八倒な大騒ぎっぷりはまさに“メリッサ・マッカーシー”のコメディスタイル。『ゴースト・バスターズ』でも思いましたけど、“メリッサ・マッカーシー”が何かしらのパワーを持つとたいていは楽しいです。あらゆる能力を彼女に授けたい…。

極めつけはなぜか生の鶏肉を食べたいという衝動に駆られるようになる展開。意味不明ですが、それが“メリッサ・マッカーシー”。最近はハリウッドでもヴィーガンがすっかり普及している中、この生肉食べまくりネタで攻めていく手法、何でもありです(ネットとかでよくいる、ヴィーガンを自称する人に肉の画像を送りつけて嫌がらせするどうしようもない人たちも、“メリッサ・マッカーシー”くらい体を張って生肉を頬張るとかすればいいのに)。

さらに意味不明の重ね技で、なぜかなぜか「クラブ」というミスクリオンとロマンチックな関係に発展。このクラブも腕がカニというそのまんますぎる見た目がアホでしかないのですが、演じる“ジェイソン・ベイトマン”もノリノリで…。この人、コメディ映画によく出ていますけど、ドラマ『オザークへようこそ』みたいな名作も生み出しているんですよ…今回はカニ男だけど…。

しまいにはリディアとクラブのアツアツカップルによる、鶏肉とカニのお料理プレイがエロティックに勃発するという、どこからツッコめばいいのかわからない世界に。絶対、これ、そのときの勢いで脚本を書いているだけだよね…。

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中年女性のヒーローをもっと求む!

そんなふざけまくり“メリッサ・マッカーシー”に対して、エミリーを演じる“オクタヴィア・スペンサー”もつられてなのか、とても楽しそうにしているのが印象的。やっぱり本人もいつも善人キャラばかりで窮屈してたんじゃないか。今回みたいに発散できる映画の役が欲しかったんですよ。

表面上は知的なキャラクターということになっていますが、だいぶ穴が多いのも事実で、作品自体が粗雑なのでそうなるのですけど、エミリーもリミッターが外れればやりたい放題です。

透明化という能力が地味なのはちょっと残念でしたけどね。もっとこう派手なのが良かったです。透明化の能力を開発したつもりが、触っただけで物体を原子レベルで崩壊させる能力になっちゃった…とか。

でもこういう中年女性のヒーローはなかなかいまだに乏しいので、待ってましたという爽快感はありますね。

もうひとりの印象的な能力者はレーザー。彼女を演じている俳優はたぶん名前は知らないでしょうけど、映画ファンなら見たことはあるはず。あの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』で触角のある不思議系なキャラのマンティスを演じている“ポム・クレメンティエフ”ですよ。

“ポム・クレメンティエフ”はカナダ・ケベック州生まれのフランス人なのですが、母が韓国人なのでアジア系の血も入ってます。今回は破壊力抜群のパワー全開で、きっとドラックスもびっくりだったでしょう。

ザ・キングを演じた“ボビー・カナヴェイル”もどことなく悪そうな顔しているせいもあって、最初から胡散臭いです。アリーを演じた“メリッサ・レオ”もどうせならスーパーパワーを手に入れてほしかったですけど、予算不足かな…。

作品に苦言があるとすれば、リディアとエミリーを前にして祖母が2人はレズビアンだと思って期待していたと吐露するくだり。一応はホモフォビアにならないように配慮されていましたが、あそこで同性愛をネタにしたのですから、もうちょっとレプリゼンテーションがあっても良かったんじゃないかな、と。例えば、エミリーの娘のトレイシーが同性愛者であるとして描くとか。フォートナイトもいいんだけども。

もちろん本音の要望ではもっとスーパーパワーをめぐるシニカルな風刺を効かせてほしかったのですが、この“メリッサ・マッカーシー”&“ベン・ファルコーン”作品はそういうことしないのでね…。

生の鶏肉は普段は食べちゃダメですよ。食べていいのは“メリッサ・マッカーシー”だけ。

『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』
ROTTEN TOMATOES
Tomatometer 25% Audience 32%
IMDb
4.2 / 10
シネマンドレイクの個人的評価
4.0
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関連作品紹介

メリッサ・マッカーシーの出演する映画の感想記事の一覧です。

・『SPY スパイ』

・『ゴーストバスターズ(2016)』

・『パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)』

・『ある女流作家の罪と罰』

作品ポスター・画像 (C)On the Day Productions

以上、『サンダーフォース 正義のスーパーヒロインズ』の感想でした。

Thunder Force (2021) [Japanese Review]